【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
①財政状態の状況
当第1四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末と比べ59億9千1百万円減少し、2,738億8千6百万円となりました。これは主に、現金及び預金が110億4千9百万円減少した一方で、棚卸資産が23億9千9百万円増加、売掛金が18億7百万円増加したことによるものであります。
負債は、前連結会計年度末と比べ68億9千4百万円減少し、914億6千7百万円となりました。これは主に、流動負債の減少によるものであります。
純資産は、前連結会計年度末と比べ9億3百万円増加し、1,824億1千9百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上により19億2千5百万円増加、その他有価証券評価差額金が6億8千3百万円増加した一方で、剰余金の配当により18億2千9百万円減少したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は66.6%(前連結会計年度末は64.9%)となりました。
②経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、海外景気の減速や物価上昇の影響はあるものの、社会経済活動の正常化に伴い個人消費を中心に緩やかな回復基調にて推移いたしました。
住宅市場におきましては、新設住宅着工戸数は持家や分譲住宅の減少により前年を下回っているものの、リフォーム需要は底堅く推移いたしました。
このような事業環境の下、当社グループは、長期化する資材・エネルギー価格高騰への対策として、合理化投資による生産性の向上やデジタル技術の活用に取組むとともに、2023年4月にシステムキッチンや洗面化粧台について前年度に引き続き価格改定を実施し、収益力の改善を図ってまいりました。また、2023年8月よりシステムバスについても価格改定を予定しており、今後も更なる収益力強化を推進してまいります。
リフォーム市場への取組みにつきましては、当社認定工事店の研修施設「大阪トレーニングベース」を2023年6月に新設いたしました。前年度の横浜に続き2拠点目の開設となり、今後更に拡大が見込まれるリフォーム需要に対応するため、施工力の増強を推し進めてまいります。また、需要の掘り起こしを目的に「大分ショールーム」を移転・リニューアルを行い、ショールームの充実にも注力してまいりました。
以上の諸施策の推進により、第1四半期連結累計期間における売上高は過去最高となりましたが、利益面では2023年度実施の価格改定の効果が第2四半期以降に本格的に寄与することから、当第1四半期連結累計期間における業績は、次のとおりとなりました。
売上高 572億3千7百万円(前年同四半期比 5.3%増)
売上総利益 190億8千4百万円(前年同四半期比 0.7%増)
営業利益 26億8千3百万円(前年同四半期比16.8%減)
経常利益 28億7千4百万円(前年同四半期比17.8%減)
親会社株主に帰属する四半期純利益 19億2千5百万円(前年同四半期比15.9%減)
セグメントごとの経営成績の状況に関する分析は、次のとおりであります。
(住宅設備関連事業)
当セグメントの売上高は571億6千7百万円(前年同四半期比5.3%増)、営業利益は26億2千2百万円(同17.1%減)となりました。
当セグメントの製品部門別の状況は、次のとおりであります。
a キッチン
新築市場、リフォーム市場ともに前年度実施の価格改定の効果もあり、順調に売上が拡大しました。新築市場におきましては木製システムキッチンの拡販が進み、リフォーム市場におきましては中高級シリーズのホーローシステムキッチン「レミュー」・「トレーシア」の拡販が進んだことから、売上高は340億8千5百万円(前年同四半期比4.3%増)となりました。
b 浴室
新築市場、リフォーム市場ともに順調に売上が拡大しました。2022年8月に発売しましたシステムバス「グランスパ」がリフォーム市場を中心に、新築市場でも拡販が進んだことに加え、新築マンション向けシステムバスも順調に拡販が進んだことから、売上高は143億2千万円(前年同四半期比10.9%増)となりました。
c 洗面化粧台
新築市場、リフォーム市場ともに前年度実施の価格改定の効果もあり、順調に売上が拡大しました。新築市場におきましては木製洗面化粧台の拡販が進み、リフォーム市場におきましては中高級シリーズのホーロー洗面化粧台「エリーナ」・「ファミーユ」の拡販が進んだことから、売上高は62億6千8百万円(前年同四半期比4.5%増)となりました。
(その他の事業(不動産賃貸事業及び倉庫事業等))
売上高は1億8百万円(前年同四半期比0.3%減)、営業利益は6千1百万円(同1.6%増)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第1四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ110億4千9百万円減少し、693億2千6百万円となりました。
当第1四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の減少は、73億8千8百万円(前年同四半期は14億5千万円の増加)となりました。主な要因は、一部の購入先への支払いを早期化したことによる仕入債務の減少や棚卸資産の増加による資金の減少と、税金等調整前四半期純利益の計上による資金の増加であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の支出は、20億6千7百万円(前年同四半期は12億3千1百万円の支出)となりました。主な要因は、有形固定資産の取得による支出であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の支出は、15億9千4百万円(前年同四半期は20億4千6百万円の支出)となりました。主な要因は、配当金の支払いによる支出であります。
(3)経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間において支出した研究開発費の総額は、3億7千9百万円であります。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループは事業活動に必要な資金の十分な確保及び健全なバランスシートの維持を財務方針とし、資金の財源につきましては自己資金による充当のほか、銀行借入による調達も行っております。当第1四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物は693億2千6百万円であり、将来の資金需要に対して十分な手許流動性を確保しております。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、住宅設備機器の製造に必要な資材の購入のほか、製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、業容拡大・合理化のための設備投資や、ホーロー技術の研究・新商品の開発等の成長投資であります。
株主還元につきましては、長期にわたり安定かつ充実した配当を維持し、業績・財政状態などに応じて増配を実施することを基本方針としております。また、企業価値向上を目的として自己株式の取得につきましても適宜検討し、資本効率の向上と株主還元のより一層の充実を図ってまいります。
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