【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の概況
① 財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度おけるわが国経済は、企業収益に回復の兆しが見られたものの、新型コロナウイルス感染症の長期化により、個人消費の回復には遠く及ばす、厳しい状況が続きました。また、2月に発生したウクライナ危機、3月以降の急激な円安により、世界的な原材料や資源価格の高騰も当面続くものと予想され、先行きは依然として不透明な状況となっています。当社グループの主要取引先である外食産業におきましては、新型コロナウイルスのワクチン接種の普及とともに客足は戻りつつあるものの、消費者の動向は慎重であり完全な回復には程遠い状況であります。このような状況のなかで、当社グループの当連結会計年度の売上高は156億2百万円(前年同期比9.1%増)となりました。
利益面では、営業利益3億69百万円(前年同期は16百万円の営業利益)、経常利益4億23百万円(前年同期比330.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1億54百万円(前年同期は37百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
セグメントの業績を示すと次のとおりであります。
(業務用厨房関連事業) 業務用厨房関連事業につきましては、売上高は152億65百万円(前年同期比9.3%増)、営業利益は8億13百万円(前年同期比70.3%増)となりました。
(不動産賃貸事業) 不動産賃貸事業につきましては、売上高は3億36百万円(前年同期比0.5%増)と微増になりましたが、修繕費用等の増加により、営業利益は2億8百万円(前年同期比2.3%減)と減益になりました。
② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は44億37百万円となり、前連結会計年度末より3億47百万円増加しました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によって得られた資金は、5億52百万円となりました。これは主に、税金等調整前純利益3億71百万円、減価償却費2億75百万円及び売上債権の減少額1億47百万円の増加要因と棚卸資産の増加1億35百万円及び仕入債務の減少額58百万円の減少要因が相殺されたものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によって使用した資金は、1億11百万円となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出1億9百万円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によって使用した資金は、92百万円となりました。これは主に、配当金の支払額によるものです。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
生産高(千円)
前年同期比(%)
業務用厨房関連事業
959,676
8.2
(注) 1 金額は製造原価によっております。2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。3 不動産賃貸事業については該当事項はありません。
b.受注実績当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
受注高(千円)
前年同期比(%)
受注残高(千円)
前年同期比(%)
業務用厨房関連事業
15,816,627
4.0
1,489,215
△4.4
(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。2 不動産賃貸事業については該当事項はありません。
c.販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
販売高(千円)
前年同期比(%)
業務用厨房関連事業
15,884,952
4.1
不動産賃貸事業
337,063
0.2
合計
16,222,015
4.0
(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しています。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としています。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。 当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、第5 経理の状況 の連結財務諸表の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に次の重要な会計方針が連結財務諸表における重要な見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。ⅰ) 収益の認識基準当社グループの商品売上高は、出荷基準または検収基準により売上計上しております。売上計上基準の適用は当社の販売管理規程に基づいて決定しております。ⅱ) 貸倒引当金の計上基準当社グループは売上債権等の貸倒損失に備えて回収不能となる見積額を貸倒引当金として計上しております。将来、顧客の財政状況が悪化し支払能力が低下した場合には、引当金の追加計上または貸倒損失が発生する可能性があります。ⅲ) 有価証券の減損処理当社グループは金融機関や販売または仕入に係る取引会社の株式を保有しております。これらの株式は株式市場の価格変動リスクを負っているため、合理的な基準に基づいて有価証券の減損処理を行っており、株式市場が悪化した場合には多額の有価証券評価損を計上する可能性があります。ⅳ) 固定資産の減損処理 当社グループは固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グル ープから得られ割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定にあたっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化ににより、その見積もりの前提とした条件又は仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。ⅴ) 繰延税金資産の回収可能性の評価当社グループは繰延税金資産の回収可能性を評価するに際して将来の課税所得を合理的に見積もっております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するので、その見積額が減少した場合は繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容(経営成績の分析) ⅰ) 売上高当連結会計年度の国内経済は、新型コロナウイルス感染症や物価上昇の影響により景気の停滞感を引きずる状況の中、世界的なウィズコロナへの移行拡大により徐々に制限が緩和されつつあり、経済活動の正常化と景気の持ち直しの兆しが見られはじめました。一方海外では、ロシア・ウクライナ情勢による原材料価格の上昇、米国をはじめとする世界各国の経済・金融政策や為替の動向等による影響から先行きが不透明な状況が継続しております。当社グループの主要取引先である外食産業におきましては、行動制限の緩和により客足の回復傾向が続いているものの、原材料費や光熱費の高騰や継続的な人手不足など引き続き厳しい経営環境となっています。このような状況のなかで、当社グループの当連結会計年度の売上高は162億22百万円(前年同期比4.0%増)となりました。
ⅱ) 売上総利益当連結会計年度の売上総利益は、前連結会計年度に比べ3億54百万円増加し、43億55百万円(前年同期比8.9%増)となりました。ⅲ) 営業利益当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度に比べ3億30百万円増加し、6億99百万円(前年同期比89.3%増)となりました。ⅳ) 経常利益当連結会計年度の経常利益は、営業外収益を75百万円(前年同期比15.4%増)、営業外費用を11百万円(前年同期は11百万円)を計上した結果、前連結会計年度に比べ3億40百万円増加し7億64百万円(前年同期比80.3%増)となりました。ⅴ) 親会社株主に帰属する当期純利益当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、4億は55百万円(前年同期は1億54百万円の親会社に帰属する当期純利益)を計上いたしました。
(財政状態の分析)ⅰ)資産流動資産は、前連結会計年度末に比べて1.5%増加し、87億67百万円となりました。これは主に受取手形及び売掛金3億70百万円及び商品63百万円の増加と現金及び預金3億56百万円の減少が相殺されたものです。固定資産は、前連結会計年度末に比べて4.5%増加し、84億78百万円となりました。これは主に、投資有価証券2億49百万円及びソフトウエア仮勘定2億44百万円の増加と繰延税金資産96百万円の減少が相殺されたものです。ⅱ)負債流動負債は、前連結会計年度末に比べて5.0%増加し、68億33百万円となりました。これは主に、支払手形及び買掛金1億76百万円及び流動負債その他の前受金1億40百万円の増加によるものです。 固定負債は前連結会計年度末と比べて21.0%減少し、10億51百万円となりました。これは主に役員退職慰労引当金2億30百万円及び長期未払金45百万円の減少によるものです。ⅲ)純資産純資産は、前連結会計年度末に比べて5.1%増加し、93億60百万円となりました。これは主に、利益剰余金3億62百万円及びその他有価証券評価差額金93百万円の増加によるものです。
(キャッシュ・フローの状況)当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の概況 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(経営成績に重要な影響を与える要因) 「第2 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(資本の財源、資金の流動性)ⅰ) 資金需要当社グループの資金需要は、運転資金としましては、商品等の仕入れに係る費用等があり、設備資金としましては、当連結会計年度に実施いたしました設備投資額は4億36百万円であり、札幌支店事務所土地の取得、新基幹システム構築に係るライセンス取得、開発費用及び事務機器の購入及び車両運搬具の更新等によるものです。ⅱ) 財務政策当社グループは、現在及び将来の事業活動のために適切な水準の流動性維持及び、効率的な資金の確保を最優先としております。これに従い、営業活動によるキャッシュ・フローの確保に努めると共に、自己資金を効率的に活用しております。また、資金不足が生じた場合に備え、複数の金融機関より融資枠を確保しており、当社グループの今後の事業活動において必要な運転資金及び設備資金を確保することは可能であると考えております。