【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)財政状態及び経営成績の状況 当社グループは、「中期経営計画2022」の達成に向けた取り組みを推進し、事業構造改革のスピードを上げ、機能性材料メーカーへの転換を目指して初年度の計画実行に取り組んでおります。当社グループの当第3四半期連結累計期間の経営成績は、売上高3,997百万円(前年同四半期比78.4%増)となりました。利益面は、営業利益495百万円(前年同四半期は営業損失6百万円)、経常利益502百万円(前年同四半期比5,963.5%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益298百万円(前年同四半期は親会社株主に帰属する四半期純損失34百万円)となりました。
各セグメントの業績は次のとおりであります。なお、第1四半期連結会計期間より、従来「その他事業」としていたナノマテリアル事業の重要性が増したため、報告セグメントを「その他事業」から「ナノマテリアル事業」に変更しております。
断熱材事業当事業は、連結子会社・阿爾賽(蘇州)無機材料有限公司において、電子部品用副資材、耐火材料及び関連製品の開発・製造・販売を行っており、当社でも同社製品を中心とした輸入販売を行っております。国内は、主に工事案件を継続的に受注したことに伴い、炉材の販売が増加し、受注先の別の拠点からも引合いを受けております。また、好反応を得ている業種や顧客への横展開営業活動も展開し、成果が出ております。その他、断熱材に拘らない商材の販売が定期的な受注により増加しました。阿爾賽(蘇州)無機材料有限公司は、異型成形品及び産業炉の販売が増加しました。特に太陽光発電パネル製造向け拡散炉用ヒーターモジュールが大幅に伸張しており、2023年3月期は引き続き売上の拡大を見込んでおります。また、中国の新型コロナウイルス感染拡大に伴い、阿爾賽(蘇州)無機材料有限公司においても従業員の一部が新型コロナウイルスに感染いたしましたが、出荷調整等の施策により業績への影響はありませんでした。なお、為替レートが前年同四半期と比べ円安に進んだことに伴い円換算額が増加しました。以上により、断熱材事業の売上高は3,178百万円(前年同四半期比113.0%増)となりました。
アーカイブ事業当事業は、重要な情報を長期に亘って保存及び利用するための長期保存用光ドライブと長期保存用光ディスクの販売を行う「アーカイブ」と、産業用及びAV機器用光ドライブの開発・製造・販売を行う「ストレージソリューション」が含まれます。アーカイブは、医療機器向けが引き続き好調に伸張したことや、監視映像記録向け大型案件の受注等により、長期保存用光ドライブの販売が増加しました。一方、写真プリント店の端末向けの販売は順調に推移していますが、前年同四半期の売上高を僅かに下回りました。ストレージソリューションは、産業機器用光ドライブの販売において、物流停滞の不安や半導体不足の影響から前倒し受注が継続していた米国向けの販売が、当第3四半期連結会計期間は例年の規模での受注となりましたが、前年同四半期の売上高を上回りました。以上により、アーカイブ事業の売上高は771百万円(前年同四半期比9.9%増)となりました。
インダストリアルソリューション事業当事業は、オーディオ・ビデオ機器やコンピュータ周辺機器等の規準及び調整用テストディスク等の開発・製造・販売を行っております。テストメディア使用量の減少により、主要顧客であるカーオーディオ・カーナビ等の車載機器メーカー向けの販売が、前年同四半期の売上高を下回りました。また、AV機器市場及びPC市場においても、引き続き光ディスク以外の媒体への移行が進んでいることから需要は減少しました。以上により、インダストリアルソリューション事業の売上高は29百万円(前年同四半期比22.6%減)となりました。
ナノマテリアル事業当事業は、ナノマテリアルの研究開発・製造及び販売を行っており、ナノサイズの繊維状炭素を製品化しております。有償でのサンプル品の販売を行い、国内外共に幅広い業種へのサンプル出荷が増えております。また、本格採用の道筋が見えてきた顧客への対応を強化し、早期に採用されるよう取り組んでおります。これらの取り組みにより、一部の顧客においては最終段階テストやスケールアップテストを行う段階にまで進展しております。こうした中、産業分野の半導体製造装置で使用する部材での採用が決まりました。採用された材料の使用量はまだ少量ではありますが、航空宇宙・自動車関連市場に加え産業分野でもCNF用途が見込まれ、本採用を足がかりに横展開営業活動を推進してまいります。なお、福島双葉工場は、半導体不足の影響により遅延していた設備を含め全ての設備が揃い、最終納品された設備の設置工事や試運転も完了し、経験を積んだ従業員4名の異動を含む11名で稼働を開始しております。半導体不足の影響を受け、当初の予定より稼働開始が約2ヶ月遅延しましたが、生産体制構築にあたり大きな影響はなく、順次生産・出荷を進めてまいります。以上により、ナノマテリアル事業の売上高は17百万円(前年同四半期比144.7%増)となりました。
当第3四半期連結会計期間末における財政状態については、以下のとおりであります。総資産は、福島双葉工場の建屋及び設備の取得による有形固定資産の増加、並びに取得にかかる代金を計上したことによる建設仮勘定の増加等により、前連結会計年度末と比べて1,041百万円増加し、5,390百万円となりました。負債は、断熱材事業の好調な業績により未払法人税等が増加、及び受注増加に伴う前受金の増加等により、前連結会計年度末と比べて175百万円増加し、1,774百万円となりました。純資産は、減資による資本金及び資本剰余金の減少、新株予約権の権利行使による資本金及び資本剰余金の増加、欠損填補及び親会社株主に帰属する四半期純利益の計上に伴う利益剰余金の増加、為替換算調整勘定の増加等により、前連結会計年度末と比べて865百万円増加し、3,616百万円となりました。
(2)研究開発活動当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は68,627千円であります。なお、当第3四半期連結累計期間における研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(3)従業員数① 連結会社の状況当第3四半期連結累計期間において、当社グループは業容の拡大に伴い、断熱材事業において45名、ナノマテリアル事業において10名増加しております。なお、従業員数は就業人員であります。② 提出会社の状況当第3四半期累計期間において、当社は業容の拡大に伴い、ナノマテリアル事業において10名増加しております。なお、従業員数は就業人員であります。
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