【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況当第1四半期連結累計期間におきましては、物価上昇に対処するための各国の中央銀行による利上げや、長引くウクライナ情勢の混迷などが、世界経済の正常化に向けた重しとなりました。欧州では、エネルギー需給逼迫への懸念緩和によるガス価格の下落や、政府による物価高への対策が経済活動を支えました。米国では、良好な雇用情勢が個人消費を下支えしたものの、景気は政策金利引き上げ等の金融政策に左右され不確実性が高まりました。中国では、新型コロナウイルス感染拡大に伴う移動制限措置が緩和され、経済活動の正常化が進みました。日本では、物価高が個人消費の下押し圧力となった一方、ウィズコロナの下、社会情勢が正常化の兆しを見せ、景気は緩やかに持ち直しました。このような環境の下、自転車、釣具への需要は減速感を見せ、当第1四半期連結累計期間における売上高は126,071百万円(前年同期比12.5%減)、営業利益は28,009百万円(前年同期比26.4%減)、経常利益は28,596百万円(前年同期比27.4%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は20,203百万円(前年同期比29.7%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。自転車部品新型コロナウイルス感染拡大前の日常生活への回復が進んだなか、自転車人気の過熱感は一服したものの、長期的なトレンドとして自転車への関心は継続しました。一方で、急速なインフレ高進など景気後退懸念により、完成車の販売は減速感が漂い、需給調整は進んでいるものの市場在庫は総じて高い水準で推移しました。海外市場において、欧州市場では、引き続き自転車に対する関心は高く、完成車の店頭販売はE-BIKEを中心に底堅く推移しました。市場在庫は一部の高級モデルで品薄感があったものの全般的に高い水準で推移しました。北米市場では、販売は弱含みで推移し、市場在庫は高い水準で推移しました。アジア・中南米市場では、自転車への関心は底堅いものの、通貨安・インフレ高進を受けた消費者マインドの冷え込みにより販売はやや低調に推移しました。一方、中国市場では、アウトドアとしてのスポーツサイクリング機運の高まりからロードバイクを中心に販売は好調に推移しました。日本市場においては、円安による完成車価格の高騰などもあり、販売の勢いは鈍り、市場在庫はやや高めに推移しました。このような市況の下、ロードバイク向け高級モデルの新製品「105」や、電動アシストスポーツバイクコンポーネントSHIMANO STEPSシリーズをはじめとする製品を市場へ提供いたしました。この結果、当セグメントの売上高は98,298百万円(前年同期比16.8%減)、営業利益は22,123百万円(前年同期比31.8%減)となりました。
釣具各国において数年ぶりに釣具ショーが開催されるなどウィズコロナの動きが見え始めたものの、世界的な釣りへの関心は落ち着きを見せました。日本市場においては、販売店において在庫調整の動きがあった一方、高価格帯製品の需要は堅調でした。海外市場においては、北米市場の販売は昨年と比べて弱含みで推移しました。欧州市場では、トルコ・シリア大地震の影響はほぼなく、安定した需要に支えられ販売は堅調に推移しました。アジア市場では、釣り文化の浸透につれて釣りへの関心も高まり、販売は好調を維持しました。年始に新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けた中国市場では、2月以降は市場が正常化し、釣行の機運の高まりにも支えられ、販売は好調に推移しました。豪州市場では、需要に陰りが見え始めたものの、良好な釣況も手伝い、販売は堅調に推移しました。このような市況の下、新製品のスピニングリール「VANQUISH」や最高級モデルのルアーロッド「WORLD SHAULA LIMITED」などは市場から高く評価され、多くのご注文をいただきました。この結果、当セグメントの売上高は27,670百万円(前年同期比7.4%増)、営業利益は5,894百万円(前年同期比5.9%増)となりました。
その他当セグメントの売上高は103百万円(前年同期比1.4%減)、営業損失は8百万円(前年同期は営業利益12百万円)となりました。
財政状態は次のとおりであります。当第1四半期連結会計期間末における資産合計は825,410百万円(前連結会計年度比1,003百万円の減少)となりました。これは、商品及び製品が13,232百万円、機械装置及び運搬具が1,038百万円それぞれ増加し、現金及び預金が11,296百万円、仕掛品が2,175百万円、受取手形及び売掛金が1,764百万円それぞれ減少したこと等によるものです。負債合計は72,411百万円(前連結会計年度比12,907百万円の減少)となりました。これは、未払法人税等が9,702百万円、買掛金が1,715百万円それぞれ減少したこと等によるものです。純資産合計は752,998百万円(前連結会計年度比11,903百万円の増加)となりました。これは、為替換算調整勘定が9,443百万円、利益剰余金が7,288百万円、自己株式が4,895百万円それぞれ増加したこと等によるものです。
(2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第1四半期連結累計期間において、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(3) 研究開発活動当第1四半期連結累計期間における当社グループが支出した研究開発費の総額は3,290百万円であります。
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