【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
医療業界では現場の業務改善や情報の在り方を見直す動きが活発化しております。2024年4月には診療報酬・介護報酬・障害福祉サービス等報酬の改定、いわゆるトリプル改定が行われます。改定に向け、2023年には「全国医療情報プラットフォームの創設」、「電子カルテ情報の標準化」、「診療報酬改定DX」に関する議論が活発化すると推察されます。個々の医療機関、介護施設、地域との連携や業務効率向上の観点から、DX対応は欠かせないものとなってきております。医療現場でのオペレーション効率化と同時に、患者がより良質な医療サービスを享受できる動きも進んでおります。
またコロナ禍を経てビジネス環境が大きく変化したと認識しております。医療領域のシステム投資に対する考え方が変わりました。医師・医療従事者の働き方を改善するシステム投資に加え、患者動線を操作するオペレーションシステムへの投資も増える傾向が見受けられます。より高度な技術が求められる診療支援システムへの投資意欲の高まりです。
当社グループでは既存製品の拡販に加え、クラウドを利用した新しいサービスの開発・導入に積極的に取り組んでおります。
当第1四半期連結累計期間(2023年1月1日~2023年3月31日)における当社グループの売上高は1,251,802千円(前年同期比1.0%減)となりました。また、営業利益は288,325千円(同22.2%減)、経常利益は292,219千円(同23.4%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は199,428千円(同22.9%減)となりました。
通期業績予想に対しての達成率は、売上高が24.7%、営業利益が22.0%、経常利益が22.0%、親会社株主に帰属する四半期純利益が21.6%となりました。
当第1四半期の業績は前年同期比で売上高がほぼ同等、利益が減益となりましたが、これは2022年12月期より適用した「収益認識に関する会計基準」に伴い、売上計上時期にずれが生じたことが主な要因です。
会計基準の変更により、2022年12月期第1四半期では期中売上のうち35百万円、期中営業利益のうち29百万円が前四半期の売上高及び営業利益として計上されました。一方、2023年12月期第1四半期では期中売上のうち251百万円、期中営業利益のうち210百万円が前四半期の売上高及び営業利益として計上されました。
上記の影響や受注等状況を考慮した当社の業況は順調であり、売上成長と収益性は確保されており、通期業績予想の達成に向け計画通りに推移していると判断しております。
なお、当社グループはプライム市場の維持基準の一つである「流通株式時価総額100億円以上」を満たしておりませんが、成長戦略の動向や業績への理解を深めていただくため、当連結会計年度から特に個人投資家の皆様向けに、決算説明資料を毎期作成し提示するなど一層のIR強化に努め、適時適切な情報発信で企業価値の向上を図ってまいります。
同時にサステナビリティに関する取り組みを強化しております。新たに気候変動イニシアティブ(JCI)へ参加し、前年同様、カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト(CDP)への回答も行う予定です。4月より所定労働時間を短縮し、国内遠隔地・海外居住者を対象としたフルリモート勤務制度を設定するなど職場環境の整備を行い、社員のQOL向上に取り組んでおります。また、女性活躍推進法に基づき策定した行動計画に従い、取り組みを進めております。法務省が提唱する「Myじんけん宣言」の公表や、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)への賛同など、人権保護や環境保全に関する国内外のイニシアティブへの対応も積極的に行っております。
世の中に求められる画期的なシステムで新しい社会インフラの構築を担い、医療や人々の健康を支える企業として社会的責任を果たしてまいります。
当第1四半期連結累計期間のセグメント別(連結)の経営成績は、以下のとおりです。
なお、当第1四半期連結会計期間より報告セグメントを再編し、医療ビジネス、公共ビジネス、ヘルステックビジネスの3セグメントとしました。以下、セグメント別の経営成績では2022年12月期第1四半期の実績を新セグメントに組み替えております。
≪医療ビジネス≫
(単位:千円)
2022年12月期
第1四半期
2023年12月期
第1四半期
増減額
増減率
売上高
1,195,549
1,179,454
△16,095
△1.3%
営業利益
426,374
297,732
△128,642
△30.2%
医療ビジネスセグメントの主力製品には、画像ファイリングシステム「Claio」や診療記事記載システム「C-Note」、文書管理システム「DocuMaker」などがあります。これらに代表される当社の主力製品は、高度な医療を提供する大規模病院において高い評価と安定したシェアを維持し、病院の中核システムとして診療に欠かせない重要な役割を担っております。
当第1四半期は既存・新規を問わず国内の顧客へのパッケージ製品の販売に注力し、病院案件19件、診療所案件22件の新規導入・追加導入及びシステム更新を実施しました。
当セグメントの当第1四半期連結累計期間の経営成績は、売上高1,179,454千円(前年同期比1.3%減)、営業利益297,732千円(同30.2%減)となりました。減収及び減益の要因は、上記の会計基準の変更にあると考えており、収益・利益のトレンドに大きな変化はなく、堅調に推移していると判断しております。
クラウドソリューションの提供を主業とする子会社のフィッティングクラウド株式会社は、2023年1月より本格的に提供を開始した総合病院における次世代患者案内アプリ「Medical Avenue」のクラウド基盤の稼働に努め、安定稼働を実現しています。また、2023年3月より電子トレーシングレポートサービス「AAdE-Report」のクラウド基盤の提供を開始しました。
≪公共ビジネス≫
(単位:千円)
2022年12月期
第1四半期
2023年12月期
第1四半期
増減額
増減率
売上高
26,371
35,616
9,244
35.1%
営業利益又は損失(△)
△12,479
3,908
16,387
–
公共ビジネスセグメントは医療ビジネスセグメント内の一部門から切り離し、当連結会計年度より新設されました。
当セグメントでは、公文書管理・電子決裁システム「DocuMaker Office」を中心に、当該製品の強みを生かすことができる省庁・自治体・公社及び医療機関をメインターゲットとして製品販売に取り組んでおります。DX推進により、電子決裁や公文書管理システムの導入が加速していることから、省庁自治体向けパッケージ、医療機関向けパッケージ共に問い合わせや商談件数は増加しております。
自治体向けパッケージについては、当第1四半期中に東京都外郭団体などで導入及びリプレイスが完了しました。パッケージの導入実績数は累計24件となりました。医療事務部門に向けた医療機関向けパッケージは、当社の既存ユーザーである大規模・中規模病院をメインターゲットに、2022年度より本格的に販売拡充を進めております。第1四半期までの累計導入実績数は5件となりました。
これらの結果、当セグメントの当第1四半期連結累計期間の経営成績は、売上高35,616千円(前年同期比35.1%増)、営業利益3,908千円(前年同期は営業損失12,479千円)となり黒字化を達成しました。当セグメントではSaaS(Software as a Service)型ビジネスを導入しております。今後も既存ユーザー数が増えると同時に、毎月の利用料の積み重ねにより利益が大きくなる見込みです。
自治体向けパッケージは、今後の営業展開を見据えた実績作りとして、案件数よりも案件規模を重視し大規模案件への営業活動に注力しております。加えて、次年度以降、全国自治体で大幅に案件数を増やしていくため、代理店の営業力強化と、新規開拓にも注力しております。「高いコンサル力」と「ユーザー目線に立った使いやすいシステム」が評価されていることから、今後多くの案件で採用いただけるものと考えております。
医療機関向けパッケージは、DX推進の流れを受け、病院機能評価に対応するための院内規程や各種マニュアル類の管理を中心に、文書管理システムの導入を検討している医療機関から数多くの問合せをいただいております。システム導入により、煩雑な状態で管理されている院内文書の管理改善だけでなく、実態に沿った活用提案と、導入後も手厚いサポートを行うことで業務の効率化に寄与しております。
≪ヘルステックビジネス≫
(単位:千円)
2022年12月期
第1四半期
2023年12月期
第1四半期
増減額
増減率
売上高
43,397
36,731
△6,665
△15.4%
営業損失(△)
△43,446
△13,315
30,130
–
ヘルステックビジネスセグメントにおいては、視線分析型視野計「GAP」(注1)の国内外での本格販売を進めております。GAPは、元来の検査手法とは全く異なるアプローチを用いて視野を測定することで可用性を高めた、安価で画期的なウェアラブルデバイスです。初期の自覚症状に乏しい緑内障などの網膜疾患の早期発見率の向上にも寄与します。本製品はこれまで検査の際に必須であった暗所の確保を不要とし、検査時間の短縮や患者の負担軽減を実現しました。更に、人間ドックや健診施設での利用を進めることで網膜疾患初期の視野データを取得・分析し、国内外の研究開発機関と共有することで、製薬や生命保険領域など様々なフィールドでの技術・サービス革新への寄与が期待されます。全国の健診施設向けには豊田通商株式会社(本社:愛知県)との協業で「GAP-screener」(注2)の販売を進めており、これら製品の当第1四半期中の国内出荷台数は11台となりました。
この結果、当セグメントの当第1四半期連結累計期間の経営成績は、売上高36,731千円(前年同期比15.4%減)、営業損失13,315千円(前年同期は営業損失43,446千円)となりました。前年同期と比べ、EMC Healthcare株式会社(本社:東京都)が連結範囲から除外された影響で売上高は減少しました。他方、営業損失は同様の理由により経費負担が減少し、損失額が縮小しました。
海外展開に向けた取り組みも継続しております。販売代理店である株式会社レクザム(本社:大阪府)を通じ、イタリアで開かれたMIDO Eyewear Show、マレーシアで開かれたAPAO® 2023の展示会へそれぞれ出展しました。来訪いただいた医療関係者からの評判は良いものの、医療制度の異なる各国でスムーズな検査を実現するためのインターフェース改善を行った上での本格出荷を目指しております。また、インドでの薬事承認取得にも動いております。
加えて、本製品が視野異常のみならずMCI(注3)の発見にも有用であることからAMEDの令和3年度 医工連携・人工知能実装研究事業において「視点反応・眼球運動のデジタルフェノタイプを活用した軽度認知機能異常スクリーニングプログラムの研究開発」が採択され、京都大学と共に研究開発を進めております。今後数年をかけ新たな医療機器として医療現場に投入される予定です。
(注1) GAP:ゲイズ・アナライジング・ペリメーター、医療機器製造販売届出番号 38B2X10003000002
(注2) GAP-screener:ゲイズ・アナライジング・ペリメーター、医療機器製造販売届出番号 38B2X10003000003
(注3) MCI:Mild Cognitive Impairmentの略。健常者と認知症の中間の症状であり、認知症までは進行していない段階。軽度認知障害ともいう。
(2)資産、負債及び純資産の状況
(単位:千円)
2022年12月期
2023年12月期
第1四半期
増減額
資産合計
4,980,780
4,933,646
△47,133
負債合計
937,842
852,882
△84,960
純資産合計
4,042,937
4,080,764
37,827
当第1四半期連結会計期間末の総資産は、4,933,646千円となり、前連結会計年度末と比較して47,133千円減少しました。これは主に、現金及び預金の増加55,268千円に対する受取手形、売掛金及び契約資産の減少100,100千円を主な要因とする流動資産の減少38,575千円によるものであります。
負債は、852,882千円となり、前連結会計年度末と比較して84,960千円減少しました。これは主に、買掛金の増加4,528千円、未払金の増加33,100千円に対する未払法人税等の減少141,970千円を主な要因とする流動負債の減少82,582千円によるものであります。
純資産は、4,080,764千円となり、前連結会計年度末と比較して37,827千円増加しました。これは、主に利益剰余金の増加による株主資本の増加33,308千円によるものであります。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4)経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間における当社グループの研究開発活動の金額は13,868千円であります。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
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