【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
経営者の視点による当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 当期の経営成績の概況当連結会計年度における世界経済は、米中貿易摩擦の継続や英国のEU離脱問題等、政治・外交的な要因に加え、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響を受け、より一層不透明な状態が続いております。また、国内経済につきましても、相次ぐ自然災害の影響や消費増税後の需要の冷え込みに加え、新型コロナウイルス感染症の感染拡大等、不安定な要素に注視しなければならない先行き不透明な状況が続いております。このような状況の下、コンタクトレンズ市場では、海外において1日使い捨てコンタクトレンズを中心としたディスポーザブルコンタクトレンズが拡大基調にあります。特に、酸素透過性の高いシリコーンハイドロゲル素材のコンタクトレンズの割合が増加しております。さらに、国内市場におきましては瞳を大きくみせることを目的としたサークルレンズや遠近両用のコンタクトレンズの需要が高まっております。
各事業の状況は、以下になります。
[国内コンタクトレンズ事業]市場においてコンタクトレンズデビューする年代から需要が増加している1日使い捨てコンタクトレンズ及び老視世代に向けた遠近両用コンタクトレンズの商品ラインアップ拡大を図り、メルスプランを中心に使用者増加に取り組みました。商品施策といたしましては、レンズ内面にふれずに取り出すことのできるパッケージ「SMART TOUCH(スマートタッチ)」を採用した、近視用1日使い捨てコンタクトレンズの3ヵ月パック「Magic 90枚入り」、同じく乱視用1日使い捨てコンタクトレンズ「Magic toric」を発売いたしました。Magicシリーズは当社従来品(メニコン1DAY)と比較して、一次包装のプラスチック使用量を約80%削減し、二次包装のケースは、その100%が製造時に出るプラスチックを再利用しております。お客様のライフスタイルに応じながら環境に配慮した製品の提供に努めました。さらに世界初となる非含水レンズのモールド製造を実用化した「フォーシーズン」の遠近両用タイプ「フォーシーズン バイフォーカル」をメルスプラン専用商品として追加し、40代以上に支持され、売上拡大及びメルスプランの会員数増加に寄与しました。メニコン直営店とグループ販売会社においては、“「見る」にこだわる”をスローガンに掲げ、一貫したサービスを提供する販売網として「Miru」ブランドへの統一を進めております。販売チャネル強化策といたしまして、ブランド強化のため「イメチェンしてMiru?キャンペーン」を実施いたしました。プロモーション施策といたしましては、「メルスプラン」「Miru」を中心としたテレビコマーシャル放映等の広告宣伝活動や1DAY入会キャンペーン等の販売促進活動に努めました。このような体制の下、メルスプランの会員数は2020年3月末時点で133万人に到達いたしました。今後も事業の拡大に努めてまいります。
[海外コンタクトレンズ事業]事業拠点を拡充すべく、M&Aによる有望市場における販売・製造拠点の獲得、中国事業の販売ネットワークの構築を行いました。商品面ではディスポーザブルコンタクトレンズの海外向けオリジナルブランド「Miru」の浸透、近視進行抑制システム「Menicon Bloom」の導入を進めました。欧州では、域内第2位のコンタクトレンズ市場を有するイタリアにおいて、コンタクトレンズ及びケア用品の製造・販売会社であるSOLEKO S.p.A.を含むFINEKO S.p.A.グループを完全子会社化しました。成長分野であるディスポーザブルコンタクトレンズ市場においては、引き続き大手小売チェーンのプライベートブランドを中心に、販売を強化しております。また、近視進行抑制用のハードタイプのオルソケラトロジーレンズ「Menicon Bloom Night」でCEマーク認証を取得し、さらに1日使い捨てコンタクトレンズ「Menicon Bloom Day」を追加しました。アジアでは、中国において、オルソケラトロジーレンズやコンタクトレンズケア用品の販売が堅調に推移しています。中国市場の拡大に伴い、大手病院グループや有力大学病院との販売ネットワーク強化に努めており、今後も継続して販売・マーケティング活動を推進してまいります。シンガポールでは「Miru 1day UpSide」を導入し、市場から高評価を得ております。その他の東南アジア諸国では、引き続きグループ会社から周辺国への輸出を推進しました。北米では、ディスポーザブルコンタクトレンズ事業を強化するため、「Miru 1month Menicon」シリーズの販売促進を強化した他、大手小売チェーンのプライベートブランドとして1日使い捨てコンタクトレンズの供給を開始しました。また、近視人口の増加に伴う問題に率先して取り組むべく、近視マネジメント用オルソケラトロジーレンズ「Menicon Z Night」の米国FDA (米国食品医薬品局)承認を取得しました。
[その他事業]株式会社メニワンにおける動物医療事業は商品開発に注力し堅調に推移しております。医療機器では眼内レンズ「メニワンX」、サプリメント事業においても「ベジタブルサポートドクタープラス グルタミン&オリゴ」を発売。また、AIを活用した眼科診察サポートサービス「FundusAI」も開始いたしました。環境バイオ事業は、稲わら分解促進剤等の販売が堅調に推移しました。ライフサイエンス事業は妊活をサポートするサプリメント「プレグナ」シリーズ及び「ルナリズムラクトフェリン」、ライフケアをサポートする「めにサプリ」シリーズ等の拡販に取り組みました。
このような取り組みの結果、当期の売上高は前期比4.5%増の84,519百万円となりました。「Magic toric」「フォーシーズン バイフォーカル」といった競争力ある商品がラインアップに加わったことで会員数が増加したメルスプラン売上高の伸長、好調な中国におけるコンタクトレンズ、ケア用品の販売のほか、新たにSOLEKO S.p.A.を含むFINEKO S.p.A.グループの売上高を取り込んだことが寄与しました。営業利益は、売上高に対する売上原価ならびに販売費及び一般管理費の比率が前年比で低下したため前期比26.2%増の7,033百万円となりました。経常利益は、顧客情報管理プラットフォーム事業を手掛ける持分法適用関連会社のBig Picture Medical Pty Ltdにおいて、のれん相当額の一時償却の影響を含む持分法による投資損失300百万円を計上したことなどにより、前期比16.1%増の6,554百万円となりました。特別損益につきましては、固定資産の売却等に伴い94百万円の特別利益を計上した一方、Menicon Singapore Pte. Ltd.において生産品目の最適化を図ったことによる固定資産の除却損及び子会社の店舗資産に関する減損損失を計上したことなどにより383百万円の特別損失を計上しました。これらの結果、税金等調整前当期純利益は前期比9.4%増の6,265百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比13.5%増の4,060百万円となりました。
なお、セグメントの業績は次のとおりであります。
①コンタクトレンズ関連事業コンタクトレンズ関連事業は、売上高が82,904百万円(前期比4.4%増)、セグメント利益が11,606百万円(前期比21.0%増)となりました。
コンタクトレンズ関連事業の売上高は前期と比較して3,488百万円伸長いたしました。主な要因はメルスプランの会員数増加、新製品の販売及び中国向けの輸出増加によるものです。メルスプラン売上高は、前期比2,190百万円増の42,806百万円となりました。これは2020年3月末時点の会員数が133万人に到達したこと及び、高価格帯商品の会員数が増加したためです。拡大が続く1日使い捨てコンタクトレンズ市場において乱視用の「Magic toric」を投入したことで、Magicシリーズを含めた当社独自仕様の「SMART TOUCH」製品群が競争力を発揮し、新規会員の獲得及び既存顧客の従来品からの切り替えが進みました。さらに、「フォーシーズン バイフォーカル」を追加したことで、メルスプランで利用可能な遠近両用コンタクトレンズは4種類となり、これまで以上に老視世代の需要獲得に繋がりました。中国への輸出につきましては、年々増加する近視人口とともに注目が高まるオルソケラトロジーレンズとそのケア用品の販売が好調に推移しました。セグメント利益につきましては、製造原価の低減、広告宣伝費及び販売促進費の効率的な使用に努めた結果、売上高と同様に前期比で伸長しております。
②その他事業その他事業は、当社の環境バイオ事業における環境負荷軽減につながる堆肥化促進資材「resQ45」の販売が好調に推移したことを受け、売上高は1,614百万円(前期比8.9%増)となりましたが、研究開発費等の経費の増加によりセグメント損失は494百万円(前期セグメント損失は343百万円)となりました。
当社グループは中長期計画として「Vision2020」を定めており、2021年3月期に連結売上高1,000億円、営業利益率10%、ROE10%の目標を掲げて活動してまいりました。2020年3月期時点の連結売上高の達成率は84.5%、営業利益率につきましては前期と比較し1.4ポイント良化して8.3%、ROEにつきましては前期と比較し0.2ポイント低下し8.5%となりました。新型コロナウイルス感染症の影響により、国内では日本政府から感染拡大に伴う緊急事態宣言が発令されたことに伴い一部店舗の休業や営業時間短縮等の対応、海外では欧州や米国等の各地域で外出制限が発生している影響により事業活動を制限しております。新型コロナウイルス感染症の拡大と収束見通しが先行き不透明な状況であり、次期が対象年度となる「Vision2020」の目標達成可能性、また業績への影響について現時点で合理的な算定が困難であることから、2021年3月期通期の連結業績予想につきましても未定としている状況です。コンタクトレンズ市場はグローバルにおいて1日使い捨てコンタクトレンズを中心としたディスポーザブルコンタクトレンズが拡大基調にあり、また中国において睡眠中に装用することで近視矯正効果を得るオルソケラトロジーレンズの需要が堅調に推移しております。そのため、当社は1日使い捨てコンタクトレンズの製造工場である各務原工場に対する生産能力拡充のための設備投資並びにオルソケラトロジーレンズの当社製品を販売拡大する活動を行い、中長期的な事業拡大に必要な投資活動を継続してまいります。なお、2021年3月期通期の連結業績予想につきましては、合理的な算定が可能となった時点で速やかに開示いたします。
(Vision2020 成果指標目標)
2016年3月期
2017年3月期
2018年3月期
2019年3月期
2020年3月期
売上高(百万円)
67,332
72,052
76,672
80,898
84,519
営業利益率(%)
5.1
5.4
5.7
6.9
8.3
ROE(%)
6.2
6.7
6.8
8.7
8.5
(メルスプラン累積会員数)
2016年3月期
2017年3月期
2018年3月期
2019年3月期
2020年3月期
累積会員数(万人)
116
122
127
130
133
うち「SMART TOUCH」会員数(万人)
8
9
13
17
20
(注)「SMART TOUCH」会員数:「Magic」「Magic toric」「1DAYメニコン プレミオ」「1DAYメニコン プレミオ トーリック」会員数の合計
なお、上記指標達成のための具体的な対策は、「第一部 第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」の「(4)経営環境及び会社の対処すべき課題」に記載のとおりであります。
(2) 生産、受注及び販売
① 生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
生産高(百万円)
前期比(%)
コンタクトレンズ関連事業
14,081
+5.5
合計
14,081
+5.5
(注) 1. 金額は製造原価によっております。
2. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。3.「1DAYメニコン プレミオ」シリーズの生産拡大及び連結子会社となったSOLEKO S.p.A.を含めたことにより増加しております。
② 商品仕入実績当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
商品仕入高(百万円)
前期比(%)
コンタクトレンズ関連事業
10,820
△1.6
その他事業
611
+2.8
合計
11,432
△1.4
(注) 1. 金額は仕入実績によっております。
2. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
③ 受注状況当社グループは、需要予測に基づく見込生産を行っているため、該当事項はありません。
④ 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
販売高(百万円)
前期比(%)
コンタクトレンズ関連事業
82,904
+4.4
その他事業
1,614
+8.9
合計
84,519
+4.5
(注) 1. セグメント間取引については、相殺消去しております。
2. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3) 財政状態(資産)当連結会計年度末において総資産は87,286百万円となり、前連結会計年度末に比べ9,011百万円の増加となりました。流動資産は、主に各務原工場における「1DAYメニコン プレミオ」生産拡大のための建屋増床及び生産設備の支払いにより862百万円減少し41,722百万円となりました。固定資産は、各務原工場における建屋増床及び生産設備投資の他、IFRS第16号「リース」適用による使用権資産が増加したことにより、9,873百万円増加し45,564百万円となりました。
(負債及び純資産の部)負債は各務原工場の増床工事に関する未払金やIFRS第16号「リース」適用によるリース債務が増加したものの、転換社債型新株予約権付社債の権利行使に伴い前連結会計年度末に比べて1,959百万円減少し33,765百万円となりました。また、純資産は主に転換社債型新株予約権付社債の権利行使に伴う資本金、資本剰余金の増加と自己株式の減少、及び親会社株主に帰属する当期純利益を計上したことに伴う利益剰余金が増加したことにより、前連結会計年度末に比べ10,971百万円増加し53,520百万円となりました。この結果、自己資本比率は61.2%となりました。
(4) キャッシュ・フロー当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ2,494百万円減少し16,791百万円(前連結会計年度比12.9%減少)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によるキャッシュ・フローは、主に税金等調整前当期純利益6,265百万円、減価償却費4,486百万円を計上したことにより、8,712百万円の収入(前連結会計年度は7,023百万円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によるキャッシュ・フローは、各務原工場の建屋増床及び生産設備増設、当社子会社である株式会社メニコンネクトにおけるコンタクトレンズケア用品の生産設備増設による有形固定資産の取得、イタリアのコンタクトレンズ及びケア用品の製造・販売会社であるSOLEKO S.p.A.等の株式取得などにより、7,656百万円の支出(前連結会計年度は4,951百万円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によるキャッシュ・フローは、社債の発行による収入が1,976百万円、長期借入金の返済及び社債の償還による支出が3,754百万円あったことなどにより、3,438百万円の支出(前連結会計年度は1,825百万円の収入)となりました。
(当社グループの資本の財源及び資金の流動性に関する情報)当社グループの資金需要のうち運転資金及び研究開発投資は、主に自己資金を財源としますが、外部からの資金調達が必要な場合は、金融機関からの借入や社債発行等の負債により調達することとしております。一方、設備投資や事業買収、その他の投資資金は金融機関からの借入や社債発行等の負債及び資本による調達を基本としております。資金調達を行う際は、期間や市場金利動向等、また自己資本比率、ネットDEレシオやROEといった財務指標への影響度等を総合的に勘案しながら、最適な調達を実施します。主要な取引先金融機関とは良好な取引関係を維持しており、さらに2020年5月に株式会社格付投資情報センター(R&I)からの発行体格付「A-」(安定的)を取得したことで、安定的な資金調達が随時実施可能であると考えております。 加えて、複数の取引銀行とコミットメントライン契約及び当座貸越契約を締結しており、資金調達の機動性及び安定性を確保しております。
(5)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、「第一部 第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。
(繰延税金資産)当社グループは、将来の事業計画に基づく課税所得及び将来減算一時差異の回収可能性をふまえ繰延税金資産を計上しております。事業環境の変化及び新型コロナウイルス感染症の影響等による将来課税所得の見積りに変更が生じた場合は、繰延税金資産の取り崩しに伴う税金費用を計上する可能性があります。
(固定資産)当社グループは、固定資産(買収によって発生したのれんを含む)の減損会計の適用にあたり、概ね独立したキャッシュ・フローを生み出す最小単位によって資産のグルーピングを行っており、原則として管理会計上の区分を基準にグルーピングを行っております。収益性が著しく低下した資産グループに関しては、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。事業環境の変化及び新型コロナウイルス感染症の影響等による将来キャッシュ・フロー等、固定資産の回収可能価額計算の前提条件に変更が生じた場合は、固定資産の減損損失を計上する可能性があります。
(長期未払金)当社グループは、一部のコンタクトレンズを製造する上で特殊技術を第三者より譲り受けており、その対価として一定期間に渡りロイヤリティを支払う旨の契約を締結しております。同契約の中でロイヤリティは特殊技術を用いた製品の販売高に一定率を乗じた金額を支払う内容になっており、当社グループは毎期上記に基づいて算定されたロイヤリティを支払うとともに毎期末同製品の将来販売高に基づいたロイヤリティの金額を算定し未払金として計上しております。事業環境の変化及び新型コロナウイルス感染症の影響等による同製品の将来販売高に変更が生じた場合は、未払金計上金額の評価替えに伴う費用収益を計上する可能性があります。
(棚卸資産)当社グループは、棚卸資産を取得原価で測定しておりますが、連結会計年度末における正味実現可能価額が取得価額より著しく下落している場合には、当該正味実現可能価額で測定し、取得価額との差額を原則として売上原価に計上しております。また営業循環過程から外れて滞留する棚卸資産については、将来の事業環境を反映し正味実現可能価額を算定しております。 事業環境の変化及び新型コロナウイルス感染症の影響等による正味実現可能価額の著しい下落が生じた場合は、棚卸資産の評価損を計上する可能性があります。
