【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国の経済は、一進一退の動きとなりました。鉱工業生産は、供給制約や海外経済減速に伴う輸出の低迷を受けて弱い動きとなりました。設備投資は、高水準の企業収益を背景に底堅く推移しました。個人消費は、外食・宿泊・娯楽などの対面型サービスを中心に持ち直しの動きが見られました。また、消費者物価(生鮮食品を除く総合)は、エネルギー価格の高止まりが続く中、食料(生鮮食品を除く)を中心に原材料コストを価格転嫁する動きが広がったことから、2023年1月には前年比4.2%と約40年ぶりの高い伸びとなりました。
当社グループが属する動物医療業界におきましては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響でペットとの生活に癒しを求める動きが強まり、これまで減少傾向にあった犬猫飼育頭数は2021年に微増となりました。2022年には微減となりましたが、犬猫の高齢化に伴い、疾病が多様化する中で飼い主の動物医療に対する多様化・高度化要請は高まってきております。
このような環境の中、当社グループは、新型コロナウイルス感染症の拡大防止に取り組みつつ、日頃の診療活動を通じた一次診療施設とのコミュニケーション強化を継続するとともに、対面での開催が再開された学会における活動を積極的に行うことにより、動物医療業界における信頼の獲得、認知度の向上と、それに伴う紹介症例数の増加に努めてまいりました。全体として初診数(新規に受け入れた症例数)は7,620件(前連結会計年度比5.4%増)、総診療数(初診数と再診数の合計)は28,161件(前連結会計年度比0.5%減)、手術数は2,265件(前連結会計年度比9.8%増)となりました。
以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高3,872,994千円(前連結会計年度比30.0%増)、営業利益580,548千円(前連結会計年度比32.2%増)、経常利益534,085千円(前連結会計年度比21.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益380,664千円(前連結会計年度比32.7%増)と増収増益となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)は、営業活動による資金の増加810,922千円、投資活動による資金の減少784,065千円、財務活動による資金の増加820,586千円の結果、前連結会計年度末に比べ847,443千円増加し、1,816,039千円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により獲得した資金は、810,922千円(前連結会計年度比45.4%増)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益533,932千円、減価償却費391,472千円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は、784,065千円(前連結会計年度比45.0%減)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出728,305千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により獲得した資金は、820,586千円(前連結会計年度比13.6%増)となりました。これは主に、長期借入による収入625,300千円、長期借入金の返済による支出571,576千円及び株式の発行による収入771,549千円によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループ(当社及び連結子会社、以下同じ)は生産に該当する事項がないため、生産実績に関する記載はしておりません。
b.受注実績
動物医療関連事業の性格上、受注の記載になじまないため、受注実績に関する記載はしておりません。
c.販売実績
当社グループは、動物医療関連事業の単一セグメントであります。当連結会計年度の販売実績を売上種類別に示すと、次のとおりであります。
売上種類の名称
当連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
前年同期比(%)
二次診療サービス(千円)
2,594,751
106.6
画像診断サービス(千円)
472,800
92.2
健康管理機器レンタル・販売サービス(千円)
774,978
-
その他(千円)
30,463
95.4
合計(千円)
3,872,994
130.0
(注)グループ間の取引については相殺消去しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
当社グループは、この連結財務諸表の作成に当たって、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を合理的に勘案し判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表を作成するに当たり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末における総資産は8,578,896千円となり、前連結会計年度末と比べて1,471,298千円増加いたしました。
流動資産は前連結会計年度末に比べ、856,944千円増加し、2,396,722千円となりました。これは主に大阪病院開院に向けた資金調達による現金及び預金が847,443千円増加、売掛金34,376千円増加、大阪病院開院に向けた貯蔵品21,397千円増加及び未収消費税等46,985千円増加によるものであります。
固定資産は前連結会計年度末に比べ、614,354千円増加し、6,182,174千円となりました。これは主に大阪病院建物建設工事費用及び医療機器購入により、有形固定資産が623,800千円増加、また主に保険積立金の積立等により投資その他の資産が47,759千円増加したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は4,872,858千円となり、前連結会計年度末と比べて275,184千円増加いたしました。
流動負債は1,269,845千円となり、前連結会計年度末に比べ304,131千円増加いたしました。これは主に大阪病院開院に向けた医療機器購入により未払金が189,817千円増加、未払法人税等が60,510千円増加、1年内返済予定長期借入金が36,141千円増加したことによるものであります。また、固定負債は3,603,013千円となり、前連結会計年度末に比べ28,947千円減少いたしました。これは主に長期借入金が17,582千円増加した一方で繰延税金負債が47,682千円減少したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は3,706,038千円となり、前連結会計年度末と比べて1,196,114千円増加いたしました。これは主に第三者割当増資による資本金405,600千円及び資本剰余金405,600千円増加、親会社株主に帰属する当期純利益380,664千円によるものであります。
b.経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、3,872,994千円(前連結会計年度比30.0%増)となりました。
(売上原価、売上総利益)
当連結会計年度における売上原価は、2,430,053千円(前連結会計年度比29.7%増)となりました。
この結果、売上総利益は1,442,941千円(前連結会計年度比30.5%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、862,392千円(前連結会計年度比29.5%増)となりました。
この結果、営業利益580,548千円(前連結会計年度比32.2%増)となりました。
(営業外損益、経常利益)
当連結会計年度においては、家賃収入等の営業外収益39,809千円、支払利息等の営業外費用86,272千円を計上しております。
この結果、経常利益は534,085千円(前連結会計年度比21.8%増)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度においては、税金等調整前当期純利益は533,932千円(前連結会計年度比26.1%増)となりました。法人税等を215,611千円、法人税等調整額を△62,343千円計上した結果、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は380,664千円(前連結会計年度比32.7%増)となりました。
c.経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載しております。
d.経営戦略の現状と見通し
次連結会計年度における我が国の経済の見通しについては、高水準の家計貯蓄や企業収益を背景とした民間消費、設備投資の増加を主因として、景気は回復基調となるものの、世界経済全体の減速懸念などから、景気の先行きは不透明な状況が続くものと予想されます。
このような経営環境の中、当社グループは、新型コロナ感染症の再拡大に注意しつつ、日頃の診療活動を通じた一次診療施設とのコミュニケーション強化と学会における積極的な活動を継続することで、動物医療業界における信頼の獲得、認知度の向上に努め、診療数の増加を図ります。
2023年6月に終了する予定の眼科において診療数が漸減していることや、川崎本院の放射線治療器を最新機種に更新するための入替え工事に伴い4月~7月に放射線治療が休止することなどのマイナス要因はありますが、予てより開院準備を進めておりました大阪病院が、2023年6月1日に診療開始することもあり、初診数は当連結会計年度比10%程度増加すると見込んでおります。なお、大阪病院は診療数の増加に伴い早期に黒字化するものと想定しております。
既存施設の診療能力の増強と、大阪病院に続く新病院の開院の準備として、診療を行う獣医師や愛玩動物看護師及び事務職員などの確保と育成を図る計画であります。優秀な人材確保に繋がる大学・専門学校・各種団体との関係性強化や人脈形成に努めるとともに、積極的な採用活動を継続してまいります。
子会社の株式会社キャミック及びテルコム株式会社につきましては、飼い主や一次診療施設のニーズに沿った新サービスの導入を図るとともに、当社グループ内の協力体制構築による経営効率改善等により、収益性を高めてまいります。
引き続き、中長期的に動物医療業界における総合的な企業となるべく、飼い主や一次診療施設の利便性を高めるシステムやサービスの開発・販売を進めつつ、M&Aを活用した事業領域の拡大を積極的に行う方針であります。
以上の施策により、次連結会計年度の業績予想につきましては、売上高4,140百万円、営業利益555百万円、経常利益565百万円、親会社株主に帰属する当期純利益385百万円を見込んでおります。
(注)本資料に記載の将来に関する全ての記述は、当社が現在入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいており、不確実性を多分に含んでおります。当社としてその実現をお約束するものではありません。実際の業績は、様々な要因から業績予測と異なる結果となる可能性がありますことをご留意ください。
e.経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループの経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善な経営戦略の立案、施策の実施に努めておりますが、流動的な市場環境においても継続的に利益を確保するため、顧客満足度及び社会貢献度の高い医療サービスを提供し続けることが重要と認識しております。
③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況の分析
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は、「第2 事業の状況 4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.資本の財源及び資金の流動性
当社グループの必要資金は、主に営業活動によるキャッシュ・フローである自己資金により充当し、必要に応じて外部からの資金調達を実施することを基本方針としております。
今後の資金需要のうち、主なものは、新病院の開業や既存病院における新医療機器導入等の設備投資や、M&A等の戦略的投資等であります。
これらの資金については、基本方針に基づき、主に自己資金により充当する予定でありますが、負債と資本のバランスに配慮しつつ、必要に応じて金融機関から借入や増資等の資金調達を実行してまいります。
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