【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。なお、第1四半期連結会計期間の期首より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。詳細については、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更等)」に記載のとおりであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況当第3四半期連結累計期間におきましては、ウクライナ情勢の影響を受けた資源エネルギーの供給制約や資源価格の上昇により物価が高騰し、各国の中央銀行がインフレの加速を抑制するための大幅な利上げに踏み切る等、世界経済の回復ペースは鈍化しました。欧州では、高インフレやエネルギー供給への懸念から消費者マインドは悪化し、インフレ抑制を目的とした金融引き締めにより景気後退の懸念が強まりました。米国では、物価の上昇が消費者の購買力を下押ししたものの、堅調な雇用環境と賃金上昇が続いたことから、個人消費は堅調に推移しました。中国では、ゼロコロナ政策による行動制限が緩和されたことを受けて、先送りされていた需要が顕在化し、個人消費の持ち直しが見られました。日本では、円安の進行から生活用品の価格が上昇する一方で、政府による新型コロナウイルス(COVID-19)対策の緩和を受けた経済活動の正常化への期待から、個人消費は緩やかな持ち直しを見せ始めました。このような環境の下、自転車、釣具の需要は落ち着きを見せつつも依然として底堅く、当第3四半期連結累計期間における売上高は467,665百万円(前年同期比18.3%増)、営業利益は126,576百万円(前年同期比18.3%増)、経常利益は149,862百万円(前年同期比31.8%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は113,486百万円(前年同期比31.9%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。自転車部品世界的な自転車への高い関心は落ち着きを見せたものの、依然として自転車の需要は新型コロナウイルスの感染拡大前を上回る水準で推移しました。完成車の市場在庫は、底堅い需要が続くハイエンドクラスは低い水準で推移した一方、ミドルクラスは適正な水準に近づき、エントリークラスは高い水準で推移しました。海外市場において、欧州市場では、需要に落ち着きを見せた一部の地域を除き、自転車および自転車関連商品の販売は底堅く推移しました。E-BIKEやハイエンドクラスのロードバイクを中心に品薄感があるものの、市場在庫は適正な水準に近づきました。北米市場では、需要の底堅いハイエンドクラスの市場在庫は低い水準で推移した一方、ミドルクラスの需要は落ち着く傾向にありました。アジア・中南米市場では、自転車への関心が沈静化しましたが、販売が好調な中国市場の市場在庫は低い水準で推移しました。日本市場においては、スポーツ自転車と電動アシストバイクに対する需要は底堅いものの、エントリークラスのロードバイクを除き完成車の市場在庫はやや高めの水準で推移しました。このような市況の下、ロードバイク向け高級モデルの新製品「105」や、電動アシストスポーツバイクコンポーネントSHIMANO STEPSシリーズをはじめ、幅広い製品に対して多くのご注文を頂きました。この結果、当セグメントの売上高は384,654百万円(前年同期比20.6%増)、営業利益は109,119百万円(前年同期比21.6%増)となりました。
釣具世界的に注目を浴びた釣りへの関心は、落ち着きを見せました。日本市場においては、ファミリー層や初心者層向けの普及価格帯製品の動きが沈静化し台風等の影響もあった一方で、中・高価格帯製品の販売は堅調に推移しました。海外市場においては、北米市場では、ソルトウォーター向けの製品において高い需要が維持されたものの、物流の混乱と長引くインフレの下で販売は力強さを欠きました。欧州市場では、英国で物流不安やインフレ高進の影響で市場に停滞感が漂いましたが、東欧圏の一部地域での需要は底堅い動きを見せるなど、販売は堅調に推移しました。アジア市場では、釣具への需要に拡がりを見せる台湾・東南アジア市場や、ゼロコロナ政策の緩和もありロックダウンの影響から回復した中国市場で販売は順調に推移しました。豪州市場では、本格的な釣シーズンに向けて販売は堅調に推移しました。このような市況の下、新製品のスピニングリール「ULTEGRA XTE」、電動リール「BEASTMASTER MD」などが市場から高い評価を受けるとともに、引き続き、スピニングリール「STELLA」なども販売に大きく貢献いたしました。この結果、当セグメントの売上高は82,653百万円(前年同期比9.0%増)、営業利益は17,482百万円(前年同期比1.7%増)となりました。
その他当セグメントの売上高は357百万円(前年同期比8.3%増)、営業損失は24百万円(前年同期は営業利益11百万円)となりました。
財政状態は次のとおりであります。当第3四半期連結会計期間末における資産合計は832,396百万円(前連結会計年度比127,026百万円の増加)となりました。これは、現金及び預金が69,905百万円、商品及び製品が21,929百万円、建物及び構築物が11,877百万円、受取手形及び売掛金が9,930百万円、仕掛品が5,746百万円、投資有価証券が4,393百万円それぞれ増加し、建設仮勘定が9,025百万円減少したこと等によるものです。負債合計は87,617百万円(前連結会計年度比1,102百万円の減少)となりました。これは、流動負債のその他が3,378百万円増加し、未払法人税等が3,605百万円、短期借入金が2,234百万円それぞれ減少したこと等によるものです。純資産合計は744,779百万円(前連結会計年度比128,128百万円の増加)となりました。これは、為替換算調整勘定が71,202百万円、利益剰余金が57,185百万円それぞれ増加したこと等によるものです。
(2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(3) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における当社グループが支出した研究開発費の総額は11,309百万円であります。
#C7309JP #シマノ #輸送用機器セクター