【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間(以下「当期」という。)の国内外の経済は、インフレ率こそ鈍化がみられたものの高い物価水準が続きました。日本を除く主要各国ではインフレ抑制のための金融引締めを進めましたが、累積効果をみるために利上げを停止する動きが出てきました。米連邦準備制度理事会(FRB)は利上げを一旦停止したのち物価動向を見守っています。一方、日本銀行は7月28日にイールドカーブ・コントロールを微修正し、長期金利の上限を1.0%程度まで容認することを決めました。
株式市場では、日経平均株価は金融緩和策の維持を決めたことや海外投資家の日本株買いを追い風に6月には33,772円の年初来高値をつけました。その後は、FRBが政策金利を高い水準で長く維持することにより景気が悪化するとの悲観と、ソフトランディングシナリオに基づく楽観とが交錯したため、ボックス相場となりました。結局、当期は3月末比13.6%高い31,857円で終えております。米国株は、景気への楽観やAI関連株の物色とともに7月にかけて上伸しましたが、8月以降は米長期金利の上昇が嫌気され、景気敏感株、ハイテク株ともに下落しました。当期末のNYダウ平均株価は3月末比ではほぼ横ばいの33,507ドルでした。
外国為替市場では、ドル円相場は日米金利差の拡大や当局の金融政策スタンスの差が明確となったことを手掛かりに円安が進み、当期末は1ドル=149.58円と2022年10月以来の円安水準となりました。対ユーロでも円安が進み、1ユーロ=158.00円で終えております。当期は米国金利の上昇を材料に、とりわけ8月以降のドル高が目立ちました。
債券市場では、日米とも金利が上昇しました。日本の10年国債利回りは7月の日銀金融政策決定会合以降は上昇圧力が強まり、0.765%で終えました。米国では、インフレ抑制のために高金利政策が長引くとの見方が強まり、当期末の米国10年国債利回りは4.577%まで上昇しました。また、米国10年国債利回りの上昇は為替や株式市場にも影響を与えました。
こうした環境の中、当社は、お客さまの多様なニーズにお応えするため、「特色ある旬の商品」の提供に努めました。また、株主資本の効率的運用の観点から、積極的な財務運営も行ってまいりました。
当期の業績につきましては、営業収益40億12百万円(前年同期比181.5%)、純営業収益39億83百万円(同182.5%)、営業利益15億48百万円(前年同期は営業損失2億7百万円)、経常利益20億70百万円(前年同期は経常利益45百万円)、親会社株主に帰属する四半期純利益23億85百万円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純利益1億51百万円)となりました。
当期における収益等の内訳は以下のとおりであります。
① 受入手数料
「受入手数料」は、12億95百万円(前年同期比147.0%)となりました。受入手数料の内訳は以下のとおりであります。
(委託手数料)
株券委託手数料は、7億12百万円(同153.1%)を計上し、これに受益証券(上場投資信託)委託手数料を加えた「委託手数料」は、7億18百万円(同149.1%)となりました。
(引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料)
「引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料」は、7百万円(同131.2%)となりました。
(募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料)
「募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料」は、受益証券(投資信託)の取扱いの増加により、3億91百万円(同151.9%)となりました。
(その他の受入手数料)
主に受益証券(投資信託)の代行手数料からなる「その他の受入手数料」は、1億77百万円(同130.8%)となりました。
② トレーディング損益
株券等トレーディング損益は、20百万円の利益(前年同期は1億75百万円の損失)、債券等トレーディング損益は、20億97百万円の利益(前年同期比246.0%)、為替のデリバティブ取引を中心としたその他のトレーディング損益は、2億61百万円の損失(前年同期は4億21百万円の損失)となりました。この結果、「トレーディング損益」は、18億56百万円の利益(前年同期比726.2%)となりました。
③ 金融収支
金融収益8億41百万円(前年同期比79.1%)から金融費用28百万円(同105.2%)を差し引いた「金融収支」は、8億13百万円(同78.5%)となりました。
④ 販売費・一般管理費
「販売費・一般管理費」は、24億34百万円(前年同期比101.8%)となりました。
⑤ 営業外損益
営業外収益は、受取配当金等合計で7億67百万円(前年同期比172.8%)を、一方、営業外費用は、為替差損等合計で2億46百万円(同128.5%)を計上いたしました。この結果、「営業外損益」は、5億21百万円の利益(同206.5%)となりました。
⑥ 特別損益
特別利益は、投資有価証券売却益等合計で14億81百万円(前年同期比627.7%)を、一方、特別損失は、投資有価証券売却損等合計で1億28百万円(同203.6%)を計上いたしました。この結果、「特別損益」は、13億53百万円の利益(同782.2%)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ15億71百万円減少し、170億76百万円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動の結果得られた資金は、9億97百万円(前年同期は18億25百万円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前四半期純利益(獲得)及びトレーディング商品の増加(使用)によるものであります。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動の結果使用した資金は、28億34百万円(前年同期は16億63百万円の使用)となりました。これは主に、投資有価証券の取得(使用)によるものであります。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動の結果使用した資金は、98百万円(前年同期は87百万円の使用)となりました。これは、主に配当金の支払い(使用)によるものであります。
(3)経営方針・経営戦略等
当期において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等に重要な変更はありません。
(4)対処すべき課題
当期において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
該当事項はありません。
(6)経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通し
当社の連結営業収益は、証券市場に係る受入手数料及びトレーディング損益を柱としており、その大半が株式市場及び債券市場を源泉としております。株式・債券市場の好・不調による業績への影響を緩和するため、収益源の多様化を通じて収益の安定性確保に努めておりますが、それでもなお、業績が証券市場の動向に左右され、大きく変動する可能性があります。また、国内外の金融商品市場の急激な変動により、当社が保有している金融商品の評価損益が多額になる可能性もあります。
一般的に、証券市場や外国為替市場は、内外の政治・経済情勢、金利、企業収益等、様々な要因を反映して変動しますので、当社の連結経営成績についても、証券市場を通じて、それらの要因・情報からの影響を受ける度合いが高いと言えます。
したがいまして、このような環境が当社の連結経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(7)財政状態に関する分析
① 資産
当第2四半期連結会計期間末における流動資産は、513億57百万円となり、前連結会計年度末に比べ37億83百万円増加いたしました。これは主に、現金・預金が11億64百万円、信用取引資産が5億30百万円減少した一方で、トレーディング商品が27億66百万円、預託金が25億26百万円増加したことによるものであります。固定資産は、306億84百万円となり、前連結会計年度末に比べ73億56百万円増加いたしました。これは主に、投資有価証券が72億71百万円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は、820億42百万円となり、前連結会計年度末に比べ111億40百万円増加いたしました。
② 負債
当第2四半期連結会計期間末における流動負債は、276億4百万円となり、前連結会計年度末に比べ60億16百万円増加いたしました。これは主に、預り金が46億89百万円、未払法人税等が9億49百万円、短期借入金が3億80百万円増加したことによるものであります。固定負債は、29億99百万円となり、前連結会計年度末に比べ10億円増加いたしました。
この結果、負債合計は、306億17百万円となり、前連結会計年度末に比べ70億16百万円増加いたしました。
③ 純資産
当第2四半期連結会計期間末における純資産は、その他有価証券評価差額金が22億15百万円、利益剰余金が19億6百万円増加いたしました。
この結果、純資産合計は、514億24百万円となり、前連結会計年度末に比べ41億23百万円増加いたしました。
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