【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において当社が判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況当第2四半期累計期間におけるわが国経済は、政府主導による賃上げ政策により所得環境が改善するなど、景気は緩やかに回復いたしました。一方で、長期化する世界的な金融引締めは円安を継続させ、それにともなう物価高は暮らしに影響を与えており、先行きは依然として不透明な状況が続いております。食品業界におきましては、上昇し続ける原材料価格や労働コストなどを吸収しながら利益を確保しなければならず、企業運営の正常化には厳しい状況となりました。このような状況のもと、当社は、2025年3月期までの中期経営計画に沿い、次世代を切り開くダイショーらしさを確立し、企業価値の向上をめざして、成長を持続させてまいります。特に今期は、適正な価格を意識し付加価値のある製品開発や価格改定を軸とした収益力の改善に取り組んでおります。製品群別の概況は、以下のとおりであります。液体調味料群の小売用製品においては、主力製品の販売に経営資源を集中させ一層の拡販に努めるなか、「おうち焼肉」の根強いニーズを背景に『秘伝 焼肉のたれ』などの焼肉のたれ類が好調に推移いたしました。また、「名店監修」シリーズのまぜそばの素の積極的な販促キャンペーンの実施とあらたに投入した『名店監修 すみれ味噌仕立て油そばの素』が好調に推移し、売上を牽引いたしました。鍋スープでは、新製品として投入した「名店監修」シリーズの『名店監修鍋スープ 天下一品京都鶏白湯味』や名店の味の再現度をさらに高めてリニューアル発売された『名店監修鍋スープ 一風堂博多とんこつ赤丸新味』が売上を伸ばしました。業務用製品では、多彩なフレーバーで展開しているオイルソースが精肉向けの製品を中心に引き続き好調に推移いたしました。この結果、売上高は83億74百万円(前年同期比107.9%)となりました。粉体調味料群においては、ロングセラー製品『味・塩こしょう』が発売55周年を迎え、有名アニメーションとのコラボレーション製品を期間限定で発売するとともに、販促キャンペーンを展開するなど、主力製品を中心に販売促進に努めました。この結果、売上高は20億97百万円(前年同期比106.7%)となりました。その他調味料群においては、業務用製品は堅調に推移したものの、コロナ禍における需要の反動減で「スープはるさめ」などの小売用製品の販売環境は厳しく、売上高は11億78百万円(前年同期比95.2%)となりました。以上の結果、及び2023年6月に実施いたしました製品価格改定の効果により、当第2四半期累計期間における売上高は、116億50百万円(前年同期比106.3%)となりました。利益につきましては、営業利益は2億94百万円(前年同期比104.8%)、経常利益は2億99百万円(前年同期比104.4%)、四半期純利益は2億2百万円(前年同期比112.4%)となりました。当第2四半期会計期間末の総資産は、前事業年度末に比べ14億94百万円増加し、168億47百万円となりました。流動資産が総資産の51.1%を占め、固定資産は総資産の48.9%を占めております。資産の変動は、主に「受取手形及び売掛金」が17億14百万円、「商品及び製品」が7億22百万円増加し、「現金及び預金」が8億43百万円減少したことによるものです。負債は、前事業年度末に比べ13億53百万円増加し、76億15百万円となりました。流動負債が負債合計の75.1%を占め、固定負債は負債合計の24.9%を占めております。負債の変動は、主に「短期借入金」が6億円、「買掛金」が5億38百万円、「未払金」が1億70百万円増加したことによるものです。純資産は、前事業年度末に比べ1億40百万円増加し、92億31百万円となりました。純資産の変動は、主に剰余金の配当86百万円の支出と四半期純利益2億2百万円の計上により「利益剰余金」が1億15百万円増加したことによるものです。自己資本比率は54.8%となり、前事業年度末に比べ4.4ポイント下降しました。
(2) キャッシュ・フローの状況当第2四半期会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、13億53百万円となり、前事業年度末に比べ8億43百万円減少いたしました。営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前四半期純利益2億96百万円、仕入債務の増加額5億38百万円、減価償却費3億39百万円、未払金の増加額2億56百万円等による資金の増加と、売上債権の増加額17億14百万円、棚卸資産の増加額8億29百万円等による資金の減少により、前年同期比で4億67百万円収入減の10億62百万円の純支出となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出1億72百万円等による資金の減少により、前年同期比で2億69百万円支出減の1億73百万円の純支出となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入れによる純収入6億円とリース債務の返済1億22百万円、配当金の支払86百万円の支出により、前年同期比で6億34百万円収入増の3億91百万円の純収入となりました。
(3) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について、重要な変更はありません。
(4) 経営方針・経営戦略等当第2四半期累計期間において、当社の経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第2四半期累計期間において、当社が対処すべき課題について重要な変更はありません。
(6) 研究開発活動当第2四半期累計期間における当社の研究開発活動の金額は1億54百万円であります。なお、当第2四半期累計期間において、当社の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(7) 経営成績に重要な影響を与える要因「第2 事業の状況 1 事業等のリスク」に記載のとおり、当第2四半期累計期間において、重要な変更はありません。
(8) 資本の財源及び資金の流動性に係る情報当社の主な資金需要は、製品製造のための原材料費、労務費、経費、販売費及び一般管理費等の営業費用並びに当社の生産設備の更新、改修等に係る投資であります。これらの資金需要につきましては、営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金のほか、金融機関からの借入等による資金調達にて対応していくこととしております。