【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当社グループが主に事業を展開する国内の医療業界においては、診療報酬・介護報酬・障害福祉サービス等報酬の改定を指す「トリプル改定」が2024年4月に予定され、現場の業務改善や情報管理の在り方を見直す動きが活発になっています。また、政府から打ち出された「医療DX令和ビジョン2030」の推進へ向けて、「全国医療情報プラットフォームの創設」、「電子カルテ情報の標準化」、「診療報酬改定DX」に関する議論も盛んです。
新型コロナウイルス感染症の流行は、当社を取り巻くビジネス環境を大きく変え、医療業界におけるシステム投資の考え方にも影響を及ぼしました。大規模医療機関においては院内の業務効率化は勿論、他の医療機関や薬局、介護施設との連携など、地域ぐるみでの医療サービスのアクセシビリティと質の向上を実現するためにも、DX対応は避けられないものとなりつつあります。同時に、医師や医療従事者の働き方を改善するためのソリューションや、患者と直接電子的にコミュニケーションを取ることができるプラットフォームなど、より高度な運用を可能にする診療支援システムへの投資意欲が高まっています。
このような業界のトレンド・現場のニーズに応えるべく、当社グループは既存製品の展開に加え、クラウドを利用した新しいサービスの開発・拡充に積極的に取り組んでおります。
また、当社グループはサステナビリティに関する取り組みを強化しております。気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)への賛同や気候変動イニシアティブ(JCI)への参加に加え、カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト(CDP)の質問書への回答など、気候変動に関する国内外のイニシアティブへの対応を積極的に行っております。また、女性管理職比率の向上を実現するために、女性活躍推進法に基づき策定した当社の行動計画に従い、キャリアパスのヒアリングや研修の導入など様々な施策を取り入れております。2023年4月からは所定労働時間を短縮し、国内遠隔地・海外居住者を対象としたフルリモート勤務制度を設定するなど職場環境の整備を行い、従業員のQOL向上を図っております。他方、法務省が提唱する「Myじんけん宣言」の公表も行うなど、サステナブルな経営を推進するための多角的な取り組みを実施しております。世の中に求められる画期的なシステムで新しい社会インフラの構築を担い、医療や人々の健康を支える企業として社会的責任を果たしてまいります。
当第3四半期連結累計期間(2023年1月1日~2023年9月30日)の経営成績は、以下のとおりです。
(単位:千円)
2022年12月期
第3四半期
2023年12月期
第3四半期
増減額
増減率
通期業績予想
達成率
売上高
2,999,658
3,474,339
474,681
15.8%
68.6%
営業利益
488,177
796,462
308,285
63.2%
60.7%
経常利益
523,386
820,017
296,630
56.7%
61.7%
親会社株主に帰属する四半期純利益
349,751
567,203
217,452
62.2%
61.5%
当第3四半期連結累計期間(2023年1月1日~2023年9月30日)における当社グループの売上高は3,474,339千円(前年同期比15.8%増)となりました。また、営業利益は796,462千円(同63.2%増)、経常利益は820,017千円(同56.7%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は567,203千円(同62.2%増)となりました。
医療ビジネスセグメントの好調を主因に売上・利益ともに前年同期の業績を上回りました。通期業績予想に対する達成率は、売上高が68.6%、営業利益が60.7%、経常利益が61.7%、親会社株主に帰属する四半期純利益が61.5%となり、前年同期の達成率を上回りました。期初より2023年12月期は下期偏重になるとみておりましたが、概ね計画通りに推移していると判断いたします。
当第3四半期連結累計期間のセグメント別(連結)の経営成績は、以下のとおりです。
なお、第1四半期連結会計期間より報告セグメントを再編し、医療ビジネス、公共ビジネス、ヘルステックビジネスの3セグメントといたしました。以下セグメント別の経営成績では、2022年12月期第3四半期の実績を新セグメントに組み替えております。
≪医療ビジネス≫
(単位:千円)
2022年12月期
第3四半期
2023年12月期
第3四半期
増減額
増減率
売上高
2,874,310
3,321,180
446,870
15.5%
営業利益
704,511
892,473
187,962
26.7%
医療ビジネスセグメントの主力製品には、画像ファイリングシステム「Claio」や診療記事記載システム「C-Note」、文書管理システム「DocuMaker」などがあります。これらに代表される当社製品は、高度な医療を提供する大規模病院において高い評価と安定したシェアを維持し、病院の中核システムとして診療に欠かせない重要な役割を担っております。
当セグメントの当第3四半期連結累計期間の経営成績は、売上高3,321,180千円(前年同期比15.5%増)、営業利益892,473千円(同26.7%増)となりました。大型導入案件が順調に進んでいるほか、パッケージ製品も堅調に推移しています。また2023年1月に創設したコンサルティング部が大規模な継続案件を受注し、順調に立ち上がっていることは特筆されます。
当第3四半期連結累計期間において病院案件34件、診療所案件83件の新規導入・追加導入及びシステム更新を実施いたしました。2023年9月には、クラウドサービスを中心とした製品ブランド「PiCls」を立ち上げるとともに、診療情報転送システム「PiCls Referral」や初診インターネット予約サービス「PiCls 予約アシスタント」など、大規模医療機関のDX推進をサポートするための新たなサービスを販売開始いたしました。インドにおけるClaioの販売については現地でのテスト運用を終え、豊田通商株式会社(以下「豊田通商」、本社:愛知県)と販売時期や価格について詳細を協議しております。
クラウドソリューションと医療AI技術の提供を主業とする子会社のフィッティングクラウド株式会社は、電子処方箋HPKI署名システムなどのクラウド基盤提供の拡充を進め、クリニック向けのクラウドバックアップソリューションの開発を行いました。また、2023年11月に開催される医療情報学連合大会での次世代患者案内アプリ「PiCls Medical Avenue」の展示に向け、ファインデックスとともに機能拡張を行いました。
≪公共ビジネス≫
(単位:千円)
2022年12月期
第3四半期
2023年12月期
第3四半期
増減額
増減率
売上高
62,496
112,181
49,685
79.5%
営業利益又は損失(△)
△53,637
9,417
63,055
–
公共ビジネスセグメントは、当連結会計年度より新設されました。
当セグメントでは、公文書管理・電子決裁システム「DocuMaker Office」を中心に、当該製品の強みを生かすことができる省庁・自治体・公社及び医療機関をメインターゲットとして製品販売に取り組んでおります。DX推進により、電子決裁や公文書管理システムの導入が加速していることから、省庁自治体向けパッケージ、医療機関向けパッケージともに問い合わせや商談件数が増加しております。
当セグメントの当第3四半期連結累計期間の経営成績は、売上高112,181千円(前年同期比79.5%増)、営業利益9,417千円(前年同期は営業損失53,637千円)となりました。
自治体向けパッケージについては、サービス開始以来のパッケージの稼働数は累計26件となりました。また2023年及び2024年春の稼働案件の商談については当第3四半期に追加で4件受注し、2024年度上半期に検収予定の都道府県や独立行政法人、国立大学法人への導入が7件進行中です。今後の営業展開を見据えた実績作りとして、数よりも規模を重視した営業活動に注力し、着実に成果を上げております。既に2024年度下期以降の稼働案件の商談も複数進行しております。「高いコンサル力」と「ユーザー目線に立った使いやすいシステム」が評価され、業界における認知度も高まっていることから、今後多くの自治体、地方公共団体で採用いただけるものと考えております。なお、当サービスは月額利用のストック型ビジネスを採用しており、ユーザー数の増加に伴い、利用料での積み上げによる利益成長が予測されます。
医療機関のバックオフィス業務に特化した医療機関向けパッケージについては、当社の既存ユーザーである大規模・中規模病院をメインターゲットに、2022年度より本格的に販売拡充を進めております。サービス開始以来の導入数は累計で6件、2023年度の新たな受注件数は3件に留まるものの、2023年10月からのインボイス制度の開始や、2024年1月の電子帳簿保存法の改訂に対応するための引き合いが増えております。このように、当製品は従来の病院機能評価を支援する機能のみならず、新たな用途で注目され始めており、今後の注文件数の増加が期待されます。
≪ヘルステックビジネス≫
(単位:千円)
2022年12月期
第3四半期
2023年12月期
第3四半期
増減額
増減率
売上高
64,336
40,977
△23,359
△36.3%
営業損失(△)
△162,696
△105,428
57,267
–
ヘルステックビジネスセグメントでは、視線分析型視野計「GAP」(注1)の国内での本格販売や、海外出荷へ向けた準備を進めております。GAPは、元来の検査手法とは全く異なるアプローチを用いて視野を測定することで可用性を高めた画期的なウェアラブルデバイスです。初期の自覚症状に乏しい緑内障などの網膜疾患の早期発見率の向上へ寄与します。本製品はこれまで検査の際に必須であった暗所の確保を不要とし、検査時間の短縮や患者の負担軽減を実現しました。更に、人間ドックや健診施設での利用を通じて網膜疾患初期の視野データを取得・分析し、国内外の研究開発機関と共有することで、製薬や生命保険領域など様々な分野での技術・サービス革新への寄与が期待されます。
当セグメントの当第3四半期連結累計期間の経営成績は、売上高40,977千円(前年同期比36.3%減)、営業損失105,428千円(前年同期は営業損失162,696千円)となりました。前年同期と比べ、EMC Healthcare株式会社(本社:東京都)が連結範囲から除外された影響で売上高は減少しました。同様の理由により経費負担が減少し、損失額は縮小しました。
当連結会計年度においては、引き続き国内医療機関へのデモンストレーションや販売を行うとともに、健診施設へ向けては豊田通商との協業で「GAP-screener」(注2)の販売を進めており、これら製品の2023年度中の国内出荷台数は13台となりました。また、当製品に採用されている視線分析技術に関する論文を、学術誌へ投稿すると同時に、2023年10月開催の「日本臨床眼科学会」への出展及びセミナーの共催準備も行いました。
海外展開に向けた取り組みでは、販売代理店である株式会社レクザム(本社:大阪府)を通じて、2023年度中のEU地域への出荷開始に向け、量産を開始しました。なお、インドやインドネシアでの薬事承認取得への準備も、段階的に進めております。
加えて、本製品が視野異常のみならずMCI(注3)の発見にも有用であることから、AMEDの令和3年度 医工連携・人工知能実装研究事業において「視点反応・眼球運動のデジタルフェノタイプを活用した軽度認知機能異常スクリーニングプログラムの研究開発」が採択されました。現在は京都大学と研究開発を実施しており、今後数年をかけ新たな医療機器として医療現場へ投入される予定です。
(注1) GAP:ゲイズ・アナライジング・ペリメーター、医療機器製造販売届出番号 38B2X10003000002
(注2) GAP-screener:ゲイズ・アナライジング・ペリメーター、医療機器製造販売届出番号 38B2X10003000003
(注3) MCI:Mild Cognitive Impairmentの略。健常者と認知症の中間の症状であり、認知症までは進行していない段階。軽度認知障害ともいう。
(2)資産、負債及び純資産の状況
(単位:千円)
2022年12月期
2023年12月期
第3四半期
増減額
資産合計
4,980,780
5,075,193
94,413
負債合計
937,842
716,591
△221,250
純資産合計
4,042,937
4,358,601
315,664
当第3四半期連結会計期間末の総資産は、5,075,193千円となり、前連結会計年度末と比較して94,413千円増加しました。これは主に、現金及び預金の増加289,110千円、商品及び製品の増加32,259千円に対し、受取手形、売掛金及び契約資産の減少258,882千円を主な要因とする流動資産の増加76,613千円によるものであります。
負債は、716,591千円となり、前連結会計年度末と比較して221,250千円減少しました。これは主に、未払金の減少62,636千円及び未払法人税等の減少166,010千円を主な要因とする流動負債の減少215,327千円によるものであります。
純資産は、4,358,601千円となり、前連結会計年度末と比較して315,664千円増加しました。これは、主に利益剰余金の増加による株主資本の増加313,581千円によるものであります。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における当社グループの研究開発活動の金額は39,119千円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
#C3649JP #ファインデックス #情報通信業セクター
