【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する記述は、当社グループが当四半期連結会計期間の末日現在において入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいており、様々な要因により大きく異なる可能性があります。
(1)経営成績の分析当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症についての行動制限が緩和され経済活動が復調の兆しを見せるものの、米国をはじめとする先進諸国の金融緩和縮小、ウクライナ情勢等を受けたエネルギー資源の高騰やインフレによる調達価格の上昇などの影響が懸念され、依然として経済活動の先行きが不透明な状況となっております。このような事業環境のもと、当社グループが属する業界は、高まるサイバーセキュリティへの関心、オフィスのネットワークインフラ環境の改善、業務のデジタルシフトへの整備など、引き続きITを活用した経営改革は急務となっており、デジタルトランスフォーメーションなどの領域におけるIT投資需要が高まりを見せる一方、先行き不透明な景況感の中でIT投資判断に引き続き慎重さが見られております。デジタルマーケティング関連事業においては、「顧客を増やす・育てる」を実現するデジタルマーケティングツール「Cloud CIRCUS(クラウドサーカス)」をサブスクリプションモデル(継続課金型)として提供し、顧客獲得数の増加とARR(年間経常収益)の増加に取り組んでおりますが、2022年12月より、デジタルマーケティングツールの更なるプロダクト機能の充実、サービス品質の向上を実現するため、SaaSツールのメインプランの値上げを行いました。また、ITインフラ関連事業におきましては、中小・中堅企業の顧客基盤と強固なリレーションシップを図り、オフィスに欠かせない基幹設備から事務サポートまでIT技術を手段として顧客に「解決」を提案・提供し、顧客の事業運営をより良い方向に変化させるべく、継続した生産性向上を支援してまいりました。当第3四半期連結累計期間においては、引き続きウィズコロナ、アフターコロナを意識した顧客の事業活動に動きが見られ、デジタルマーケティング関連事業及びITインフラ関連事業ともに、前年同期比較で売上高が増加いたしました。特に、ITインフラ関連事業においては、第2四半期に引き続き主要商材のMFP(複合機)とネットワーク関連機器販売が好調に推移し牽引したことで、当第3四半期連結累計期間における連結営業利益も大幅に増加いたしました。
その結果、当第3四半期連結累計期間における業績は、売上高は14,736,782千円(前年同四半期比35.5%増)、営業利益は1,212,074千円(前年同四半期は営業損失40,668千円)、経常利益は1,329,041千円(前年同四半期比967.7%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は957,828千円(前年同四半期比142.3%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(デジタルマーケティング関連事業)デジタルマーケティング関連事業におきましては、顧客を増やす5つの課題領域「情報発信」「集客」「顧客体験・顧客体験価値向上」「見込顧客育成と顧客化」「解約防止・リピート増」を実現するSaaSツール群「Cloud CIRCUS※」を提供しております。Cloud CIRCUSは、初めてデジタルマーケティングにお取組みされる方でも、誰でも簡単にすぐ始められ使いこなせるツールとなっており、フリーミアム展開も進めております。また、Cloud CIRCUSに加えて、広告運用やサイト構築のノウハウを基に、マーケティングコンサルティングや運用のサポートも提供し、ツールと合わせてマーケティング力の進化を統合的に支援することで、潜在的なデジタルシフトニーズに対応し、1社に複数のサービスを提供しております。当第3四半期連結会計期間におきましては、LESSARを「手認識機能」によるバーチャル試着体験や、園芸業界に対して花苗を購入する前に花鉢やレイアウトのシミュレーションを行うことができる機能を開発し、ARによる購買用途を広げることで多様な業界で導入される足がかりを作りました。NFT分野においては、アニメ分野に特化したNFTマーケットプレイス「fancity(ファンシティ)」をテレビ東京メディアネットとの共同事業として開始したことに加え、NFTコミュニティサービスの企画制作・コンサルティング「メタバッジ」をリリースいたしました。また、大塚商会と顧客紹介取次契約を締結したことにより、更なるBowNowの拡販体制を整えることができました。2022年12月にはサービス開発体制・顧客サポート体制の強化と安心安全にご利用いただくためのセキュリティ強化を目的として、SaaSツールにおけるメインプランの一律20%の値上げを行いました。
※Cloud CIRCUS
課題領域
提供ツール名
サービス内容
情報発信
ActiBook(アクティブック)
電子Book制作ソフト、動画共有
BlueMonkey(ブルーモンキー)
WebCMS&オウンドメディア構築
AppGoose(アップグース)
アプリ運用
Plusdb(プラスディービー)
データベース構築
creca(クリカ)
スマホ用ランディングページ制作
集客・広告運用コンサル
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マーケティングコンサル、広告運用コンサル
体験顧客体験価値向上
COCOAR(ココアル)
AR制作ソフト
LESSAR(レッサー)
Webブラウザ用AR制作ソフト
CrowdBooth(クラウドブース)
オンライン展示会
IZANAI(イザナイ)
チャットボット
顧客育成・顧客化
BowNow(バウナウ)
マーケティングオートメーション
リピート・解約防止
Fullstar(フルスタ)
カスタマーサクセスマネジメント
その結果、デジタルマーケティング関連事業の当第3四半期連結累計期間における業績は、売上高は2,267,831千円(前年同四半期比16.5%増)、セグメント損失(営業損失)は186,363千円(前年同四半期はセグメント損失(営業損失)271,036千円)となりました。
(ITインフラ関連事業)ITインフラ関連事業におきましては、MFP、UTM(統合脅威管理)、ネットワーク機器、ビジネスフォン等の情報通信機器の販売・施工・保守並びにサーバ構築から運用保守まで一貫したシステムインテグレーション及び機器メンテナンスを行っております。また、バックオフィスの業務を自動化するオリジナルRPA(Robotic Process Automation)ソリューションツールの「RoboTANGO(ロボタンゴ)」やAI-OCR等の提供、更には、電子署名ツールの提供を行っております。当第3四半期連結累計期間におきましては、かねてより進めてまいりましたM&Aによる顧客基盤の拡充に加え、顧客管理・営業管理システムを利用した顧客情報・資産情報の蓄積により、情報の見える化が実現されたことで、商材・サービスのクロスセルや適切な時期のリプレースの実施が可能になりました。更に、マーケティングによる顧客アプローチの仕組みを組織的に展開することで、営業担当のみならず、和歌山コンタクトセンターやCS(Customer Success(カスタマー サクセス))からの顧客フォローの展開も整い、アプローチ、商談・提案、受注、納品までの一連の流れを、営業担当、和歌山コンタクトセンター、CSにより、組織とシステムによる仕組みでの対応が整い、営業の回転率が向上したこと、また、2021年11月より新たに連結に加わったスターティアリードの寄与により過去の実績を大きく上回ることができました。特に、MFPにおいては、直販による販売が好調に推移したこと、また情報セキュリティ製品であるUTMを中心としたネットワーク機器が堅調に推移したことで売上高と利益が大きく増加いたしました。
その結果、ITインフラ関連事業の当第3四半期連結累計期間における業績は、売上高は12,468,423千円(前年同四半期比39.7%増)、セグメント利益(営業利益)は1,339,997千円(前年同四半期比291.7%増)となりました。
(CVC関連事業)CVC関連事業におきましては、新規の投資実行はありませんでした。
CVC関連事業の当第3四半期連結累計期間における業績は、売上高はなく、セグメント損失(営業損失)は750千円(前年同四半期はセグメント利益(営業利益)5,637千円)となりました。
(2)財政状態の分析当第3四半期連結会計期間末の総資産は11,250,571千円となり、前連結会計年度末と比較して128,101千円減少いたしました。その主な内容は、投資有価証券の減少608,180千円、受取手形、売掛金及び契約資産の減少346,231千円、その他の減少213,127千円がありましたが、その一方で、現金及び預金の増加742,596千円、ソフトウエアの増加206,385千円、棚卸資産の増加83,413千円があったことなどによるものであります。負債の部は5,822,168千円となり、前連結会計年度末と比較して1,323,385千円減少いたしました。その主な内容は、短期借入金の減少647,000千円、未払法人税等の減少350,613千円、買掛金の減少167,955千円、長期借入金の減少142,602千円、賞与引当金の減少128,402千円がありましたが、その一方で、その他の増加151,586千円があったことなどによるものであります。純資産の部は5,428,403千円となり、前連結会計年度末と比較して1,195,283千円増加いたしました。その主な内容は、親会社株主に帰属する四半期純利益957,828千円、自己株式の処分666,447千円がありましたが、その一方で、配当金の支払135,829千円、その他有価証券評価差額金の減少180,234千円、持分法適用会社の減少に伴う利益剰余金の減少112,929千円があったことなどによるものであります。
(3)キャッシュ・フローの状況当第3四半期連結累計期間に係る四半期連結キャッシュ・フロー計算書を作成しておりませんので、記載を省略しております。
(4)経営方針・経営戦略等当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)事業上及び財務上の対処すべき課題当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。 (6)研究開発活動当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は5,189千円であります。なお、当第3四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。