【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の経済情勢は、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により停滞・混乱を余儀なくされました。段階的な経済活動の再開やワクチン接種開始により企業の生産活動や個人消費が徐々に持ち直し、全体として景気は緩やかな回復基調に転じましたが、変異ウイルスの蔓延による感染再拡大等、先行き不透明な状況が続いております。
当社グループが属する自動車業界におきましては、感染拡大を受けて世界各地で自動車生産が一時休止となるなど生産・販売ともに落ち込みましたが、中国で正常化がいち早く進み、その他の地域も夏場以降回復基調で推移しました。
このような状況のもと当社グループは、社員・関係者の感染拡大防止に向けた各種の取組みを行うとともに、受注変動に合わせた生産体制の見直しや経費の圧縮等、収益改善に取り組んでおります。
当連結会計年度(当社は2020年4月1日~2021年3月31日、海外子会社は2020年1月1日~2020年12月31日)の業績につきましては、第2四半期までコロナ禍による減産の影響を大きく受けましたが、第3四半期以降中国・北米が先行して回復、日本国内も回復基調となりました。年度終盤で半導体不足や地震等による生産調整もあり、売上高は18,311百万円(前連結会計年度比18.1%減)となりました。
損益面は、通期では営業損失515百万円(前連結会計年度は営業利益163百万円)となりましたが、材料費や光熱費の低減など原価低減の強化と組織・体制の見直しを含む固定費の圧縮に徹底して取組み、下半期6ヶ月間では68百万円の営業黒字となりました。経常損失は525百万円(前連結会計年度は経常利益109百万円)となりました。
当社グループが生産拠点を有する日本、中国、タイ、米国の4ヶ国の中でタイについては自動車生産がコロナ前の水準に戻るまで暫く時間を要する見通しであることから、連結子会社MEIWA INDUSTRY(THAILAND) CO., LTD.の固定資産に関して減損損失338百万円を計上したこと等により、親会社株主に帰属する当期純損失は1,028百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純利益268百万円)となりました。なお、当社グループにとってタイは今後も重要な拠点の一つであり、グループ間連携を強化して受注拡大に注力してまいります。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
自動車部品
上記の通り第2四半期まではコロナ禍による減産の影響が大きく、売上高16,943百万円(前連結会計年度比17.6%減)、セグメント損失505百万円(前連結会計年度はセグメント利益102百万円)となりました。なお、下半期6ヶ月間でみると売上高9,792百万円、セグメント利益49百万円と黒字化しております。
住宅
住宅セグメントにおいてもコロナ禍による減産の影響を受け、売上高1,352百万円(前連結会計年度比23.9%減)、セグメント損失12百万円(前連結会計年度はセグメント利益58百万円)となりました。第3四半期以降は住設資材分野を中心に需要が上向き、下半期6ヶ月間では売上高756百万円、セグメント利益17百万円となりました。
その他
売上高は15百万円(前連結会計年度比3.7%減)、セグメント利益は2百万円(前連結会計年度比6.9%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、3,294百万円(前連結会計年度比7.7%減)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、446百万円の収入(前連結会計年度比75.4%減)となりました。これは税金等調整前当期純損失が942百万円となったものの、現金の支出を伴わない減価償却費1,230百万円やタイ子会社の減損損失338百万円等が計上されていること等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、1,253百万円の支出(前連結会計年度は693百万円の支出)となりました。これは主に生産設備や型治具等、有形固定資産の取得による支出が1,370百万円あったこと等によるものです。なお、投資有価証券の売却による収入が前連結会計年度対比600百万円減少しております。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、555百万円の収入(前連結会計年度は371百万円の支出)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出が475百万円、リース債務の返済による支出が105百万円あった一方、国内外の資金調達として、短期借入金の増加が1,193百万円、長期借入れによる収入が100百万円あったこと等によるものです。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
前期比(%)
自動車部品(千円)
15,466,361
△17.5
住宅(千円)
631,660
△10.8
その他(千円)
15,931
1.8
合計(千円)
16,113,952
△17.2
(注)1 金額は、販売価格によっており、購入製品は含まれておりません。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
受注高(千円)
前期比(%)
受注残高(千円)
前期比(%)
自動車部品
17,090,167
△15.3
1,427,590
11.4
住宅
1,368,446
△22.4
64,925
33.3
その他
15,224
△4.7
270
△46.9
合計
18,473,838
△15.9
1,492,787
12.2
(注)1 金額は、販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
前期比(%)
自動車部品(千円)
16,943,682
△17.6
住宅(千円)
1,352,211
△23.9
その他(千円)
15,463
△3.7
合計(千円)
18,311,358
△18.1
(注)1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
相手先
前連結会計年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
金額(千円)
割合(%)
金額(千円)
割合(%)
トヨタ紡織株式会社
3,720,742
16.6
3,073,474
16.8
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。また、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」をご参照ください。
②財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度末における総資産は21,991百万円(前連結会計年度末比891百万円減)となりました。
このうち流動資産は10,530百万円(前連結会計年度末比573百万円減)となりました。これは主に、前連結会計年度末に比べ、コロナ禍による売上減少等により現金及び預金が273百万円、受取手形及び売掛金が227百万円それぞれ減少したこと等によるものです。
固定資産は11,460百万円(前連結会計年度末比317百万円減)となりました。これは主に、前連結会計年度末に比べ、受注製品の設備・型投資等により建設仮勘定が327百万円、株式市況の回復により投資有価証券が278百万円それぞれ増加した一方で、固定資産の減損損失計上等により機械装置及び運搬具が364百万円、建物及び構築物が199百万円、工具、器具及び備品が138百万円それぞれ減少したこと等によるものです。
当連結会計年度末における負債合計は11,791百万円(前連結会計年度末比62百万円増)となりました。
このうち流動負債は7,574百万円(前連結会計年度末比665百万円増)となりました。これは主に、前連結会計年度末に比べ、支払手形及び買掛金が350百万円減少した一方で、短期借入金が1,198百万円増加したこと等によるものです。
固定負債は4,216百万円(前連結会計年度末比602百万円減)となりました。これは主に、前連結会計年度末に比べ、金融機関等への約定返済により長期借入金が442百万円、長期未払金が86百万円それぞれ減少したこと等によるものです。
当連結会計年度末における純資産は10,199百万円(前連結会計年度末比954百万円減)となりました。これは主に、前連結会計年度末に比べ、その他有価証券評価差額金が244百万円増加した一方で、利益剰余金が1,116百万円減少したこと等によるものです。この結果、自己資本比率は前連結会計年度末に比べて2.3ポイント減少し、46.4%となりました。また、1株当たり純資産は前連結会計年度末に比べて272円31銭減少し、2,914円25銭となりました。
③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(キャッシュ・フロー)
「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
(資金の財源及び資金の流動性)
当社グループの資金需要は、営業活動については、部品メーカーとして生産に必要な運転資金(材料・外注費及び人件費等)、投資活動については、受注品生産のための生産設備及び型治具の取得の他、生産性向上を目的とした設備投資及び海外での事業基盤強化や財政基盤強化に向けた投資が主な内容であります。これらの運転資金・設備投資については、主として営業活動によるキャッシュ・フローで得た資金を投入し、不足分については主に借入金で調達する他、リース等も活用して調達手段の多様化を図っております。
なお、新型コロナウィルス感染症の影響等により資金需要が増加した場合に備えるため、既存のコミットメントライン契約20億円に加え、取引金融機関と総額20億円のコミットメントライン契約を締結しております。
④経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
中期経営計画「RD365」では、2020年3月期から2022年3月期までの3年間で、これまで取り組んできたグローバル化の成果を国内外で利益として実現させることを目指しております。内外連携を強化して自動車部品事業・住宅事業ともに市場開拓に取り組むとともに、持続的な成長に向けて新技術開発を加速させます。
数値目標として、最終年度の2022年3月期、親会社株主に帰属する当期純利益6億円、ROE5%以上を目指して取り組んでおります。
「RD365」2年目の2021年3月期の実績としましては、新型コロナウイルス感染症による減産の影響を大きく受けたことや、タイの連結子会社の固定資産に関して減損損失を計上したこと等により、親会社株主に帰属する当期純損失1,028百万円という結果となりました。
当期は新型コロナウイルス影響による売上の減少に対し、全社横断的なプロジェクトを組んで原価低減、固定費圧縮の施策を積上げて収益力強化に取り組んでまいりました。今後、これらの施策を確実に実施してコロナ影響の挽回、収益改善に最大限注力いたします。
⑤重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っております。なお、当社グループの連結財務諸表で採用されている重要な会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」及び「第5 経理の状況 2 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
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