【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症が拡大する局面もありましたが、感染症対策と経済活動への厳しい制限の緩和等により、社会経済活動は正常化へ向けた動きが進みました。一方で、為替相場の急激な変動やウクライナ情勢の長期化を背景とした原材料価格の高騰によるコストプッシュ型インフレの進行など、依然として先行き不透明な状況が続いております。
綿半グループが関係する事業環境のうち、小売事業では、原材料・エネルギー価格の高騰や急激な為替変動により販売価格が上昇するなか、節約志向の高まりによる消費マインドの低下が懸念されております。また、光熱費をはじめとした各種コストの上昇やインターネット通販、フードデリバリー等を加えた業種・業態を超えた競争が激化するなど、事業環境は厳しさを増しております。
建設事業では、企業の設備投資に持ち直しの動きが続くなど、受注環境は堅調に推移しております。一方で、住宅市場においては、足元では持家の新設住宅着工戸数が大きく落ち込んでいるほか、資材価格高騰による建設コストの増加を受けて、市場の冷え込みが懸念されるなど、引続き注視が必要な事業環境となっております。
貿易事業では、長引く原油高騰による輸送コストの上昇や急激な為替変動など、不安定な状況が続いております。医薬品市場においては、毎年の薬価改定による市場の抑制が懸念されております。化粧品市場においても、行動制限の緩和により緩やかな回復は見られたものの、幅広い分野での値上げに伴う節約志向の高まりなどを受け、消費意欲の回復は鈍く、依然として厳しい事業環境が続いております。
このような状況下におきまして、経営理念である「合才の精神」に基づき、人々の暮らしに寄り添う企業を目指すべく、中期経営計画として「地域に寄り添い地域と共に新しい価値を創造する」を掲げ、各グループ会社が顧客・マーケットに適合した事業展開を積極的に推進してまいりました。
これらの結果、当第3四半期連結累計期間における業績は、電力料値上げの影響を受けたものの、建設事業の工事が順調に進捗したこと等により、売上高は1,005億93百万円(前年同四半期比18.4%増)、営業利益は21億8百万円(同27.0%増)、経常利益は25億72百万円(同21.4%増)と増収増益となりました。一方、親会社株主に帰属する四半期純利益については、前期に発生した特別利益や税効果等が影響し、13億90百万円(同13.7%減)となりました。
セグメントごとの業績は次のとおりであります。
(小売事業)
小売事業では、スーパーセンター、ホームセンター、食品スーパー、ドラッグストア、インターネット通販等、多種多様な業態を展開しており、「店舗改装・新規出店・新業態の開発を継続して推進」「流通網の拡大」を重点施策としております。
「店舗改装・新規出店・新業態の開発を継続して推進」の取組みとして、2022年8月の綿半スーパーセンター上田店に続き、9月にはグループ初の都市型店舗となる綿半スーパーセンター権堂店をオープンいたしました。権堂店は駅直結の利便性の高い店舗で、生鮮食品からホームセンター商品、医薬品まで取揃えているほか、各種テナントが出店しております。さらに、12月に檀田店と須坂店にも医薬品コーナーを導入するなど、新たなスーパーセンター業態の構築を推進してまいります。
「流通網の拡大」では、日本各地の漁港からの鮮魚の直接仕入や、産地からお客さまにお届けするまで、低温を維持し続けるコールドチェーンを構築し、生鮮商品の鮮度向上に取組んでおります。
また、世界的な原材料価格の高騰が続くなか、様々なオリジナル商品の開発にも注力いたしました。
当第3四半期連結累計期間における業績は、上田店・権堂店の新規出店効果もあり売上高については592億73百万円(同1.8%増)となりました。一方、セグメント利益は、新規出店コストの発生や電力料値上げ等の影響により、9億76百万円(同35.0%減)となりました。
(建設事業)
建設事業では、屋根外装改修、鉄構、自走式立体駐車場、木造の建設工事等を展開しており、重点施策として「鉄骨分野のFA化をさらに加速」「木の加工・流通網の構築」「木を使った商品開発の推進」に取組んでまいりました。
「鉄骨分野のFA化をさらに加速」では、2022年4月より長野県高森町の新工場が稼働いたしました。鉄構工場機能を集約した新工場の自動化により、加工能力の向上と効率化による収益性の向上を図ってまいりました。
「木の加工・流通網の構築」では、夢ハウスが有する原木の仕入からプレカットまでを行う木材の製造機能を活かして、長野県産木材の有効活用による地域経済の活性化へ向けて、木材の加工・流通網の構築にも注力しております。
「木を使った商品開発の推進」では、大規模な木製倉庫等の建設を進めているほか、住宅分野においては、夢ハウスとサイエンスホームが手を組み、それぞれの強みを合わせた新しい住宅ブランド「cotton1/2 (コットン ニブンノイチ)」の展開を開始いたしました。最高品質の天然無垢材で造る住宅を低価格で提供することで、メジャー住宅ブランドを目指します。
当第3四半期連結累計期間における業績は、資材価格高騰の影響を受ける一方で、工事が順調に進捗したことにより、売上高は366億57百万円(同64.6%増)、セグメント利益は13億81百万円(同297.3%増)となりました。
(貿易事業)
貿易事業では、天然由来の医薬品・化成品の輸入販売、不妊治療薬の原薬製造や農園芸品の販売等を行っており、重点施策として「食品分野への進出」「肥料・飼料分野の拡大」に取組んでまいりました。
「食品分野への進出」では、ヘルスケア意識の高まりにより注目されている健康志向市場向けに「食べても罪悪感を感じないギルトフリー」に、新たに栄養価の高いウチワサボテン果実をプラスした、「ギルトフリー+」の食品原料の販売を開始いたしました。
「肥料・飼料分野の拡大」では、100%天然植物由来の動物飼料添加物『Nutrafito Plus』の販売を開始するなど、天然の肥料・飼料分野への進出・拡大を進めてまいります。
そのほか、海外原料の安定した在庫確保や不妊治療薬の原薬製造の安定化・高品質化に向けた精製率を高める方法の研究開発を進めております。
当第3四半期連結累計期間における業績は、円安傾向の為替相場や輸送コスト上昇等の影響により、売上高は39億94百万円(同5.7%減)、セグメント利益は3億53百万円(同36.0%減)となりました。
(その他)
「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、不動産事業等を含んでおります。売上高は6億68百万円(同214.9%増)、セグメント利益は1億16百万円(同7.2%増)となりました。
(2)財政状態の状況
当第3四半期連結会計期間末の総資産は前連結会計年度末に比べ、180億88百万円増加し、876億39百万円(前期末比26.0%増)となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べ161億44百万円増加し、516億15百万円(同45.5%増)となりました。主な要因は、受取手形、売掛金及び契約資産が90億29百万円、商品及び製品が20億23百万円、原材料及び貯蔵品が9億89百万円、その他流動資産が32億38百万円増加したこと等によるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ19億43百万円増加し、360億24百万円(同5.7%増)となりました。主な要因は、有形固定資産が17億57百万円増加したこと等によるものであります。
当第3四半期連結会計期間末の負債の合計は、前連結会計年度末に比べ169億73百万円増加し、671億79百万円(同33.8%増)となりました。主な要因は、支払手形及び買掛金が102億50百万円、短期借入金が64億16百万円増加したこと等によるものであります。
当第3四半期連結会計期間末の純資産の合計は、前連結会計年度末に比べ11億14百万円増加し、204億60百万円(同5.8%増)となりました。主な要因は、剰余金の配当により4億16百万円減少した一方、親会社株主に帰属する四半期純利益により13億90百万円増加したこと等によるものであります。
この結果、自己資本比率は23.3%(前連結会計年度末は27.8%)となりました。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当第3四半期連結累計期間において、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針について重要な変更はありません。
(7)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における当社グループの研究開発活動の金額は、31百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、研究開発活動の状況に重要な変更はありません。