【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
経営者の視点による当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 当期の経営成績の概況当連結会計年度における世界経済は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う経済活動の抑制等により、一層不透明な状態が続いております。また、国内経済につきましても、新型コロナウイルス感染拡大防止のための緊急事態宣言の発令や各自治体からの要請により、経済活動が停滞する状態となり、個人消費や雇用に大きな影響を与えており、先行き不透明な状況が続いております。 このような状況の下、コンタクトレンズ市場では、海外において1日使い捨てコンタクトレンズを中心としたディスポーザブルコンタクトレンズが拡大基調にあり、新型コロナウイルス感染症の影響によって消費の冷え込みは一部見られるものの、需要は回復してきております。国内市場におきましては瞳を大きくみせることを目的としたサークルレンズや遠近両用のコンタクトレンズの需要が引き続き高まっております。
各事業の状況は、以下になります。
[国内コンタクトレンズ事業]新型コロナウイルス感染症の影響により、当社取引先販売店及びグループ販売店においても営業日数制限及び営業時間短縮に伴うご案内時間の減少や、非接触意識の高まりにより販売促進活動が制限されました。このような状況の中、市場において需要が増加している1日使い捨てコンタクトレンズ及び老視世代に向けた遠近両用コンタクトレンズに加え、コロナ禍でマスク着用時でも瞳を大きく印象付けることが出来るサークルレンズの使用者増加に取り組みました。 商品施策といたしましては、1日使い捨てサークルレンズ「1DAY FRUTTIE30枚入り」を新発売し、眼科医の処方に基づく販売施設において取扱店を拡大しております。一方、国内大手通販サイトにおいては「1DAY FRUTTIE10枚入り」を発売し、安全啓発活動の一環として購入者を対象に自分の目に合った適切な度数を再確認するためのレンズモニター施策「Let’s GOカラコン健康診断」を実施しております。新たな市場への参入においては、当社の掲げる安全哲学憲章の考えに基づき使用者の安全意識を高めながらサークルレンズを拡販してまいります。 メニコン直営店とグループ販売店においては、お客様に安心してご来店いただく環境づくりに努め、Miruホームページ上への感染防止対策動画の公開に加えて、来店予約や受取専用ロッカーによる商品の受渡しサービスを開始し、混雑緩和や滞在時間短縮等を実現いたしました。また、新たな時代においてもお客様と円滑にコミュニケーションができるサービスとして、実際のショップに近い感覚で店舗の疑似体験ができる「ARショップ」、総合サービスサイト「Club Menicon」、当社が発行するポイント「MENICOiN(メニコイン)」等の提供を開始いたしました。 プロモーション施策といたしましては、「SMART TOUCH(スマートタッチ)」「Miru」を中心としたテレビコマーシャル放映等の広告宣伝活動や1DAY入会キャンペーン等の販売促進活動に努めました。このような取り組みの結果、メルスプランの会員数は2021年3月末時点で134万人に到達いたしました。今後も事業の拡大に努めてまいります。
[海外コンタクトレンズ事業]新型コロナウイルス感染症により、外出制限など厳しい対応が各国で実施される中、得意先訪問ができない時期や感染防止対策を講じながらの生産等、制約を受けながらの活動となりました。厳しい環境下ではあったものの、新規販売先の獲得やM&Aによる販売網の強化、物流機能の整備等、事業拡大を進めることができ、海外コンタクトレンズ事業全体としては、売上高前期比27.9%増と伸長しました。欧州では、売上高前期比23.6%増と業績拡大を実現できました。2019年10月に完全子会社化したSOLEKO S.p.A.におけるイタリア市場の販売ネットワークが売上増加に寄与した他、成長分野であるディスポーザブルコンタクトレンズ市場において、「Miru 1day UpSide」及び「Miru 1day Menicon Flat Pack」を戦略商品とし、新たな大手量販得意先との取引を開始しました。拡大するディスポーザブルコンタクトレンズ販売の流通を支えるべく、ドイツにおいてロジスティクスセンター機能の移転・拡張を実施し、サプライチェーンの強化を進めました。また、近視進行抑制の分野においては、ユーザーの瞳の状態及びレンズの使用状況を確認するサービスシステムの開発を実施した他、近視進行抑制用のハードタイプのオルソケラトロジーレンズ「Menicon Bloom Night」や1日使い捨てコンタクトレンズ「Menicon Bloom Day」といった商品ラインナップの拡充を図りました。北米では、新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受け、売上高前期比39.5%減となりました。今後の成長に向けて、大手小売チェーンに対してプライベートブランドの1日使い捨てコンタクトレンズを供給するための準備を整えた他、新型コロナウイルス感染症による移動制限への対応としてコンタクトレンズケア用品のオンライン上での販売強化を図りました。アジア※では、特に中国においてオルソケラトロジーレンズやコンタクトレンズケア用品を中心に売上高前期比57.3%増と大きく躍進しました。販売面においては、中国国内の販売力の強化を主目的に2021年1月に板橋貿易株式会社を完全子会社化し、今後の市場拡大への販売網を獲得した他、生産面においてはオルソケラトロジーレンズの将来の更なる需要拡大に応えるべく株式会社アルファコーポレーションの新工場として、中国国内に新たな現地法人を設立し、稼働準備を進めています。これにより、中国国内で製造から販売までの一貫体制を築く素地を整備しました。※「アジア」にはセグメント情報等上、日本国内の売上高に含まれている日本国内の代理店を通じた中国への主要な輸出を含んでいます。
[その他事業]株式会社メニワンにおける動物医療事業は商品開発に注力し、検眼器具の「アイリスベットlight」及び眼底カメラの「クリアビュー2」の発売を開始いたしました。環境バイオ事業は、稲わら分解促進剤等の販売が堅調に推移したとともに、今期に本格導入した家畜臭向け消臭剤「resQデオマスター」の販売で売上を伸ばしました。ライフサイエンス事業は妊活をサポートするサプリメント「ルナリズムラクトフェリン」等の販売が好調に推移しました。またライフケア用サプリメントの品数を揃え、EC事業の売上を伸ばしました。精子選別用デバイス「ミグリス」も前期から大きく売上が伸長しました。
このような取り組みの結果、当社グループの当期の経営成績は、メルスプランによる安定的な収益に加え、2019年10月に完全子会社化したSOLEKO S.p.A.(イタリア)の業績が反映されたこと、中国市場におけるオルソケラトロジーレンズ及びケア用品の販売が堅調に推移したことにより、売上高は86,209百万円(前期比2.0%増)の増収となり、売上総利益は45,817百万円(前期比1.3%増)となりました。また、販売費及び一般管理費について前期と比較して効率的に使用できたことから営業利益は8,106百万円(前期比15.3%増)となりました。経常利益は主に海外子会社で新型コロナウイルス感染症に関する助成金収入が計上されたことにより8,348百万円(前期比27.4%増)となりました。特別損益につきましては、主に2021年1月において完全子会社化した板橋貿易株式会社の株式の段階取得に係る差益が計上されたことにより543百万円の特別利益を計上した一方、新型コロナウイルス感染症の影響により売上高が減少したMenicon Limited(イギリス)のコンタクトレンズ製造設備・オフィスに係る使用権資産及び株式会社ダブリュ・アイ・システムの販売店舗に係る固定資産について減損損失を計上したことなどにより537百万円の特別損失を計上しました。これらの結果、税金等調整前当期純利益は8,353百万円(前期比33.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は5,952百万円(前期比46.6%増)となりました。
なお、セグメントの業績は次のとおりであります。
①コンタクトレンズ関連事業コンタクトレンズ関連事業は、売上高が84,529百万円(前期比2.0%増)、セグメント利益が12,609百万円(前期比8.6%増)となりました。
コンタクトレンズ関連事業の売上高は前期と比較して1,624百万円伸長いたしました。主な増加要因はメルスプラン売上高が1,044百万円、海外市場におけるケア用品売上高が1,937百万円増加したことであります。メルスプラン会員は前期と比較して会員数が増加し、134万人に達しております。海外市場におけるケア用品売上高増加はSOLEKO S.p.A.(イタリア)の業績が反映されたこと及び市場拡大が続く中国のオルソケラトロジーレンズに対するケア用品売上高が増加したことによるものです。一方、主な減少要因は新型コロナウイルス感染症の影響を受け、コンタクトレンズ物販売上高が1,293百万円減少したことであります。セグメント利益につきましては、販売費及び一般管理費の効率的な使用に努めた結果、売上高と同様に前期比で伸長しております。
②その他事業その他事業は、ライフサイエンス分野における妊活向け及びライフケア向けサプリメントが好調に推移したことから、売上高は1,680百万円(前期比4.1%増)となりましたが、将来の事業拡大に向けて先行して費用を支出したことでセグメント損失は524百万円(前期セグメント損失は494百万円)となりました。
当社グループは中長期経営計画として「Vision2020」を定めており、2021年3月期に連結売上高1,000億円、営業利益率10%、ROE10%の目標を掲げて活動してまいりました。「Vision2020」の最終事業年度である当期の各目標の達成状況につきましては、連結売上高が86,209百万円(達成率86.2%)、営業利益率が9.4%(達成率94.0%)ROEが10.6%(達成率106.0%)となりました。連結売上高につきましては、目標に対して未達という結果となりました。新製品の投下及びM&Aの推進による販路の拡大など売上高獲得に向けて活動を進めてきましたが、新型コロナウイルス感染症の影響で国内外問わず事業活動に制限を受けたことが大きく響きました。営業利益率につきましては、目標に対して未達という結果になりましたが、売上単価の高い1日使い捨てコンタクトレンズの売上高比率上昇や販売費及び一般管理費の効率的な使用に努めたことにより、目標に迫るところまで上昇させることができました。ROEにつきましては、親会社株主に帰属する当期純利益が前期比で大きく伸長したことにより、目標を達成することができました。
(Vision2020 成果指標目標)
2017年3月期
2018年3月期
2019年3月期
2020年3月期
2021年3月期
売上高(百万円)
72,052
76,672
80,898
84,519
86,209
営業利益率(%)
5.4
5.7
6.9
8.3
9.4
ROE(%)
6.7
6.8
8.7
8.5
10.6
(メルスプラン累積会員数)
2017年3月期
2018年3月期
2019年3月期
2020年3月期
2021年3月期
累積会員数(万人)
122
127
130
133
134
うち「SMART TOUCH」会員数(万人)
9
13
17
20
23
(注)「SMART TOUCH」会員数:「Magic」「Magic toric」「1DAYメニコン プレミオ」「1DAYメニコン プレミオ トーリック」会員数の合計
(2) 生産、受注及び販売
① 生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
生産高(百万円)
前期比(%)
コンタクトレンズ関連事業
15,876
+12.7
合計
15,876
+12.7
(注) 1. 金額は製造原価によっております。
2. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。3.当連結会計年度における生産実績の変動は、主に以下の要因に基づくものです。 まず、中国においてオルソケラトロジーレンズやコンタクトレンズケア用品の販売が好調であり、その需要に対応するため生産を拡大しました。また、2019年10月に完全子会社化したSOLEKO S.p.A.の生産実績が反映されました。
② 商品仕入実績当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
商品仕入高(百万円)
前期比(%)
コンタクトレンズ関連事業
9,972
△7.8
その他事業
657
+7.6
合計
10,630
△7.0
(注) 1. 金額は仕入実績によっております。
2. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
③ 受注状況当社グループは、需要予測に基づく見込生産を行っているため、該当事項はありません。
④ 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
販売高(百万円)
前期比(%)
コンタクトレンズ関連事業
84,529
+2.0
その他事業
1,680
+4.1
合計
86,209
+2.0
(注) 1. セグメント間取引については、相殺消去しております。
2. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3) 財政状態(資産の部)当連結会計年度末において総資産は126,731百万円となり、前連結会計年度末に比べて39,444百万円の増加となりました。流動資産は、主に転換社債型新株予約権付社債の発行及び借入の実行により現金及び預金が増加したことから、28,485百万円増加し70,207百万円となりました。また、固定資産は主に各務原工場の1DAYコンタクトレンズ製造ラインの設備投資により、10,959百万円増加し56,523百万円となりました。
(負債及び純資産の部)負債は、主に転換社債型新株予約権付社債及び借入金の増加により前連結会計年度末に比べて31,980百万円増加し65,745百万円となりました。純資産は、主に親会社株主に帰属する当期純利益計上により、前連結会計年度末に比べ7,464百万円増加し60,985百万円となりました。この結果、自己資本比率は46.7%となりました。
(4) キャッシュ・フロー当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ24,329百万円増加し41,120百万円(前連結会計年度比144.9%増加)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によるキャッシュ・フローは、主に税金等調整前当期純利益8,353百万円、減価償却費5,286百万円を計上したことにより、10,628百万円の収入(前連結会計年度は8,712百万円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によるキャッシュ・フローは、各務原工場及び関工場の生産設備増設による有形固定資産の取得及び、株式会社ハマノコンタクト及び板橋貿易株式会社の株式取得により、15,629百万円の支出(前連結会計年度は7,656百万円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によるキャッシュ・フローは、転換社債型新株予約権付社債の発行及び長期借入れの実行により、28,913百万円の収入(前連結会計年度は3,438百万円の支出)となりました。
(当社グループの資本の財源及び資金の流動性に関する情報)当社グループの資金需要のうち運転資金及び研究開発投資は、主に自己資金を財源としますが、外部からの資金調達が必要な場合は、金融機関からの借入や社債発行等の負債により調達することとしております。一方、設備投資や事業買収、その他の投資資金は金融機関からの借入や社債発行等の負債及び資本による調達を基本としております。資金調達を行う際は、期間や市場金利動向等、また自己資本比率、ネットDEレシオやROEといった財務指標への影響度等を総合的に勘案しながら、最適な調達を実施します。主要な取引先金融機関とは良好な取引関係を維持しており、また本報告書提出日時点における株式会社格付投資情報センターからの発行体格付は「A-」(安定的)であることから、安定的な資金調達が随時実施可能であると考えております。 加えて、複数の取引銀行とコミットメントライン契約及び当座貸越契約を締結しており、資金調達の機動性及び安定性を確保しております。
(5)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、「第一部 第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。
(繰延税金資産)当社グループは、将来の事業計画に基づく課税所得及び将来減算一時差異の回収可能性をふまえ繰延税金資産を計上しております。事業環境の変化及び新型コロナウイルス感染症の影響等による将来課税所得の見積りに変更が生じた場合は、繰延税金資産の取り崩しに伴う税金費用を計上する可能性があります。
(固定資産)当社グループは、固定資産(買収によって発生したのれんを含む)の減損会計の適用にあたり、概ね独立したキャッシュ・フローを生み出す最小単位によって資産のグルーピングを行っており、原則として管理会計上の区分を基準にグルーピングを行っております。収益性が著しく低下した資産グループに関しては、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。事業環境の変化及び新型コロナウイルス感染症の影響等による将来キャッシュ・フロー等、固定資産の回収可能価額計算の前提条件に変更が生じた場合は、固定資産の減損損失を計上する可能性があります。
(長期未払金)当社グループは、一部のコンタクトレンズを製造する上で特殊技術を第三者より譲り受けており、その対価として一定期間に渡りロイヤリティを支払う旨の契約を締結しております。同契約の中でロイヤリティは特殊技術を用いた製品の販売高に一定率を乗じた金額を支払う内容になっており、当社グループは毎期上記に基づいて算定されたロイヤリティを支払うとともに毎期末同製品の将来販売高に基づいたロイヤリティの金額を算定し未払金として計上しております。事業環境の変化及び新型コロナウイルス感染症の影響等による同製品の将来販売高に変更が生じた場合は、未払金計上金額の評価替えに伴う費用収益を計上する可能性があります。
(棚卸資産)当社グループは、棚卸資産を取得原価で測定しておりますが、連結会計年度末における正味実現可能価額が取得価額より著しく下落している場合には、当該正味実現可能価額で測定し、取得価額との差額を原則として売上原価に計上しております。また営業循環過程から外れて滞留する棚卸資産については、将来の事業環境を反映し正味実現可能価額を算定しております。 事業環境の変化及び新型コロナウイルス感染症の影響等による正味実現可能価額の著しい下落が生じた場合は、棚卸資産の評価損を計上する可能性があります。
