【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況当第3四半期連結会計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染者の減少に伴う国内の行動制限緩和や訪日外国人の入国にかかる制限の緩和に伴い、様々な経済活動の回復が見られましたが、国際情勢等に起因する原材料やエネルギー価格の上昇や円安基調が国内の諸物価の上昇を招くなど、引き続き先行きの不透明な状況が続きました。当社グループが関連するアパレル・ファッション業界は、まだら模様ながら衣料品の消費の回復に伴い、日本向け衣料品の生産は回復傾向が続きましたが、手芸関連業界は、いわゆる巣ごもり消費からお出かけ消費への変化や諸物価上昇の影響も受けて低調に推移しました。当社グループにおきましては、第2四半期連結累計期間までの経営状況に加えて、当第3四半期以降の販売価格の改正に伴う影響や、引き続く為替換算レート変動に伴う影響など、売上高の増減の要因が加わり、当3四半期連結累計期間の売上高は、4,364百万円(前年同期比7.7%増)となりました。しかしながら利益面は、原材料・エネルギー価格のさらなる上昇や販売品目構成の変化などで売上高総利益率が低下したため、回復が遅れ、営業損失は127百万円(前年同期は139百万円の損失)、経常損失は83百万円(前年同期は106百万円の損失)となりました。また、中国・上海地域のロックダウンによるおよそ2ヶ月間にわたる中国子会社4社の操業停止期間の固定費80百万円を特別損失に計上したため、親会社株主に帰属する四半期純損失は134百万円(前年同期は112百万円の損失)となりました。
当第3四半期連結累計期間におけるセグメントごとの経営成績は次のとおりです。
日本当社グループにおきましては、当第3四半期連結累計期間は、当社の2022年4月から12月まで、国内子会社の2022年2月から10月までの業績が連結されております。第2四半期連結累計期間には、中国・上海地域のロックダウンによる中国子会社の2ヶ月にわたる操業停止により、国内においても販売機会損失を余儀なくされましたが、第3四半期以降は、国際情勢に起因した資源価格の高騰、急激な円安の進行や諸物価の上昇などによる先行きの不透明感が高まりながらも、衣料品消費は回復傾向が続き、その生産の増加に伴って衣料用縫い糸の受注は回復傾向となりました。また、一方で、いわゆる巣ごもり消費からお出かけ消費への変化や諸物価上昇の影響も受けつつある家庭用縫い糸や、自動車生産台数の回復が遅れている車輛内装用縫い糸は、当第3四半期も受注の回復が見られませんでした。これらに、第3四半期以降の販売価格改正に伴う影響など、売上高増減の要素が加わり、当セグメントの売上高は、3,430百万円(前年同期比6.9%増)となりました。一方利益面につきましては、増収には転じているものの、原材料やエネルギーコストを始め、製造コスト全般のさらなる上昇や、販売品目構成の変化による売上高総利益率の低下が響いて、セグメント損失は106百万円(前年同期は133百万円の損失)と、回復が遅れております。
アジア当セグメントに属する全ての海外子会社は、事業年度の末日を12月末日と定めており、当第3四半期連結累計期間は、2022年1月から9月までの業績が連結されております。当期間におきましては、2022年3月末以降およそ2ヶ月にわたる中国・上海地域のロックダウンに伴う中国子会社の操業停止により、中国や日本のみならず、当セグメントに属するベトナム、タイの各子会社においても販売機会損失を余儀なくされましたが、ロックダウンの解除後は、日本向け衣料品用縫い糸の受注回復や、今後のリスク回避のための在庫備蓄生産などもあって、中国生産子会社はフル操業の状況が続きました。また為替換算レート変動の影響もあって、当セグメントの売上高は、933百万円(前年同期比10.7%増)となりました。しかしながら、利益面につきましては、上述の通り、中国子会社4社の操業停止期間の固定費を特別損失として計上しましたが、第2四半期連結会計期間に続き、原材料、エネルギー価格、輸送費等の高止まりや、販売価格への転嫁が困難なアジア市場の状況もあって、セグメント損失は20百万円(前年同期は9百万円の損失)となりました。
財政状態の状況は、次のとおりです。当第3四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べて467百万円増加し、11,243百万円となりました。主な増減は、現金及び預金の増加112百万円、受取手形及び売掛金の増加142百万円、投資有価証券の増加197百万円などがありました。負債は、前連結会計年度末に比べて157百万円増加し、1,487百万円となりました。主な増減は、買掛金の増加92百万円、その他(固定負債)の増加51百万円などがありました。純資産は、前連結会計年度末に比べて309百万円増加し、9,755百万円となりました。主な増減は、利益剰余金の減少203百万円があったものの、その他有価証券評価差額金の増加136百万円、為替換算調整勘定の増加317百万円などがありました。
(2) 研究開発活動当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は34百万円であります。