【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
本文の将来に関する事項は、当四半期報告書提出日現在において判断したものであります。
(1) 経営成績の分析
当第1四半期連結累計期間における世界経済は、新型コロナウイルス感染症に関する行動制限が緩和され社会・経済活動が正常化に進む一方で、ロシアのウクライナ侵攻長期化によるエネルギー・食料価格の高騰や、各国の金融引き締めにより景気後退懸念が継続し、先行きは不透明な状況が続いております。
また、わが国経済においては社会経済活動の正常化が進みつつある中、非製造業で改善が見られるものの、製造業においては不安定な為替相場・原材料価格の高騰・エネルギー価格高騰が継続しており、収益の下押し要因となっております。
当社グループの主な事業領域である自動車分野は、半導体不足等供給制約も緩和し始めており、自動車生産も回復傾向にあります。
また、電子情報通信分野では、デジタル社会進展によりデータセンター向け投資に旺盛な需要が続いておりましたが、2022年9月以降各国の金融引き締めや地政学的リスクによる景気後退の懸念が強まり、データセンター向け投資抑制の影響が継続しております。
当社グループの業績もこのような外部環境の影響を強く受け、売上高は117億13百万円(前年同四半期比8.6%減)となりました。
利益面では、エネルギー・輸送コストアップ、HDD用サスペンションでの新機種増産準備にかかる費用の増加及び訴訟対応に関して有効な防御策を講じるための弁護士費用・その他の費用などの影響により営業損失は8億78百万円(前年同四半期は3億98百万円の営業利益)、為替差益の発生や受取配当金により経常損失は5億63百万円(前年同四半期は6億66百万円の経常利益)となりました。また、親会社株主に帰属する四半期純損失は5億9百万円(前年同四半期は4億37百万円の親会社株主に帰属する四半期純利益)となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
<日本>
電子情報通信分野でHDD用サスペンションの需要減少の影響から、セグメント売上高は75億78百万円(前年同四半期比15.1%減)となりました。利益面では自動車分野でのエネルギー・輸送コストアップ、HDD用サスペンションでの新機種増産準備にかかる費用の増加及び訴訟対応に関して有効な防御策を講じるための弁護士費用・その他の費用などの影響により、セグメント損失は7億59百万円(前年同四半期は4億11百万円のセグメント利益)となりました。
<北米>
米国子会社の自動車関連製品での増加及び円安により、セグメント売上高は19億77百万円(前年同四半期比9.5%増)となりました。利益面ではセグメント損失は1億59百万円(前年同四半期は71百万円のセグメント損失)となりました。
<アジア>
プリンター関連での増加があったものの、中国での自動車分野の販売が減少しました。結果として、セグメント売上高は25億68百万円(前年同四半期比2.2%減)、セグメント利益は2億80百万円(同12.7%減)となりました。
製品区分別の売上業績を示すと、次のとおりであります。
(自動車分野)
[材料関連製品]
材料関連製品は、自動車生産も回復傾向にあり、前年同四半期から増加しました。その結果、売上高は19億10百万円(前年同四半期比10.9%増)となりました。
[自動車関連製品]
自動車関連製品は、自動車生産が回復傾向であることに加え、バスバー等電動化関連やLED関連製品等一部の製品で大きく増加したことにより、前年同四半期から増加しました。その結果、売上高は70億56百万円(前年同四半期比16.6%増)となりました。
(電子情報通信分野)
[HDD用サスペンション]
HDD用サスペンションは2022年9月以降各国の金融引き締めや地政学的リスクによる景気後退の懸念が強まり、データセンター向け投資抑制の影響が発生しております。結果、売上高は13億90百万円(前年同四半期比62.7%減)となりました。
[プリンター関連]
プリンター関連は、需要も引き続き堅調であり、売上高は8億80百万円(前年同四半期比5.6%増)となりました。
[通信関連]
通信関連は、景気後退懸念によるデータセンター投資抑制の影響があるものの拡販により北米で売上が増加、一方でアジアでは減少となり、売上高は3億23百万円(前年同四半期比1.9%減)となりました。
(その他製品)
その他製品は、売上高は1億52百万円(前年同四半期比1.3%減)となりました。
(2) 財政状態の分析
[資産]
総資産は657億11百万円(前連結会計年度末比19億75百万円増)となりました。これは主に、受取手形、売掛金及び契約資産などの売上債権が8億32百万円減少した一方、棚卸資産が13億87百万円、株価の上昇などにより投資有価証券が12億79百万円増加したことによります。
[負債]
負債は273億67百万円(前連結会計年度末比16億70百万円増)となりました。これは主に、仕入の増加などにより支払手形及び買掛金が9億11百万円、短期借入金が5億16百万円増加したことによります。
[純資産]
純資産は383億43百万円(前連結会計年度末比3億5百万円増)となりました。これは主に、利益剰余金が配当により2億73百万円、親会社株主に帰属する四半期純損失により5億9百万円減少した一方、株価の上昇などによりその他有価証券評価差額金が8億86百万円、為替変動により為替換算調整勘定が1億93百万円増加したことによります。
(3) 経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5) 財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当第1四半期連結累計期間において、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針について重要な変更はありません。
(6) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間における当社グループ全体の研究開発費の総額は、3億43百万円であります。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。