【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況当第2四半期連結累計期間における世界経済は、ウィズコロナの新たな段階への移行が進み、持ち直しつつありますが、急激な物価上昇や供給面の制約等により景気の下振れリスクが高まりました。米国では雇用数の増加や消費の拡大など底堅く推移しましたが、インフレ抑制のための相次ぐ金融引き締めにより景気減速リスクが高まりました。欧州ではエネルギー調達の厳しさが続き、商品価格の高騰により、景気回復のテンポが鈍化しました。アジアでは中国でロックダウンによる生産活動の低迷で経済成長が停滞し、インド及びアセアン地域では景気が持ち直しました。日本経済は、企業の設備投資及び個人消費が持ち直している一方、輸出は横ばいの状況が続いています。当社グループ関連の事業環境につきましては、自動車関連産業の需要は横ばいでしたが、半導体産業の需要拡大が続き、全体として好調に推移しました。このような状況のもと、当社グループは国内外において主力製品及び新規事業製品の拡販に注力した営業活動を継続的に展開し、生産・供給体制の拡充を図ってまいりました。この結果、当第2四半期連結累計期間における売上高は52,549百万円(前年同四半期比20.2%増)、営業利益は6,643百万円(前年同四半期比45.0%増)、経常利益は7,384百万円(前年同四半期比57.0%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は5,033百万円(前年同四半期比44.2%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
① 電子デバイス事業当事業では、自動車産業の部品調達不足等により、自動車関連入力デバイスの出荷は減少しましたが、価格改定の浸透や、為替影響により、全体として売上げは前年を上回りました。入力デバイスは、薄型ノートパソコン用タッチパッドの出荷が堅調に推移し、自動車向けキースイッチは出荷が減ったものの、価格改定が浸透し、全体として売上げは前年並みとなりました。ディスプレイ関連デバイスは、液晶接続用コネクターの出荷は前年並みでしたが、視野範囲/光路制御フィルム(VCF)の出荷が伸び、全体として売上げを伸ばしました。コンポーネント関連製品は、車載用シリコーン成形品及び自動車用ワイパーの出荷が堅調に推移して、売上げは増加しました。この結果、当事業の売上高は11,887百万円(前年同四半期比5.6%増)、セグメント利益(営業利益)は818百万円(前年同四半期比18.3%増)となりました。
② 精密成形品事業当事業では、半導体関連容器やOA機器用部品、シリコーンゴム成形品の好調な出荷が続き、為替影響もあり、全体として売上げは前年を大幅に上回りました。半導体関連容器は、半導体産業の旺盛な需要を背景に300mmウエハー用出荷容器などの出荷が好調に推移し、全体で売上げを大幅に伸ばしました。OA機器用部品は、主力のレーザープリンター用ローラの出荷が好調で、売上げは大幅に増加しました。キャリアテープ関連製品は、微細電子部品用の出荷が伸び悩み、売上げは減少しました。シリコーンゴム成形品は、ウィズコロナで医療が通常に戻り、主力のメディカル関連製品の出荷が回復し、全体として売上げを伸ばしました。この結果、当事業の売上高は24,372百万円(前年同四半期比24.8%増)、セグメント利益(営業利益)は5,252百万円(前年同四半期比55.3%増)となりました。
③ 住環境・生活資材事業当事業では、塩ビ関連製品の市場環境が非常に厳しい中、販売価格改定やM&Aにより、全体として売上げは前年を大幅に上回りました。ラッピングフィルム等包装資材関連製品は、株式会社キッチニスタの連結化により、売上げは大幅に増加しました。塩ビパイプ関連製品は、出荷は低調に推移しましたが、販売価格改定により売上げは増加しました。機能性コンパウンドは、海外新規顧客向けの出荷が拡大し、産業機械向けロボットケーブル用途も好調で、売上げが大幅に伸びました。外装材関連製品は、需要が伸び悩んだものの、販売価格改定が進み、全体として売上げは前年並みとなりました。導電性ポリマーは、ディスプレイ用途が低調だったものの、自動車用電子部品用途の受注が増え、順調に売上げを伸ばしました。この結果、当事業の売上高は12,981百万円(前年同四半期比34.1%増)、セグメント利益(営業利益)は442百万円(前年同四半期比21.8%増)となりました。
④ その他工事関連では、商業施設や公共施設の内装工事の受注が底堅く推移し、全体として売上げは前年並みとなりました。この結果、その他の売上高は3,307百万円(前年同四半期比1.8%増)、セグメント利益(営業利益)は130百万円(前年同四半期比9.9%減)となりました。 財政状態の状況は次のとおりであります。 当第2四半期連結会計期間末における総資産は、建設仮勘定が2,646百万円、受取手形、売掛金及び契約資産が2,376百万円、商品及び製品が2,012百万円、現金及び預金が1,883百万円、原材料及び貯蔵品が1,199百万円、建物及び構築物(純額)が1,105百万円、電子記録債権が766百万円それぞれ増加したことなどにより、135,772百万円(前連結会計年度末比13,195百万円増)となりました。当第2四半期連結会計期間末における負債は、支払手形及び買掛金が1,769百万円、流動負債のその他が404百万円それぞれ増加し、未払金が546百万円減少したことなどにより、31,148百万円(前連結会計年度末比2,907百万円増)となりました。当第2四半期連結会計期間末における純資産は、前連結会計年度末と比較して、全ての海外連結子会社の記帳通貨において円安となった結果、為替換算調整勘定が6,165百万円増加したほか、利益剰余金が3,914百万円増加したことなどにより、104,624百万円(前連結会計年度末比10,287百万円増)となりました。この結果、自己資本比率は前連結会計年度末と同じ76.7%となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、47,851百万円(前連結会計年度末比2,002百万円の増加)となりました。また、フリー・キャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計)は268百万円の減少(前年同四半期は1,055百万円の減少)となりました。 当第2四半期連結累計期間に係る区分ごとのキャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー営業活動による資金は、3,937百万円の増加(前年同四半期比128百万円の収入増)となりました。これは、税金等調整前四半期純利益7,386百万円、減価償却費1,731百万円などの計上と棚卸資産の増加2,221百万円、法人税等の支払い1,743百万円、売上債権の増加978百万円などの減少要因によるものであります。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー投資活動による資金は、有形固定資産の取得による支出3,911百万円、無形固定資産の取得による支出502百万円などにより、4,206百万円の減少(前年同四半期比658百万円の支出減)となりました。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー財務活動による資金は、主に配当金の支払い1,126百万円により、1,103百万円の減少(前年同四半期比174百万円の支出増)となりました。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第2四半期連結累計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4) 研究開発活動当第2四半期連結累計期間における研究開発費の総額は1,702百万円であります。なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。