【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
①経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症における行動制限の撤廃や、海外からの入国規制の緩和、政府による経済対策の効果、緩和的な金融環境に支えられ、緩やかに持ち直しました。一方で、少子高齢化による労働人口の減少、財政赤字の拡大、円安による輸入物価の上昇など、構造的な社会問題が多く残されており、今後の景気拡大については予断を許さない状況が続いております。世界経済におきましては、ロシアのウクライナ侵攻によるエネルギー価格の上昇やサプライチェーンの混乱、中国の経済成長の鈍化、世界的なインフレーション、金利の上昇、地政学的リスクの高まりなど、先行き不透明な状態が続いております。
当社グループの属するエレクトロニクス業界におきましては、昨年後半からの世界の半導体市場の急減速が報じられておりますが、スマートフォンやパソコン向けのメモリーや最先端品などが主要因となっており、当社グループが主に取扱いをしている自動車、民生品、産業機器向け半導体・デバイスについては、先行き不透明感はあるものの、当第1四半期連結累計期間においては底堅い需要を保ちました。システム開発業界におきましては、コロナ禍の影響の収束に伴い、活動が活発化し、当社グループにおいては受託開発事業及び建設・ビジネス系ITソリューションの売上が順調に推移いたしました。
以上の結果、当第1四半期連結累計期間における売上高は156億2千2百万円(前年同期比9.2%増)、営業利益は3億3千6百万円(前年同期比2.5%増)、経常利益は4億3千9百万円(前年同期比17.0%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は投資有価証券に係る売却益を6千9百万円計上したことにより3億6千2百万円(前年同期比169.6%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(半導体デバイス事業)
当事業におきましては、主にエアコン・産業機器向けのパワー半導体・デバイスの売上が堅調に推移いたしました。産業別では、自動車・白物家電は需要の拡大が見られましたが、工作機械・スマートフォン関連は減速傾向となりました。
これらの結果、同事業の当第1四半期連結累計期間の売上高は102億9千8百万円(前年同期比5.7%増)、営業利益は5億2千6百万円(前年同期比11.8%減)となりました。
(プリント配線板事業)
当事業におきましては、中国メーカーと連携して行っている海外基板ビジネスの好調により売上が増加した一方で、撤退を発表した自社国内製造品の生産量減少に伴う工場稼働率低下により、損失が拡大しました。
これらの結果、同事業の当第1四半期連結累計期間の売上高は17億9千8百万円(前年同期比12.5%増)、営業損失は3千万円(前年同期は2千1百万円の損失)となりました。
(産業機器システム事業)
当事業におきましては、半導体市況の落ち込みに伴う需要減速感は漂いましたが、当第1四半期連結累計期間においては当社グループの売上への顕著な影響は見られず、半導体系主要顧客への加工機・FA機器の販売が堅調に推移いたしました。3Dプリンタにつきましては、注力している医療系については苦戦を強いられましたが、前年同期比で売上・利益が拡大しました。空調冷熱機器は堅調に推移いたしました。物流倉庫向け制御装置は客先での設備投資が抑制されており、低調に推移いたしました。
これらの結果、同事業の当第1四半期連結累計期間の売上高は25億6千3百万円(前年同期比13.8%増)、営業利益は2億2千万円(前年同期比39.2%増)となりました。
(システム開発事業)
当事業におきましては、電力関連受託開発及び建設・ビジネス系ITソリューションが好調に推移いたしました。一方で、タクシー向けITソリューションでは、受注済みの大型案件へ社内リソースを集中させたことにより、売上が減少しました。
これらの結果、同事業の当第1四半期連結累計期間の売上高は7億7千9百万円(前年同期比41.1%増)、営業損失は4千3百万円(前年同期は5千9百万円の損失)となりました。
(その他)
協栄マリンテクノロジ株式会社が行う、救命設備の販売・整備事業は、船舶・航空機用救命具の整備受注が好調に推移するとともに、救命設備の販売も堅調に推移いたしました。
これらの結果、同事業の当第1四半期連結累計期間の売上高は1億8千2百万円(前年同期比16.6%増)、営業利益は3千9百万円(前年同期比106.7%増)となりました。
②財政状態の状況
当第1四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べて11億2千万円増加し、385億2千9百万円となりました。
・流動資産は、受取手形及び売掛金9億9千6百万円の増加、商品及び製品3億5千1百万円の減少等により、5億3千9百万円増加し、312億6千4百万円となりました。
・固定資産は、投資有価証券6億2百万円の増加等により、5億8千1百万円増加し、72億6千4百万円となりました。
・流動負債は、支払手形及び買掛金7億9千2百万円の増加、賞与引当金5億5千7百万円の減少等により、3億1千9百万円増加し、164億1千7百万円となりました。
・固定負債は、長期借入金3億1千6百万円の減少、繰延税金負債3億3百万円の増加等により、3千1百万円減少し、60億4百万円となりました。
この結果、純資産は、8億3千2百万円増加し、161億7百万円となり、自己資本比率は前連結会計年度末の40.8%から1.0ポイント増加し、41.8%となりました。
(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(3)経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当社グループにおける当第1四半期連結累計期間の研究開発費の総額は、3百万円であります。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6)生産、受注及び販売の実績
当第1四半期連結累計期間において、プリント配線板事業及びシステム開発事業の受注実績が著しく増加しております。
プリント配線板事業は、プリント配線板製造子会社の協栄サーキットテクノロジ株式会社が2024年9月をもって生産活動を終了するため、終了までのオーダーが一時的に増加していること等によるもので、受注高が7億8千7百万円(前年同期比38.6%増)、生産高が15億4千7百万円(前年同期比2.7%増)となっております。
システム開発事業は、大型開発を受注したこと等によるもので、受注高が13億1千5百万円(前年同期比36.1%増)、生産高が10億2千7百万円(前年同期比0.9%増)となっております。
また、当第1四半期連結累計期間において、システム開発事業の販売実績が著しく増加しております。詳細については、「(1)財政状態及び経営成績の状況 ①経営成績の状況」をご参照ください。