【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
本文の将来に関する事項は、本四半期報告書提出日現在において判断したものであります。
(1) 経営成績の分析
当第2四半期連結累計期間における世界経済は、新型コロナウイルス感染症に関する行動制限が緩和され社会・経済活動が正常化に進む一方で、ロシアのウクライナ侵攻長期化によるエネルギー・食料価格の高騰や、各国の金融引き締めにより景気後退懸念が継続し、先行きは不透明な状況が続いております。
また、わが国経済においては社会経済活動の正常化が進みつつある中、非製造業で改善が見られるものの、製造業においては不安定な為替相場・原材料価格の高騰・エネルギー価格高騰が継続しており、収益の下押し要因となっております。
当社グループの主な事業領域である自動車分野は、半導体不足等供給制約も緩和し始めており、自動車生産も回復傾向にあります。
また、電子情報通信分野では、デジタル社会進展によりデータセンター向け投資に旺盛な需要が続いておりましたが、2022年9月以降各国の金融引き締めや地政学的リスクによる景気後退の懸念が強まり、データセンター向け投資抑制の影響が継続しております。
当社グループの業績もこのような外部環境の影響を強く受け、売上高は251億69百万円(前年同四半期比6.1%減)となりました。
利益面では、HDD用サスペンションでの売上高減少影響に加え、新機種増産準備にかかる費用の増加及び訴訟対応に関して有効な防御策を講じるための弁護士費用・その他の費用などの影響により営業損失は14億6百万円(前年同四半期は4億71百万円の営業利益)、為替差益の発生や受取配当金により経常損失は8億34百万円(前年同四半期は8億82百万円の経常利益)となりました。また、親会社株主に帰属する四半期純損失は6億81百万円(前年同四半期は5億72百万円の親会社株主に帰属する四半期純利益)となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
<日本>
電子情報通信分野でHDD用サスペンションの需要減少の影響から、セグメント売上高は165億46百万円(前年同四半期比11.4%減)となりました。利益面ではHDD用サスペンションでの売上高減少影響に加え、新機種増産準備にかかる費用の増加及び訴訟対応に要する弁護士費用・その他の費用などの影響により、セグメント損失は13億2百万円(前年同四半期は5億円のセグメント利益)となりました。
<北米>
米国子会社の自動車関連製品での増加及び円安により、セグメント売上高は42億21百万円(前年同四半期比12.4%増)となりました。利益面ではセグメント損失は2億75百万円(前年同四半期は2億33百万円のセグメント損失)となりました。
<アジア>
プリンター関連及び通信関連での販売減少により、セグメント売上高は52億32百万円(前年同四半期比3.4%減)、セグメント利益は6億4百万円(同10.3%減)となりました。
製品区分別の売上業績を示すと、次のとおりであります。
(自動車分野)
[材料関連製品]
材料関連製品は、自動車生産も回復傾向にあり、前年同四半期から増加しました。その結果、売上高は38億76百万円(前年同四半期比10.6%増)となりました。
[自動車関連製品]
自動車関連製品は、自動車生産が回復傾向であることに加え、バスバー等電動化関連やLED関連製品等一部の製品で大きく増加したことにより、前年同四半期から増加しました。その結果、売上高は146億77百万円(前年同四半期比17.0%増)となりました。
(電子情報通信分野)
[HDD用サスペンション]
HDD用サスペンションは2022年9月以降各国の金融引き締めや地政学的リスクによる景気後退の懸念が強まり、データセンター向け投資抑制の影響が発生しております。結果、売上高は39億86百万円(前年同四半期比49.0%減)となりました。
[プリンター関連]
プリンター関連は需要が減少傾向にあり、売上高は17億3百万円(前年同四半期比8.0%減)となりました。
[通信関連]
通信関連は、景気後退懸念によるデータセンター投資抑制の影響から減少となり、売上高は6億76百万円(前年同四半期比11.0%減)となりました。
(その他製品)
その他製品は、売上高は2億48百万円(前年同四半期比26.5%減)となりました。
(2) 財政状態の分析
[資産]
総資産は659億12百万円(前連結会計年度末比21億76百万円増)となりました。これは主に、現金及び預金が5億26百万円、消費税の還付等により流動資産のその他に含まれる未収入金が5億94百万円減少した一方、株価の上昇などにより投資有価証券が13億11百万円、受取手形、売掛金及び契約資産などの売上債権が7億11百万円、HDD用サスペンションの能増投資等により有形固定資産が6億56百万円、棚卸資産が4億98百万円増加したことによります。
[負債]
負債は268億97百万円(前連結会計年度末比12億円増)となりました。これは主に、支払手形及び買掛金などの仕入債務が3億7百万円、設備投資に係る未払金の支払い等により流動負債のその他が1億68百万円減少した一方、短期借入金及び長期借入金が16億62百万円増加したことによります。
[純資産]
純資産は390億14百万円(前連結会計年度末比9億75百万円増)となりました。これは主に、利益剰余金が配当により2億73百万円、親会社株主に帰属する四半期純損失により6億81百万円減少した一方、株価の上昇などによりその他有価証券評価差額金が8億70百万円、為替変動により為替換算調整勘定が10億58百万円増加したことによります。
(3) キャッシュ・フローの状況
現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ5億63百万円減少し、当第2四半期連結会計期間末には71億44百万円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。
[営業活動によるキャッシュ・フロー]
営業活動によるキャッシュ・フローは、8億69百万円の収入(前年同四半期比13億44百万円の収入減)となりました。増加要因としては、主に減価償却費(20億28百万円)のほか、棚卸資産の減少額(1億6百万円)があり、減少要因としては、税金等調整前四半期純損失(8億51百万円)、仕入債務の減少額(4億63百万円)などがあったことによります。
[投資活動によるキャッシュ・フロー]
投資活動によるキャッシュ・フローは、26億17百万円の支出(前年同四半期比5億58百万円の支出減)となりました。これは主に固定資産の取得による支出(25億37百万円)があったことによります。
[財務活動によるキャッシュ・フロー]
財務活動によるキャッシュ・フローは、9億32百万円の収入(前年同四半期比12億3百万円の収入増)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出(3億43百万円)及び配当金の支払額(2億73百万円)があったものの、外部借入れによる収入(16億43百万円)があったことによります。
(4) 経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6) 財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当第2四半期連結累計期間において、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針について重要な変更はありません。
(7) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間における当社グループ全体の研究開発費の総額は、6億円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。