【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する記述は、当社グループが当四半期連結会計期間の末日現在において入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいており、様々な要因により大きく異なる可能性があります。 (1)経営成績の分析当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の位置づけが5類へ移行したことで、社会経済が正常に活動し、消費行動の回復が見られるものの、引き続き米国をはじめとする先進諸国の金融緩和縮小、ウクライナ情勢の長期化やインフレによる調達価格の上昇などの影響が懸念され、依然として経済活動の先行きが不透明な状況となっております。このような事業環境のもと、当社グループが属する業界は、業務のデジタルシフトへの環境整備からデジタルトランスフォーメーションの領域にまで幅広い関心と、サイバーセキュリティへの対応をはじめとする、オフィスのネットワークインフラ環境の改善需要が高まりを見せております。デジタルマーケティング関連事業においては、「顧客を増やす・育てる」を実現するデジタルマーケティングツール「Cloud CIRCUS(クラウドサーカス)」をサブスクリプションモデル(継続課金型)として提供し、顧客獲得数の増加とARR(年間経常収益)の増加に引き続き取り組んでおりますが、直販のみならず、顧客紹介、パートナー販売の開拓にも注力いたしました。また、ITインフラ関連事業におきましては、中小・中堅企業の顧客基盤と強固なリレーションシップを図りつつ、オフィスに欠かせない基幹設備から事務サポートまでIT技術を手段として顧客に「解決」を提案・提供し、顧客の事業運営をより良い方向に変化させるべく、継続した生産性向上を支援してまいりました。例年、第1四半期においては、新入社員の受け入れによる教育やコスト増加等により収益性が低下する傾向がありましたが、前期より生産性向上が叶い、第1四半期から安定的な収益性向上が図れており、当第1四半期連結累計期間におけるデジタルマーケティング関連事業及びITインフラ関連事業ともに、前年同期比較で売上高とセグメント利益が増加いたしました。
その結果、当第1四半期連結累計期間における業績は、売上高は4,934,684千円(前年同四半期比6.5%増)、営業利益は634,979千円(前年同四半期比229.4%増)、経常利益は649,525千円(前年同四半期比155.4%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は436,686千円(前年同四半期比166.9%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
<デジタルマーケティング関連事業>デジタルマーケティング関連事業におきましては、顧客を増やす5つの課題領域「情報発信」「集客」「顧客体験・顧客体験価値向上」「顧客育成・顧客化」「リピート・解約防止」を実現するSaaSツール群「Cloud CIRCUS(クラウドサーカス)」を提供しております。Cloud CIRCUSは、初めてデジタルマーケティングにお取組みされる方でも、誰でも簡単にすぐ始められ使いこなせるツールとなっており、フリーミアム展開も進めております。また、Cloud CIRCUSに加えて、広告運用やサイト構築のノウハウを基に、マーケティングコンサルティングや運用のサポートも提供し、ツールと合わせて、マーケティング力の進化を統合的に支援することで、潜在的なデジタルシフトニーズに対応し、1社に複数のサービスを提供しております。当第1四半期連結累計期間におきましては、MAツール「BowNow(バウナウ)」が「ITreview Grid Award 2023 Spring」の MA部門とABM部門でHigh performerを受賞し、中小企業部門において満足度・認知度の双方が優れた製品であると評価され、チャットボット「IZANAI(イザナイ)」がChatGPT連携により会話フローを自動生成することで設定作業を大幅削減することができました。また、「LP Builder Powered by Slideflow」にChatGPTを活用したテキスト入力だけでWebサイトが作れる新機能「Text to Website」が機能追加されたことで中小企業のWebサイト制作のハードルを下げる効果が見込まれ、サブスクリプションモデルの売上が好調に推移したことに加え、Cloud CIRCUS関連の受託開発の受注やWeb制作も増加し、フロー型の売上も増加いたしました。当第1四半期連結累計期間より、これまでの投資フェーズから、収益フェーズに移行し、デジタルマーケティング関連事業単体でのセグメント利益の黒字化が叶っております。今後も必要な開発投資、広告費投下は行いつつ、セグメント利益を創出してまいります。
その結果、デジタルマーケティング関連事業の当第1四半期連結累計期間における業績は、売上高は841,724千円(前年同四半期比21.4%増)、セグメント利益(営業利益)は32,481千円(前年同四半期はセグメント損失(営業損失)95,869千円)となりました。
<ITインフラ関連事業>ITインフラ関連事業におきましては、マーケティングからコンタクトセンターや営業、技術、CS(Customer Success(カスタマー サクセス))の各部門において、社内システムを駆使した情報資産の活用と組織間連携、アプローチにより、商談・提案、受注、納品、アフターサービスの一連の流れを組織的に展開することで営業の回転率が向上し継続的な生産性向上に寄与できる体制になっていることで、第1四半期から安定的なセグメント利益を生み出すことが叶っております。また、当第1四半期連結累計期間においては、前期より引き続き中小企業の情報セキュリティ対策のニーズを捉え、情報セキュリティ製品であるUTM(統合脅威管理)を中心としたネットワーク機器の導入などのソリューション案件が収益性の向上に寄与いたしました。MFPにおいても特にパートナー販売が好調に推移したことで売上高と利益が大きく増加いたしました。また、電力小売におきましては、当期も夏場の需要増加に伴う燃料費調整の価格転嫁による電力の売上増加を見通しておりましたが、発電事業者等において液化天然ガス(LNG)など燃料価格の落ち着きなどにより、電力調達コストが下がったことで価格転嫁幅が下がり、電力売上高は予想を下回りましたが、売上総利益は増加いたしました。
その結果、ITインフラ関連事業の当第1四半期連結累計期間における業績は、売上高は4,092,937千円(前年同四半期比3.8%増)、セグメント利益(営業利益)は554,546千円(前年同四半期比99.8%増)となりました。
<CVC関連事業>CVC関連事業におきましては、コーポレートベンチャーキャピタル事業を行っております。当事業は、キャピタルゲインの獲得を目的としたベンチャー企業等への投資事業を専門に行うためにコーポレートベンチャーキャピタル事業推進室(以下、CVC室)が推進しております。CVC室では、斬新なアイデアや革新的なテクノロジーによって新しいビジネスの創造に挑むIT系スタートアップ企業等に出資、投下資金のエグジット(株式上場や第三者への被買収など)を目指してスタートアップ企業の成長をサポートします。当第1四半期連結累計期間におきまして、K&Pパートナーズ4号投資事業有限責任組合に投資を行いました。
その結果、CVC関連事業の当第1四半期連結累計期間における業績は、売上高はなく、セグメント損失(営業損失)249千円(前年同四半期はセグメント損失(営業損失)249千円)となりました。
(2)財政状態の分析当第1四半期連結会計期間末の総資産は11,316,182千円、前連結会計年度末と比較して1,596,697千円減少いたしました。その主な内容は、受取手形、売掛金及び契約資産の減少611,467千円、現金及び預金の減少434,863千円、流動資産その他の減少383,136千円、繰延税金資産の減少115,896千円がありましたが、その一方で、営業投資有価証券の増加19,192千円があったことなどによるものであります。負債の部は5,522,908千円となり、前連結会計年度末と比較して1,698,018千円減少いたしました。その主な内容は、買掛金の減少690,928千円、未払法人税等の減少561,538千円、未払金の減少184,988千円、長期借入金の減少175,927千円、賞与引当金の減少169,733千円がありましたが、その一方で、短期借入金の増加100,000千円があったことなどによるものであります。純資産の部は5,793,273千円となり、前連結会計年度末と比較して101,320千円増加いたしました。その主な内容は、親会社株主に帰属する四半期純利益436,686千円、その他有価証券評価差額金の増加12,478千円がありましたが、その一方で、配当金の支払347,844千円があったことなどによるものであります。
(3)キャッシュ・フローの状況当第1四半期連結累計期間に係る四半期連結キャッシュ・フロー計算書を作成しておりませんので、記載を省略しております。 (4)経営方針・経営戦略等当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。 (5)事業上及び財務上の対処すべき課題当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。 (6)研究開発活動該当事項はありません。