【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当社グループが主に事業を展開する国内の医療業界においては、診療報酬・介護報酬・障害福祉サービス等報酬の改定を指す「トリプル改定」が2024年4月に予定され、現場の業務改善や情報管理の在り方を見直す動きが活発になっています。また、政府から打ち出された「医療DX令和ビジョン2030」の推進へ向けて、「全国医療情報プラットフォームの創設」、「電子カルテ情報の標準化」、「診療報酬改定DX」に関する議論も盛んです。
コロナ禍を経て、当社を取り巻くビジネス環境は大きく変化しました。その変化は、医療業界におけるシステム投資の考え方にも影響を及ぼしました。大規模医療機関においては院内の業務効率化は勿論、他の医療機関や薬局、介護施設との連携など、地域ぐるみでの医療サービスのアクセシビリティと質の向上を実現するためにも、DX対応は避けられないものとなりつつあります。同時に、医師や医療従事者の働き方を改善するためのソリューションや、患者と直接電子的にコミュニケーションを取ることができるプラットフォームなど、より高度な運用を可能にする診療支援システムへの投資意欲が高まっています。
このような業界のトレンド・現場のニーズに応えるべく、当社グループは既存製品の拡販に加え、クラウドを利用した新しいサービスの開発・導入に積極的に取り組んでおります。
当第2四半期連結累計期間(2023年1月1日~2023年6月30日)の経営成績は、以下のとおりです。
(単位:千円)
2022年12月期
第2四半期
2023年12月期
第2四半期
増減額
増減率
上期業績予想
達成率
売上高
2,233,641
2,249,242
15,600
0.7%
104.9%
営業利益
455,696
397,300
△58,396
△12.8%
123.4%
経常利益
481,236
414,372
△66,864
△13.9%
125.9%
親会社株主に帰属する四半期純利益
319,996
283,881
△36,114
△11.3%
124.5%
当第2四半期連結累計期間(2023年1月1日~2023年6月30日)における当社グループの売上高は2,249,242千円(前年同期比0.7%増)となりました。また、営業利益は397,300千円(同12.8%減)、経常利益は414,372千円(同13.9%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は283,881千円(同11.3%減)となりました。
当第2四半期連結累計期間の減益は第1四半期経営成績の影響を大きく受けたものであり、その主な要因は第1四半期で開示したとおりです。第2四半期のみで見た場合、前年同期比売上高2.9%増、営業利益27.8%増となります。医療ビジネスが好調であったことや、公共ビジネスが増収を牽引したことから、当第2四半期連結累計期間においては、期初予想比で売上高が104.9%、営業利益が123.4%を達成しました。また、通期業績予想に対しての達成率は、売上高が44.4%、営業利益が30.3%、経常利益が31.2%、親会社株主に帰属する四半期純利益が30.8%となりました。当社の業績は順調であり、また売上成長と収益性は確保されており、通期業績予想の達成に向け計画通りに推移しております。
なお、当社グループはプライム市場の上場維持基準の一つである「流通株式時価総額100億円以上」を満たしておりませんが、成長戦略の動向や業績への理解を深めていただくため、当連結会計年度から特に個人投資家の皆様向けに、決算説明資料を毎期作成し提示するなど一層のIR強化に努め、適時適切な情報開示を通じて企業価値の向上を図ってまいります。
同時に、当社グループはサステナビリティに関する取り組みを強化しております。気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)への賛同や気候変動イニシアティブ(JCI)への参加に加え、カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト(CDP)からの質問書への回答など、気候変動に関する国内外のイニシアティブへの対応を積極的に行っております。また、女性管理職比率の向上を実現するために、女性活躍推進法に基づき策定した当社の行動計画に従い、キャリアパスのヒアリングや研修の導入など様々な施策を取り入れております。2023年4月からは所定労働時間を短縮し、国内遠隔地・海外居住者を対象としたフルリモート勤務制度を設定するなど職場環境の整備を行い、従業員のQOL向上を図っております。他方、法務省が提唱する「Myじんけん宣言」の公表も行うなど、サステナブルな経営を推進するための多角的な取り組みを実施しております。
世の中に求められる画期的なシステムで新しい社会インフラの構築を担い、医療や人々の健康を支える企業として社会的責任を果たしてまいります。
当第2四半期連結累計期間のセグメント別(連結)の経営成績は、以下のとおりです。
なお、第1四半期連結会計期間より報告セグメントを再編し、医療ビジネス、公共ビジネス、ヘルステックビジネスの3セグメントといたしました。以下セグメント別の経営成績では、2022年12月期第2四半期の実績を新セグメントに組み替えております。
≪医療ビジネス≫
(単位:千円)
2022年12月期
第2四半期
2023年12月期
第2四半期
増減額
増減率
売上高
2,120,223
2,152,769
32,545
1.5%
営業利益
597,077
469,075
△128,001
△21.4%
医療ビジネスセグメントの主力製品には、画像ファイリングシステム「Claio」や診療記事記載システム「C-Note」、文書管理システム「DocuMaker」などがあります。これらに代表される当社製品は、高度な医療を提供する大規模病院において高い評価と安定したシェアを維持し、病院の中核システムとして診療に欠かせない重要な役割を担っております。
当セグメントの当第2四半期連結累計期間の経営成績は、売上高2,152,769千円(前年同期比1.5%増)、営業利益469,075千円(同21.4%減)となりました。第1四半期の経営成績に大きく影響を受けたことで当第2四半期連結累計期間は減益となりましたが、第2四半期においては増収・増益を達成いたしました。収益・利益のトレンドに大きな変化はなく、堅調に推移していると判断しております。
当連結会計年度は既存・新規を問わず国内の顧客へのパッケージ製品の販売に注力し、当第2四半期連結累計期間において病院案件32件、診療所案件59件の新規導入・追加導入及びシステム更新を実施いたしました。また、2023年5月より診療情報の遠隔共有アプリ「Remotalk-Cloud」の提供を開始いたしました。
クラウドソリューションの提供を主業とする子会社のフィッティングクラウド株式会社は、2023年3月より電子トレーシングレポートサービス「AAdE-Report」のクラウド基盤の提供を開始いたしました。また、2023年6月に開催された第27回日本医療情報学会春季学術大会にて、ランサムウェア対策サービスである「Valloon」を始め、各種サービスの展示を行いました。
≪公共ビジネス≫
(単位:千円)
2022年12月期
第2四半期
2023年12月期
第2四半期
増減額
増減率
売上高
51,626
57,018
5,392
10.4%
営業損失(△)
△23,961
△11,458
12,503
–
公共ビジネスセグメントは、当連結会計年度より新設されました。
当セグメントでは、公文書管理・電子決裁システム「DocuMaker Office」を中心に、当該製品の強みを生かすことができる省庁・自治体・公社及び医療機関をメインターゲットとして製品販売に取り組んでおります。DX推進により、電子決裁や公文書管理システムの導入が加速していることから、省庁自治体向けパッケージ、医療機関向けパッケージ共に問い合わせや商談件数は増加しております。
当セグメントの当第2四半期連結累計期間の経営成績は、売上高57,018千円(前年同期比10.4%増)、営業損失11,458千円(前年同期は営業損失23,961千円)となりました。
自治体向けパッケージについては、サービス開始以来のパッケージの導入数は累計25件となりました。当年度及び次年度春稼働案件の商談も複数進行しております。当第2四半期は、当連結会計年度下半期の売上に大きく貢献する、大規模自治体や国立大学法人への文書管理システム導入案件を受注したと同時に、今後の営業展開を見据えた実績作りとして、案件数よりも案件規模を重視し大規模案件への営業活動に注力しており、着実に受注結果を伸ばしております。加えて、次年度以降、全国自治体で大幅に案件数を増やしていくため、代理店の営業力強化と、新規開拓にも注力しております。「高いコンサル力」と「ユーザー目線に立った使いやすいシステム」が評価されていることから、今後多くの案件で採用いただけるものと考えております。また、当サービスは月額利用のストック型ビジネスを採用しております。ユーザー数の増加に伴い、利用料での積み上げによる利益成長が予測されます。
医療事務部門に向けた医療機関向けパッケージは、当社の既存ユーザーである大規模・中規模病院をメインターゲットに、2022年度より本格的に販売拡充を進めており、サービス開始以来の導入数は累計6件となりました。DX推進の流れを受け、病院機能評価に対応するための院内規程や各種マニュアル類の管理を中心に、文書管理システムの導入を検討している医療機関から数多くの引き合いをいただいております。当製品の導入により、煩雑になりがちな病院文書の管理方法の改善に加え、各施設の運用フローに沿った活用提案と、導入後の手厚いサポートを通じて、院内業務の効率化に寄与しております。
≪ヘルステックビジネス≫
(単位:千円)
2022年12月期
第2四半期
2023年12月期
第2四半期
増減額
増減率
売上高
63,276
39,453
△23,823
△37.6%
営業損失(△)
△117,418
△60,316
57,101
–
ヘルステックビジネスセグメントでは、視線分析型視野計「GAP」(注1)の国内での本格販売や、海外出荷へ向けた準備を進めております。GAPは、元来の検査手法とは全く異なるアプローチを用いて視野を測定することで可用性を高めた画期的なウェアラブルデバイスです。初期の自覚症状に乏しい緑内障などの網膜疾患の早期発見率の向上へ貢献します。本製品はこれまで検査の際に必須であった暗所の確保を不要とし、検査時間の短縮や患者の負担軽減を実現しました。更に、人間ドックや健診施設での利用を通じて網膜疾患初期の視野データを取得・分析し、国内外の研究開発機関と共有することで、製薬や生命保険領域など様々な分野での技術・サービス革新への寄与が期待されます。
当セグメントの当第2四半期連結累計期間の経営成績は、売上高39,453千円(前年同期比37.6%減)、営業損失60,316千円(前年同期は営業損失117,418千円)となりました。前年同期と比べ、EMC Healthcare株式会社(本社:東京都)が連結範囲から除外された影響で売上高は減少しました。同様の理由により経費負担が減少し、損失額は縮小しました。
当連結会計年度においては、引き続き国内医療機関へのデモンストレーションや販売を行うとともに、豊田通商株式会社(本社:愛知県)との協業で「GAP-screener」(注2)の販売を健診施設を対象に進めており、これら製品の当第2四半期連結累計期間の国内出荷台数は12台となりました。
海外展開に向けた取り組みも継続しております。販売代理店である株式会社レクザム(本社:大阪府)を通じ、イタリアで開かれたThe 10th World Glaucoma Congress(第10回国際緑内障学会)へ当製品を出展いたしました。来訪いただいた医療関係者からの評判は良く、今秋のEU地域への出荷開始に向けて最終的な調整を行っております。また、インドでの薬事承認取得への準備も進めております。
加えて、本製品が視野異常のみならずMCI(注3)の発見にも有用であることから、AMEDの令和3年度 医工連携・人工知能実装研究事業において「視点反応・眼球運動のデジタルフェノタイプを活用した軽度認知機能異常スクリーニングプログラムの研究開発」が採択され、京都大学と共に研究開発を進めております。今後数年をかけ新たな医療機器として医療現場に投入される予定です。
(注1) GAP:ゲイズ・アナライジング・ペリメーター、医療機器製造販売届出番号 38B2X10003000002
(注2) GAP-screener:ゲイズ・アナライジング・ペリメーター、医療機器製造販売届出番号 38B2X10003000003
(注3) MCI:Mild Cognitive Impairmentの略。健常者と認知症の中間の症状であり、認知症までは進行していない段階。軽度認知障害ともいう。
(2)資産、負債及び純資産の状況
(単位:千円)
2022年12月期
2023年12月期
第2四半期
増減額
資産合計
4,980,780
4,925,523
△55,256
負債合計
937,842
748,227
△189,615
純資産合計
4,042,937
4,177,296
134,358
当第2四半期連結会計期間末の総資産は、4,925,523千円となり、前連結会計年度末と比較して55,256千円減少しました。これは主に、現金及び預金の増加528,067千円に対する受取手形、売掛金及び契約資産の減少605,489千円を主な要因とする流動資産の減少65,145千円によるものであります。
負債は、748,227千円となり、前連結会計年度末と比較して189,615千円減少しました。これは主に、買掛金の減少62,569千円、未払金の減少56,734千円及び未払法人税等の減少97,559千円を主な要因とする流動負債の減少180,929千円によるものであります。
純資産は、4,177,296千円となり、前連結会計年度末と比較して134,358千円増加しました。これは、主に利益剰余金の増加による株主資本の増加131,147千円によるものであります。
(3)キャッシュ・フローの状況
(単位:千円)
2022年12月期
第2四半期
2023年12月期
第2四半期
増減額
営業活動によるキャッシュ・フロー
934,356
828,310
△106,046
投資活動によるキャッシュ・フロー
△177,093
△133,089
44,003
財務活動によるキャッシュ・フロー
△64,369
△167,153
△102,783
現金及び現金同等物の増減額
692,893
528,067
△164,826
現金及び現金同等物の期首残高
2,045,974
2,287,747
241,772
現金及び現金同等物の期末残高
2,738,868
2,815,814
76,946
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、2,815,814千円となり、前連結会計年度末に比べて528,067千円増加しました。当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況と増減要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、前年同四半期に比べ106,046千円減少し、828,310千円となりました。これは主として、税金等調整前当期純利益が411,372千円、売上債権の減額による増加605,489千円に対し、法人税等の支払額211,581千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、前年同四半期に比べ44,003千円減少し、133,089千円となりました。これは主として、無形固定資産(主に市場販売目的のソフトウエア)の取得による支出109,348千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、前年同四半期に比べ102,783千円増加し、167,153千円となりました。これは、配当金の支払いによる支出167,153千円によるものであります。
(4)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(5)経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(6)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(7)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間における当社グループの研究開発活動の金額は26,678千円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
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