【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症対策の緩和により経済活動が持ち直している一方で、ロシア・ウクライナ情勢の長期化を始めとする、不安定な世界情勢を背景とした資源価格の高騰による物価上昇が続いており、依然として先行きが不透明な状況であります。
綿半グループが関係する事業環境のうち、小売事業では、原材料価格の高騰を受けたコストプッシュ型インフレの進行による消費者の節約志向の高まりや、業態を超えた競争の激化が続いております。
建設事業では、国内の経済活動の持ち直しにより、民間建設投資に拡大の動きが見られた結果、市況は堅調に推移いたしました。しかしながら、新築戸建住宅着工戸数が減少傾向にあるといった点や、建築資材の価格高騰の状況が続いております。
貿易事業では、原油価格は落ち着きを見せましたが、前年から続く円安の影響や、医薬品市場における毎年の薬価改定による市場の抑制リスクが存在しており、依然として不安定な事業環境となっております。
このような状況下におきまして、経営理念である「合才の精神」に基づき、持株会社である当社をグループの中核として、各グループ会社が最大12%の賃上げをはじめとする人的投資に積極的に取組むほか、事業価値の向上、新規事業領域の創出に努め、時代の流れに適合した事業ポートフォリオの構築に取組んでまいりました。
これらの結果、当第1四半期連結累計期間における売上高は297億62百万円(前年同四半期比3.9%減)、営業利益は2億40百万円(同51.6%減)、経常利益は3億92百万円(同39.4%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は2億28百万円(同31.2%減)となりましたが、計画に対しては順調に推移しております。
セグメントごとの業績は次のとおりであります。
(小売事業)
小売事業では、スーパーセンター、ホームセンター、食品スーパー、ドラッグストア、インターネット通販等多種多様な業態を展開しており、「店舗改装・新業態の開発を継続して推進」「流通網の拡大」「オリジナル商品の開発・SPA化の加速」を重点施策として取組んでまいりました。
「店舗改装・新業態の開発を継続して推進」では、綿半ドラッグの運営する既存のドラッグストアを改装して、『ウェルネスライフガーデン』にリニューアルオープンいたしました。『ウェルネスライフガーデン』は、人間だけでなく共に暮らすペットの生活や健康を豊かにすることを目的とした、動物病院やペットサロンなどを併設した店舗で、綿半グループとしては初の業態です。また、前期にオープンした綿半スーパーセンター権堂店内に、お買物をしている間に処方箋薬の受取が可能な調剤薬局を新たに開設いたしました。今後もこのようなお客さまのライフスタイルに寄り添った事業を展開してまいります。
「流通網の拡大」では、世界各地からの食料品の直接仕入を開始いたしました。直接仕入を行うことで、従来より低価格でより良い商品をお客さまにお届けすることが可能になりました。今後もお客さまに商品を安定供給できる体制をより強固なものにすべく、サプライチェーンの構築に取組んでまいります。加えて、前期に引続き、生鮮食品の鮮度向上を目的とした、産地からお客さまにお届けするまで低温を維持し続けるコールドチェーンの構築にも継続的に取組んでおります。
「オリジナル商品の開発・SPA化の加速」では、お客さまの多様なニーズにお応えすべく、食料品や日用品など、様々な商品開発を行っております。グループシナジーを活かした取組みとして、貿易事業で輸入している天然原料を用いた食料品の開発や、新たにグループ入りした小諸動物病院と共同で、オリジナルのペット用品の開発等に取組んでおります。
これらの結果、当第1四半期連結累計期間における業績は、売上高については199億56百万円(同3.9%増)、セグメント利益は3億58百万円(同29.2%減)となりました。
(建設事業)
建設事業では、木造建築、鐵構、屋根外装改修、自走式立体駐車場等を展開しており、「木材の加工・流通網の構築」「木を使った商品開発の推進」「鉄骨分野の海外ネットワークの構築」を重点施策として取組んでまいりました。
「木材の加工・流通網の構築」では、前期に引続き、綿半林業が有する原木の仕入からプレカットまで行う製造機能を活かし、長野県産の木材の有効活用による地域経済の活性化に注力しております。
「木を使った商品開発の推進」では、柱のない開放的な空間を短工期で実現した、木造システム建築『PREST WOOD』の販売を5月に開始したほか、6月には介護施設や保育施設等の非住宅木造建築の販売を開始するなど、木を使った商品開発を推進しております。
「鉄骨分野の海外ネットワークの構築」では、近年の鉄骨需要の拡大と物件大型化に対応するため、ミャンマー及び大連のCADセンターで作図DXによる作業効率化を行うなど、海外ネットワークの構築に努めてまいりました。
当第1四半期連結累計期間における業績は、売上高は79億54百万円(同24.9%減)、セグメント損失は2億18百万円(前年同四半期は1億84百万円のセグメント利益)と、第1四半期に大きく伸長した前年同四半期対比では減収減益となりましたが、足元では受注・売上ともに計画通りに推移しております。
(貿易事業)
貿易事業では、世界20カ国以上から天然由来の医薬品・化成品原料の輸入販売、不妊治療薬の原薬製造等を行っており、「食品分野への進出」「肥料・飼料分野の拡大」を重点施策として取組んでまいりました。
メキシコから輸入しているウチワサボテンの果実を使用した炭酸飲料を、綿半スーパーセンターのカフェコーナーで販売したほか、株式会社エヌ・ビ-・エル社と、キラヤサポニン配合飼料の鳥インフルエンザ感染予防効果の可能性を検討する共同研究を開始いたしました。
そのほか、海外原料の安定供給への取組みや不妊治療薬の原薬製造の安定化・高品質化に向けた精製率を高める方法の研究開発を進めております。
当第1四半期連結累計期間における業績は、売上高は16億48百万円(前年同四半期比50.1%増)、セグメント利益は2億91百万円(同567.2%増)となりました。
(その他)
「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、不動産事業等を含んでおります。売上高は2億3百万円(同174.0%増)、セグメント利益は49百万円(同35.4%増)となりました。
(2)財政状態の状況
当第1四半期連結会計期間末の総資産は前連結会計年度末に比べ32億32百万円減少し、809億69百万円(前期末比3.8%減)となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べ29億81百万円減少し、446億39百万円(同6.3%減)となりました。主な要因は、現金及び預金が22億82百万円増加した一方、受取手形、売掛金及び契約資産が55億93百万円減少したこと等によるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ2億51百万円減少し、363億29百万円(同0.7%減)となりました。主な要因は、投資その他の資産が1億58百万円、のれんが1億1百万円減少したこと等によるものであります。
当第1四半期連結会計期間末の負債の合計は、前連結会計年度末に比べ28億33百万円減少し、601億17百万円(同4.5%減)となりました。主な要因は、短期借入金が10億53百万円、支払手形及び買掛金が13億3百万円減少したこと等によるものであります。
当第1四半期連結会計期間末の純資産の合計は、前連結会計年度末に比べ3億99百万円減少し、208億52百万円(同1.9%減)となりました。主な要因は、親会社株主に帰属する四半期純利益により2億28百万円増加した一方、剰余金の配当により4億37百万円減少したこと等によるものであります。
この結果、自己資本比率は25.8%(前連結会計年度末は25.2%)となりました。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4)経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上の課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間における当社グループの研究開発活動の金額は、7百万円であります。
なお、当第1四半期連結累計期間において、研究開発活動の状況に重要な変更はありません。