【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。(1) 財政状態及び経営成績の状況当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の位置づけが5類に移行されるなど、様々な制限の緩和が進んだことにより、人流やインバウンド需要も回復傾向が続き、経済活動の回復が鮮明になりましたが、一方で資源価格や円安基調に伴う諸物価の上昇が続き、日本の消費者の生活防衛意識も高まるなど、個人消費の先行きは不透明です。当社グループが関わるアパレル・ファッション業界は、コロナ禍での減産の反動や消費の回復により、衣料品の生産は総じて増加傾向が続き、当社グループの衣料用縫い糸の受注も回復傾向が続きましたが、昨年の中国・上海地域におけるロックダウンによる事業停止の様々な後遺症が響いて、中国販売子会社の受注の回復は遅れております。また、手芸関連業界は、巣ごもり消費からお出かけ消費への移行や生活防衛意識の高まりにより、消費の低調が続きました。これらの結果、当第1四半期連結累計期間の売上高は、円安傾向に伴う為替換算レートの影響があったにもかかわらず、1,505百万円(前年同期比5.8%増)にとどまりました。一方利益面につきましては、エネルギーや原材料価格を始め、製造コスト全般の高止まり傾向が続いているものの、昨秋以降に実施した国内販売価格の改正や日本セグメントの売上増加による増益要因に加えて、当社における販売品目構成の変化や工場操業度の上昇なども寄与し、営業利益は20百万円(前年同期は54百万円の損失)、経常利益は52百万円(前年同期は32百万円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純利益は52百万円(前年同期は27百万円の損失)となりました。
当第1四半期連結累計期間におけるセグメントごとの経営成績は、次のとおりです。
日本当社グループにおきましては、当第1四半期連結累計期間は、当社の2023年4月から6月まで、国内子会社の2023年2月から4月までの業績が連結されております。当四半期は、上述の通り、マスク着用の緩和や新型コロナウイルス感染症の5類への移行を始め、様々な制限の緩和により、外国人観光客の増加も含めた人流の回復で経済活動の回復も鮮明になりました。また、衣料品消費は、インバウンド需要も含めてまだら模様ながら回復傾向が続き、コロナ禍での生産調整の反動もあって、生産は増加傾向となり、衣料用縫い糸の受注も回復傾向が続きました。また、自動車生産台数の回復により、カーシート向けなど、車両内装用縫い糸の受注も増加しましたが、手芸関連業界におきましては、巣ごもり消費がお出かけ消費に移行したことや、諸物価上昇による節約意識の高まりもあって、消費の低調が続きました。これらの状況に加えて、昨秋以降に実施した縫い糸全般の価格改正も増収要因となり、当セグメントの売上高は1,227百万円(前年同期比10.2%増)となりました。一方、利益面につきましては、エネルギーや原材料価格を始め、製造コスト全般の高止まり傾向が続いているものの、昨秋以降に実施した国内販売価格の改正や当セグメントの売上増加による増益要因に加えて、当社における販売品目構成の変化や工場操業度の上昇なども寄与し、セグメント利益は27百万円(前年同期は59百万円の損失)となりました。
アジア当セグメントに属する全ての海外子会社は、事業年度の末日を12月末日と定めており、当第1四半期連結累計期間は、2023年1月から3月までの業績が連結されております。当四半期は、上述の通り、コロナ禍での生産調整の反動や消費の回復に伴い、日本向け衣料品の生産は増加傾向となりましたが、中国におきましては、昨年の中国・上海地域のロックダウンやゼロコロナ政策転換後の感染急拡大などで、日本向け衣料品の生産が、日本に回帰、またはベトナムを始め近隣アジア諸国などへ移行するなど、ロックダウン期間中の販売機会損失だけでなく、中国のコロナ禍による様々な後遺症が今なお続いていることで、当セグメントで販売の中心となっている中国販売子会社の受注の回復が見られず、円安傾向に伴う為替換算レートの影響があったにもかかわらず、当セグメントの売上高は、278百万円(前年同期比10.2%減)となりました。また、利益面につきましても、製造コスト上昇の販売価格への転嫁が困難であったアジア地域の状況に加えて、中国販売子会社の減収も響いて、セグメント損失は10百万円(前年同期は6百万円の損失)となりました。
財政状態の状況は、次のとおりです。当第1四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べて197百万円増加し、11,115百万円となりました。主な増減は、現金及び預金の減少111百万円があったものの、受取手形及び売掛金の増加90百万円、電子記録債権の増加43百万円、投資有価証券の増加139百万円などがありました。負債は、前連結会計年度末に比べて80百万円増加し、1,534百万円となりました。主な増減は、買掛金の増加36百万円、その他(固定負債)の増加38百万円などがありました。純資産は、前連結会計年度末に比べて116百万円増加し、9,580百万円となりました。主な増減は、その他有価証券評価差額金の増加96百万円、為替換算調整勘定の増加32百万円などがありました。
(2) 研究開発活動 当第1四半期連結累計期間の研究開発費の総額は17百万円であります。