【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間(以下この項目において「当期」という。)の国内外の経済は、一進一退となりました。こうした中、高進したインフレを抑制しようと主要各国中央銀行が大幅利上げを繰り返したことから世界景気が後退するのではとの懸念と、金融引締め局面の終了は遠くないとする楽観とが交錯し、金融市場を揺さぶりました。
株式市場では、日経平均株価は米国の利上げや中国景気への懸念で下落して始まりました。その後は、米連邦準備制度理事会(FRB)高官の発言やインフレ動向をにらみながら上下を繰り返しました。原油価格などの下落基調転換を背景に、FRBが2023年にも利下げに転じるとの期待が広がり、8月17日には29,222円の高値を付けました。しかし、パウエルFRB議長が8月のジャクソンホール会議で早期利下げの見方を否定し、また各国中央銀行が大幅利上げを続けたことから世界の景気後退への警戒が急速に膨らみました。これを受け日経平均株価は下落し当期は25,937円で終えました。当期の前半は金利上昇に脆弱な高PER株を中心に売られましたが、期末にかけてはむしろ景気敏感株の下落が目立ちました。一方、NYダウ平均株価はFRBの利上げが続いたことから軟調に推移し、6月17日には29,653ドルの安値を付けました。その後、2023年にも利下げに転じるとの期待から8月16日には34,281ドルの戻り高値を付けましたが、積極的な利上げを示唆するFRB高官の発言が相次ぎ、当期末は6月の安値を割り込んで28,725ドルとなりました。
外国為替市場では、世界的にドルの独歩高となりました。ドル円相場は日米の金利差拡大や金融政策スタンスの差が明確となったことを手掛かりに円安が進み、当期末は1ドル=144.81円と1990年以来、約30年ぶりの円安水準となりました。なお、円安が投機的かつ急激であるとして9月22日には日本国政府・日本銀行が24年振りの円買いドル売り介入を実施しました。ユーロ円も円安圧力が強く、9月には2014年以来となる1ユーロ=144.49円を付け、当期末は1ユーロ=142.32円で終えました。
債券市場では、日本の10年国債利回りは概ね0.20%から0.25%のレンジ相場で推移し、当期は0.24%で終えました。日本銀行は世界で唯一のマイナス金利とイールドカーブコントロール政策を続けました。対して米国10年国債利回りは期初2.33%でしたがFRBの大幅利上げ継続を受けて9月27日には3.98%まで上昇、3.82%で当期を終えました。
こうした環境の中、当社は、お客さまの多様なニーズにお応えするため、「特色ある旬の商品」の提供に努めました。また、株主資本の効率的運用の観点から、積極的な財務運営も行ってまいりました。
当期の業績につきましては、営業収益22億10百万円(前年同期比62.7%)、純営業収益21億83百万円(同62.4%)、営業損失2億7百万円(前年同期は営業利益10億14百万円)、経常利益45百万円(前年同期比3.4%)、親会社株主に帰属する四半期純利益1億51百万円(同12.2%)となりました。
当期における収益等の内訳は次のとおりであります。
① 受入手数料
「受入手数料」は、8億81百万円(前年同期比92.1%)となりました。受入手数料の内訳は次のとおりであります。
(委託手数料)
株券委託手数料は、4億65百万円(同93.2%)を計上し、これに受益証券(上場投資信託)委託手数料を加えた「委託手数料」は、4億81百万円(同93.7%)となりました。
(引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料)
「引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料」は、6百万円(同50.9%)となりました。
(募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料)
「募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料」は、受益証券(投資信託)の取扱いの減少により、2億57百万円(同84.6%)となりました。
(その他の受入手数料)
主に受益証券(投資信託)の代行手数料からなる「その他の受入手数料」は、1億36百万円(同107.4%)となりました。
② トレーディング損益
株券等トレーディング損益は、1億75百万円の損失(前年同期は15百万円の利益)、債券等トレーディング損益は、8億52百万円の利益(前年同期比45.4%)、為替のデリバティブ取引を中心としたその他のトレーディング損益は、4億21百万円の損失(前年同期は15百万円の損失)となりました。この結果、「トレーディング損益」は、2億55百万円の利益(前年同期比13.6%)となりました。
③ 金融収支
金融収益10億63百万円(前年同期比156.4%)から金融費用26百万円(同114.2%)を差し引いた「金融収支」は、10億36百万円(同157.9%)となりました。
④ 販売費・一般管理費
「販売費・一般管理費」は、23億90百万円(前年同期比96.2%)となりました。
⑤ 営業外損益
営業外収益は、受取配当金等合計で4億44百万円(前年同期比135.1%)を、一方、営業外費用は、為替差損等合計で1億91百万円(前年同期は8百万円)を計上いたしました。この結果、「営業外損益」は、2億52百万円の利益(前年同期比78.8%)となりました。
⑥ 特別損益
特別利益は、投資有価証券売却益で2億36百万円(前年同期比51.9%)を、一方、特別損失は、投資有価証券売却損で63百万円(前年同期は0百万円)を計上いたしました。この結果、「特別損益」は、1億73百万円の利益(前年同期比38.1%)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ9億63百万円増加し、200億62百万円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動の結果得られた資金は、18億25百万円(前年同期は79百万円の使用)となりました。これは主に、トレーディング商品(資産)の減少によるものであります。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動の結果使用した資金は、16億63百万円(前年同期は1億50百万円の獲得)となりました。これは主に、投資有価証券の取得によるものであります。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動の結果使用した資金は、87百万円(前年同期は11億56百万円の使用)となりました。これは、配当金の支払いに伴う減少及び短期借入金の増加によるものであります。
(3)経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等に重要な変更はありません。
(4)対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
該当事項はありません。
(6)経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通し
当社の連結営業収益は、証券市場に係る受入手数料及びトレーディング損益を柱としており、その大半が株式市場及び債券市場を源泉としております。株式・債券市場の好・不調による業績への影響を緩和するため、収益源の多様化を通じて収益の安定性確保に努めておりますが、それでもなお、業績が証券市場の動向に左右され、大きく変動する可能性があります。また、国内外の金融商品市場の急激な変動により、当社が保有している金融商品の評価損益が多額になる可能性もあります。
一般的に、証券市場や外国為替市場は、内外の政治・経済情勢、金利、企業収益等、様々な要因を反映して変動しますので、当社の連結経営成績についても、証券市場を通じて、それらの要因・情報からの影響を受ける度合いが高いと言えます。
したがいまして、このような環境が当社の連結経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(7)財政状態に関する分析
① 資産
当第2四半期連結会計期間末における流動資産は、496億58百万円となり、前連結会計年度末に比べ25億77百万円減少いたしました。これは主に、現金・預金が17億89百万円増加した一方で、トレーディング商品が16億4百万円、預託金が11億62百万円、その他の流動資産が8億15百万円減少したことによるものであります。固定資産は、215億62百万円となり、前連結会計年度末に比べ20億2百万円増加いたしました。これは主に、投資その他の資産における投資有価証券が15億81百万円、その他が4億21百万円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は、712億21百万円となり、前連結会計年度末に比べ5億75百万円減少いたしました。
② 負債
当第2四半期連結会計期間末における流動負債は、232億99百万円となり、前連結会計年度末に比べ3億44百万円減少いたしました。これは主に、短期借入金が5億50百万円増加した一方で、未払法人税等が3億28百万円、預り金が2億95百万円、為替のデリバティブ取引に係るトレーディング商品が2億42百万円減少したことによるものであります。固定負債は、21億21百万円となり、前連結会計年度末に比べ89百万円増加いたしました。これは、その他の固定負債が83百万円増加したことによるものであります。
この結果、負債合計は、254億35百万円となり、前連結会計年度末に比べ2億54百万円減少いたしました。
③ 純資産
当第2四半期連結会計期間末における純資産は、利益剰余金が4億86百万円減少し、その他有価証券評価差額金が1億65百万円増加いたしました。この結果、純資産合計は、457億85百万円となり、前連結会計年度末に比べ3億20百万円減少いたしました。
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