【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において当社が判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況当第3四半期累計期間におけるわが国経済は、行動制限の緩和等による経済活動正常化の動きに伴い、緩やかな回復がみられたものの、資源・エネルギー価格の高騰や円安の進行により、厳しい状況で推移いたしました。食品業界におきましては、コロナ禍における巣ごもり需要の反動減や、原料などの高騰は食品メーカーに大きな影響を与え、製品への価格転嫁が相次ぎました。これにより消費者の節約志向は一段と強まり、依然として先行き不透明な状況が続いております。このような状況のもと、当社は、次のステップに向けた施策の立案と実行を念頭に、2025年3月期までの3か年の中期経営計画に基づく取り組みをあらたに開始いたしました。当社が発展し、次世代を切り開いていくために「『ダイショーらしさ』を追求し、企業価値の向上へ」をテーマとして、「“強み”に磨きをかけ、市場・顧客を開拓する」「強い体力づくりへの投資で飛躍の基礎を固める」「社会・社員から信頼される企業体制を構築する」という3つの戦略の柱を設定し、当社発展のための施策に注力してまいります。製品群別の概況は、以下のとおりであります。液体調味料群の小売用製品においては、「名店監修」シリーズの『名店監修 一風堂赤丸とんこつまぜそばの素』『名店監修 麺屋武蔵だし醤油まぜそばの素』が売上を牽引するなか、「韓国フェア」などの販促活動が奏功し『ヤンニョムチキンの素』『サムギョプサルの素』などの精肉向けの製品が好調に推移しました。更に『すきやきわりした』が国内向けのみならず海外向けにおいても売上を伸ばしました。鍋スープでは、最需要期である秋冬市場においてタレントを使用したCMなどにより販売促進に努めましたが『博多もつ鍋スープ しょうゆ味』などの主力製品については厳しい状況が続きました。このようななか、「名店監修」シリーズの『名店監修鍋スープ すみれ札幌濃厚みそ味』『名店監修鍋スープ 一風堂博多とんこつ赤丸新味』が好調に推移し、大きく売上を牽引しました。業務用製品では、『にんにく黒胡椒焼ソース』『アヒージョ風ソース』などの主力製品に加え、『お肉やわらかガーリック醤油ソテーソース』などの新製品を投入し、さらにラインアップが充実した精肉向けのオイルソースが好調に推移し、大きく売上を伸ばしました。この結果、売上高は136億71百万円(前年同期比104.7%)となりました。粉体調味料群においては、野菜おつまみメニュー調味料のキャンペーンを展開するなど販売促進に努めましたが、『味・塩こしょう』シリーズなどの小売用製品の販売環境は依然厳しい状況が続きました。この結果、売上高は29億22百万円(前年同期比96.1%)となりました。その他調味料群においては、多様な好みに合わせて選べるように充実したラインアップが揃う即食製品の「スープはるさめ」シリーズと「オートミールde」シリーズが、好調に売上を伸ばしました。この結果、売上高は19億45百万円(前年同期比106.9%)となりました。以上の結果、当第3四半期累計期間における売上高は、185億39百万円(前年同期比103.4%)となりました。利益につきましては、増収を達成したものの、原材料価格や燃料価格の上昇の影響が大きく営業利益は9億99百万円(前年同期比69.3%)、経常利益は10億8百万円(前年同期比69.6%)、四半期純利益は6億74百万円(前年同期比68.6%)となりました。
当第3四半期会計期間末の総資産は、前事業年度末に比べ10億13百万円増加し、166億77百万円となりました。固定資産が総資産の49.7%を占め、流動資産は総資産の50.3%を占めております。資産の変動は、主に「受取手形及び売掛金」が28億35百万円増加し、「現金及び預金」が18億14百万円減少したことによるものです。負債は、前事業年度末に比べ5億15百万円増加し、72億31百万円となりました。流動負債が負債合計の74.1%を占め、固定負債は負債合計の25.9%を占めております。負債の変動は、主に「買掛金」が6億74百万円増加し、「賞与引当金」が2億14百万円減少したことによるものです。純資産は、前事業年度末に比べ4億97百万円増加し、94億46百万円となりました。純資産の変動は、主に剰余金の配当1億73百万円の支出と四半期純利益6億74百万円の計上により「利益剰余金」が5億円増加したことによるものです。自己資本比率は56.6%となり、前事業年度末に比べ0.5ポイント下降しました。
(2) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について、重要な変更はありません。
(3) 経営方針・経営戦略等当第3四半期累計期間において、当社の経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期累計期間において、当社が対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5) 研究開発活動
当第3四半期累計期間における当社の研究開発活動の金額は1億97百万円であります。なお、当第3四半期累計期間において、当社の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6) 経営成績に重要な影響を与える要因
「第2 事業の状況 1 事業等のリスク」に記載のとおり、当第3四半期累計期間において、重要な変更はありません。
(7) 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社の主な資金需要は、製品製造のための原材料費、労務費、経費、販売費及び一般管理費等の営業費用並びに当社の生産設備の更新、改修等に係る投資であります。これらの資金需要につきましては、営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金のほか、金融機関からの借入等による資金調達にて対応していくこととしております。