【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
本文の将来に関する事項は、本四半期報告書提出日現在において判断したものであります。
(1) 経営成績の分析
当第2四半期連結累計期間における世界経済は、ロシアのウクライナ侵攻によるエネルギー・食料価格の高騰や、各国の金融引き締めにより成長の減速感が深まってまいりました。
また、わが国経済においては政府による行動制限が発出されない状況下で、非製造業で改善が見られるものの、製造業においては円安の進行・原材料価格の高騰・エネルギー価格高騰が収益の下押し要因となっております。
当社グループの主な事業領域である自動車分野は、半導体不足等供給制約に歯止めがかかりつつあるものの、中国のロックダウン(都市封鎖)等によって自動車生産の減産影響が継続しており、先行き不透明な状況となりました。
また、電子情報通信分野では、デジタル社会進展によりデータセンター向け投資に旺盛な需要が続いておりましたが、9月以降各国の金融引き締めや地政学的リスクによる景気後退の懸念が強まり、データセンター向け投資抑制の影響が発生してまいりました。
当社グループの業績もこのような外部環境の影響を強く受け、売上高は268億13百万円(前年同四半期比14.1%増)となりました。
利益面では、増収及び円安の影響があったものの、鋼材値上げやエネルギー・輸送コストアップにより営業利益は4億71百万円(同1.1%減)、為替差益の発生や受取配当金により経常利益は8億82百万円(同35.6%増)となりました。また、親会社株主に帰属する四半期純利益は5億72百万円(同25.7%増)となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
<日本>
電子情報通信分野でHDD用サスペンションの需要増や円安の影響から、前年同四半期の販売を大きく上回りました。
結果として、セグメント売上高は186億68百万円(前年同四半期比19.0%増)、増収及び円安影響によりセグメント利益は5億円(同225.7%増)となりました。
<北米>
メキシコ子会社、米国子会社の材料関連製品、自動車関連製品ともに、自動車減産の影響を受け回復が鈍化しております。その結果、セグメント売上高は37億56百万円(前年同四半期比7.0%増)となりました。利益面ではセグメント損失は2億33百万円(前年同四半期は26百万円のセグメント利益)となりました。
<アジア>
自動車分野は、自動車減産の影響を受け回復が鈍化しており、通信関連が伸長したものの、プリンター関連が家庭用特需のあった前年同四半期から減少しました。
結果として、セグメント売上高は54億16百万円(前年同四半期比5.5%増)、セグメント利益は6億74百万円(同2.8%増)となりました。
製品区分別の売上業績を示すと、次のとおりであります。
(自動車分野)
[材料関連製品]
材料関連製品は、メキシコ子会社の売上が為替影響により前年同四半期から増加しました。その結果、売上高は35億6百万円(前年同四半期比2.8%増)となりました。
[自動車関連製品]
自動車関連製品は、中国のロックダウン(都市封鎖)や半導体不足等供給制約の継続による自動車生産の減産影響がありましたが、バスバー等電動化関連やLED関連製品等一部の製品で大きく増加し全体としては前年同四半期から増加しました。その結果、売上高は125億47百万円(前年同四半期比2.5%増)となりました。
(電子情報通信分野)
[HDD用サスペンション]
HDD用サスペンションは、データセンター向け投資が旺盛に推移しており高い需要が継続しておりましたが、9月以降各国の金融引き締めや地政学的リスクによる景気後退の懸念が強まり、データセンター向け投資抑制の影響が発生してまいりました。全体としては為替レートが円安となったことも影響し、売上高は78億8百万円(前年同四半期比58.2%増)となりました。
[プリンター関連]
プリンター関連は、新型コロナウイルス感染症の影響によるリモートワークへの移行により家庭用(コンシューマ向け)の需要増加があった前年同四半期から減少し、売上高は18億52百万円(前年同四半期比6.2%減)となりました。
[通信関連]
通信関連は、主な市場である北米・アジアにおける需要回復の影響や新規拡販により、売上高は7億60百万円(前年同四半期比38.2%増)となりました。
(その他製品)
その他製品では開発品の量産移行による製品区分の変更影響があり、売上高は3億38百万円(前年同四半期比14.1%減)となりました。
(2) 財政状態の分析
[資産]
総資産は622億22百万円(前連結会計年度末比42億89百万円増)となりました。これは主に、販売増加に伴い受取手形及び売掛金などの売上債権が13億2百万円、棚卸資産が15億21百万円、HDD用サスペンションの能増投資等により有形固定資産が10億59百万円、関係会社株式の取得等により投資有価証券が11億55百万円増加した一方、消費税の還付等により流動資産のその他に含まれる未収入金が8億34百万円減少したことによります。
[負債]
負債は236億3百万円(前連結会計年度末比28億53百万円増)となりました。これは主に、仕入の増加により支払手形及び買掛金が13億51百万円、流動負債のその他に含まれる設備投資等に係る未払金が5億91百万円増加したほか、短期借入金が7億51百万円増加したことによります。
[純資産]
純資産は386億18百万円(前連結会計年度末比14億36百万円増)となりました。これは主に、利益剰余金が配当により3億34百万円、株価の下落によりその他有価証券評価差額金が4億31百万円減少したものの、親会社株主に帰属する四半期純利益により利益剰余金が5億72百万円、為替変動により為替換算調整勘定が16億44百万円増加したことによります。
(3) キャッシュ・フローの状況
現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ5億63百万円減少し、当第2四半期連結会計期間末には69億47百万円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。
[営業活動によるキャッシュ・フロー]
営業活動によるキャッシュ・フローは、22億13百万円の収入(前年同四半期比70百万円の収入増)となりました。増加要因としては、主に減価償却費(19億63百万円)のほか、税金等調整前四半期純利益(8億97百万円)及び仕入債務の増加額(11億23百万円)があり、減少要因としては、棚卸資産の増加額(8億81百万円)、売上債権の増加額(9億7百万円)、法人税等の支払額(3億36百万円)などがあったことによります。
[投資活動によるキャッシュ・フロー]
投資活動によるキャッシュ・フローは、31億76百万円の支出(前年同四半期比3億8百万円の支出増)となりました。これは主に関係会社株式の取得による支出(17億19百万円)があったほか、固定資産の取得による支出(14億34百万円)があったことによります。
[財務活動によるキャッシュ・フロー]
財務活動によるキャッシュ・フローは、2億70百万円の支出(前年同四半期比2億4百万円の支出減)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出(3億54百万円)及び配当金の支払額(3億33百万円)あったものの、外部借入れによる収入(5億24百万円)があったことによります。
(4) 経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6) 財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当第2四半期連結累計期間において、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針について重要な変更はありません。
(7) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間における当社グループ全体の研究開発費の総額は、5億42百万円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。