【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)業績の状況
当第3四半期連結累計期間(2022年4月1日~2022年12月31日)における我が国経済は、4~6月期は個人消費や設備投資、在庫投資等の内需の上振れが全体を押し上げてプラス成長となりましたが、7~9月期は新型コロナウイルス感染症の感染第7波や物価高を受けて個人消費が伸び悩んだほか、輸入が大幅に増加したことでマイナス成長となりました。10~12月期は財輸出が米欧中の景気悪化を受けて減少した一方、全国旅行支援や水際対策の緩和を受けたサービス消費・インバウンド需要の回復、輸入の反動減でプラス成長の予想が散見されます。
鉱工業生産指数については4月と5月は中国での都市封鎖の影響を受けて低下しましたが、6月に都市封鎖の解除などを受けて上昇に転じました。7月と8月は部材供給不足の影響が緩和したことなどから上昇していましたが、9月と10月は上昇の反動などから低下、11月は上昇となりましたが12月は低下して弱含みの基調となりました。
当社グループの主要事業は国内生産動向の影響を受けやすい産業用包装資材の製造・販売であり、当第3四半期連結累計期間の業績は内外の工業生産動向を反映したものになりました。また、資源価格やエネルギー価格の高止まりが継続している状況が続いております。連結売上高は16,949百万円で前年同期から814百万円の増収でした。物価高騰による価格転嫁が進んだ影響で増収となり、一方で原価率上昇の抑制に努めましたが営業利益831百万円(前年同期比279百万円の減益)、経常利益1,068百万円(同211百万円の減益)、親会社株主に帰属する四半期純利益761百万円(同137百万円の減益)となりました。
セグメントの経営成績を示すと、次の通りであります。
○重包装袋
重包装袋部門の主力製品であるクラフト紙袋の業界全体の当第3四半期連結累計期間出荷数量(ゴミ袋を除く)は、前年同期を3.5%下回りました。農水産物、塩、砂糖・甘味、肥料の用途は増加しましたが、合成樹脂、化学薬品、セメント、製粉、飼料の用途が大きく減少しました。重包装袋の主原材料であるクラフト紙の価格は、原燃料費の急騰を背景に、値上がりが続きました。
当社のクラフト紙袋の売上数量は前年同期比3.4%減少しました。塩、砂糖・甘味、米麦、その他食品の用途は増加しましたが、主力の合成樹脂用途が大きく減少しました。また、第2四半期までは好調だった化学薬品の用途も減少に転じました。
子会社の九州紙工㈱は、米麦袋の減少を一般袋で補い、売上数量は前年同期から2.7%増加しました。タイ昭和パックス㈱の当第3四半期連結累計期間(1~9月)は、新型コロナウイルス感染者発生による生産体制への影響は落ち着いたものの、主に自動車関連の顧客の減産が影響して、売上数量は前年同期と比べ10.5%の減少となりました。山陰製袋工業㈱の当第3四半期連結累計期間(1~9月)は、主力の両底貼袋、および米麦袋が減少したことで、売上数量は前年同期比3.3%の減少となりました。
当セグメントの当第3四半期連結累計期間売上高は10,264百万円で、前年同期に対し1.9%の増収となりました。
○フィルム製品
フィルム製品の業界全体の当第3四半期連結累計期間の出荷量は、前年同期から産業用が減少、農業用は増加で、全体では0.7%減少しました。主原材料であるポリエチレン樹脂の価格は、原油・ナフサ価格の上昇から値上げが繰り返されました。ナフサ価格は落ち着いたものの、燃料コストなど諸経費の上昇により、ポリエチレン樹脂価格は高止まりしています。
当社の売上数量は、産業用・農業用の合計で前年同期比2.1%の減少でした。産業用は減少、農業用は僅かに減少しました。産業用は熱収縮包装用エスタイトが増加しましたが、アスベスト隔離シート、発泡フィルム、一般広幅フィルムが減少しました。農業用はハウス用農サクビ、サイレージ用エスラップ・グリーンが増加しましたが、バーナルハウス、フルーツ物語、強化ポリエチレンフィルムが減少しました。
当セグメントの当第3四半期連結累計期間売上高は3,093百万円で、前年同期に対して11.9%の増収となりました。
○コンテナー
粒状内容物の大型輸送用ワンウェイ・フレコンの業界の出荷量は、国内生産品と海外生産品を合わせると、化学工業品、合成樹脂、食品、飼料の用途が増加しました。全体では前年同期から10.0%の増加となりました。海外からの輸入量も前年から増加しています。
当社の売上数量は、ワンウェイ・フレコン「エルコン」、大型ドライコンテナー用インナーバッグ「バルコン」は前年同期比で微減でした。液体輸送用1,000ℓポリエチレンバッグ「エスキューブ」、液体輸送用コンテナーライナー「エスタンク」は減少しました。
当セグメントの当第3四半期連結累計期間売上高は1,674百万円で、前年同期に対して8.9%の増収となりました。
○不動産賃貸
賃貸契約に一部解約がありました。当セグメントの当第3四半期連結累計期間売上高は前年同期から僅かに減少して188百万円でした。
(2)財政状態
(資産)
当社グループの当第3四半期連結会計期間末総資産は30,844百万円で、前連結会計年度末に比べて1,448百万円増加しました。主な増加要因は現金及び預金978百万円、受取手形及び売掛金233百万円、電子記録債権274百万円、棚卸資産486百万円、有形固定資産177百万円およびソフトウェア107百万円です。主な減少要因は投資有価証券720百万円です。
(負債)
負債合計は10,293百万円で、前連結会計年度末に比べて973百万円増加しました。主な増加要因は支払手形及び買掛金527百万円、電子記録債務776百万円、営業外電子記録債務220百万円およびその他の流動負債153百万円です。主な減少要因は未払法人税等178百万円、賞与引当金156百万円および繰延税金負債237百万円です。
(純資産)
純資産合計は20,551百万円で、前連結会計年度末に比べて474百万円増加しました。主な増加要因は利益剰余金579百万円および為替換算調整勘定352百万円、主な減少要因はその他有価証券評価差額金508百万円です。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、212百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(7)経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通し
当第3四半期連結累計期間において、当社の経営成績に重要な影響を与える要因に重要な変更はありません。
なお、連結子会社である㈱ネスコにおいて、同社の取引先に対する債権につき期日が経過しても売掛金が入金されない事態となり、取立不能又は取立遅延のおそれが生じました。詳しくは、「第4 経理の状況 1四半期連結財務諸表 注記事項(追加情報)」をご参照ください。