【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、消費増税や自然災害の影響等を背景に景気は足踏み状態となり、海外においても米中貿易摩擦の激化や英国のEU離脱問題等先行き不透明な状況が続きました。加えて新型コロナウィルスの感染拡大により、わが国を含む世界各国の経済は深刻な打撃を受けております。 当社グループが属する自動車業界におきましては、国内の新車販売が前年割れとなり、米国や中国でも前年を下回る状況となっております。 このような状況のもと当社グループは、中期経営計画RD365に基づき、グローバル各拠点の収益力強化と内外連携による市場開拓、持続的な成長に向けた新技術開発に取り組んでおります。
当連結会計年度の業績につきましては、売上高は海外は増加したものの国内で下半期に一部車種の生産延期や新型コロナウィルスの影響等があり22,361百万円(前連結会計年度比2.7%増)となりました。営業利益は生産工程の効率化や原材料費の合理化等に取組みましたが国内の減収影響を挽回するには至らず163百万円(前連結会計年度比50.7%減)、経常利益は109百万円(前年度会計年度比67.7%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、投資有価証券売却益を計上する一方、法人税等調整額254百万円を計上し268百万円(前連結会計年度比10.6%減)となりました。
なお、当社グループは、当社は3月決算、海外子会社は12月決算であります。新型コロナウィルス感染症の影響が本格化し始めた時期は、中国では2020年2月以降、日本を含め世界的には2020年3月以降のため、当連結会計年度における新型コロナウィルス感染症による売上高減少等の業績影響があった期間は、当社(日本)における2020年3月1ヶ月間であります。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
自動車部品
売上高は、北米を中心に海外売上が増加した一方、国内売上は下半期の自動車の生産調整や新型コロナウィルス影響等により減少し20,569百万円となりました。セグメント利益は、海外売上増加に伴う費用増もあり、全体として国内売上の減少をカバーするには至らず102百万円となりました。
住宅
住設資材分野を中心に堅調に推移し、売上高は1,776百万円、セグメント利益は58百万円となりました。
その他
売上高は16百万円、セグメント利益は2百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、3,568百万円(前連結会計年度比25.9%増)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、1,812百万円の収入(前連結会計年度比86.9%増)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益644百万円、減価償却費1,292百万円をそれぞれ計上し、売上債権の減少が518百万円あった一方で、仕入債務の減少が229百万円あったこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、693百万円の支出(前連結会計年度は1,903百万円の支出)となりました。これは主に投資有価証券の売却による収入が679百万円あった一方、有形固定資産の取得による支出が1,336百万円あったこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、371百万円の支出(前連結会計年度は88百万円の収入)となりました。これは主に長期借入れによる収入が1,500百万円あった一方、短期借入金の減少が976百万円、長期借入金の返済による支出が523百万円、配当金の支払額が174百万円、リース債務の返済による支出が100百万円あったこと等によるものです。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
当連結会計年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
前期比(%)
自動車部品(千円)
18,746,443
2.8
住宅(千円)
707,901
6.8
その他(千円)
15,651
△21.8
合計(千円)
19,469,995
2.9
(注)1 金額は、販売価格によっており、購入製品は含まれておりません。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
受注高(千円)
前期比(%)
受注残高(千円)
前期比(%)
自動車部品
20,184,555
△0.4
1,281,105
△23.1
住宅
1,762,520
3.2
48,690
△22.0
その他
15,967
△19.1
510
△15.2
合計
21,963,043
△0.2
1,330,306
△23.1
(注)1 金額は、販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
当連結会計年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
前期比(%)
自動車部品(千円)
20,569,284
2.6
住宅(千円)
1,776,258
4.5
その他(千円)
16,058
△19.7
合計(千円)
22,361,600
2.7
(注)1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
相手先
前連結会計年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
当連結会計年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
金額(千円)
割合(%)
金額(千円)
割合(%)
トヨタ紡織株式会社
4,697,606
21.6
3,720,742
16.6
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。また、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」をご参照ください。
②財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度末における総資産は22,882百万円(前連結会計年度末比359百万円減)となりました。
このうち流動資産は11,104百万円(前連結会計年度末比285百万円増)となりました。これは主に、前連結会計年度末に比べ、受取手形及び売掛金が392百万円、電子記録債権が142百万円それぞれ減少した一方で、現金及び預金が734百万円増加したこと等によるものです。
固定資産は11,778百万円(前連結会計年度末比645百万円減)となりました。これは主に、前連結会計年度末に比べ、機械装置及び運搬具が126百万円増加した一方で、繰延税金資産が261百万円、投資有価証券が176百万円、建設仮勘定が138百万円、建物および構築物が108百万円それぞれ減少したこと等によるものです。
当連結会計年度末における負債合計は11,728百万円(前連結会計年度末比346百万円減)となりました。
このうち流動負債は6,909百万円(前連結会計年度末比1,207百万円減)となりました。これは主に、前連結会計年度末に比べ、短期借入金が986百万円、支払手形及び買掛金が210百万円それぞれ減少したこと等によるものです。
固定負債は4,819百万円(前連結会計年度末比860百万円増)となりました。これは主に、前連結会計年度末に比べ、リース債務が90百万円、長期未払金が73百万円それぞれ減少した一方で、長期借入金が1,006百万円増加したこと等によるものです。
当連結会計年度末における純資産は11,153百万円(前連結会計年度末比12百万円減)となりました。これは主に、前連結会計年度末に比べ、利益剰余金が93百万円増加した一方で、その他有価証券評価差額金が89百万円減少したこと等によるものです。この結果、自己資本比率は前連結会計年度末に比べて0.7ポイント増加し、48.7%となりました。また、1株当たり純資産は前連結会計年度末に比べて3円32銭減少し、3,186円56銭となりました。
③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(キャッシュ・フロー)
「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
(資金の財源及び資金の流動性)
当社グループの資金需要は、営業活動については、生産活動に必要な運転資金(材料・外注費及び人件費等)、投資活動については、受注品生産のための生産設備及び型治具の取得の他、生産性向上を目的とした設備投資及び海外での事業基盤強化や財政基盤強化に向けた投資が主な内容であります。これらの運転資金・設備投資については、営業活動によるキャッシュ・フローで得た資金を投入し、また不足分については借入金として調達しております。
当連結会計年度の設備投資額は1,384百万円であります。翌連結会計年度の設備投資及びその資金の調達源についても上記同様であり、主な内容については、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」をご参照ください。
なお、新型コロナウィルス感染症拡大の影響により資金需要が増加した場合に備えるため、既存のコミットメントライン契約20億円に加え、2020年6月、取引金融機関と総額20億円の新たなコミットメントライン契約を締結しております。
④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っております。なお、当社グループの連結財務諸表で採用されている重要な会計上の見積りは、以下のとおりです。
(ア)固定資産の減損
減損損失を認識するかどうかの判定及び使用価値の算定において用いられる将来キャッシュ・フローは、経営環境などの外部要因に関する情報や当社グループが用いている内部の情報等に基づき、資産グループの現在の使用状況や合理的な使用計画等を考慮し見積っております。当該見積りには、売上高に影響する地域ごとの市場規模や受注見込等の仮定を用いております。また、新型コロナウィルス感染症の収束時期等についても一定の仮定を置いております。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において追加の減損損失(特別損失)が発生する可能性があります。また、これに伴い財務諸表に計上されている関係会社株式及び関係会社出資金の評価減の処理が必要となる可能性があります。
(イ)繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産の回収可能性は、将来の税金負担額を軽減する効果を有するかどうかで判断しております。当該判断は、収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性、タックス・プランニングに基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性及び将来加算一時差異の十分性のいずれかを満たしているかどうかにより判断しております。収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性を判断するにあたっては、一時差異等の解消見込年度及び繰戻・繰越期間における課税所得を見積っております。課税所得は、経営環境等の外部要因に関する情報や当社グループが用いている内部の情報に基づき見積っております。当該見積りには、売上高に影響する地域ごとの市場規模や受注見込等の仮定を用いております。また、新型コロナウィルス感染症の収束時期等についても一定の仮定を置いております。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に重要な影響を与える可能性があります。
なお、新型コロナウィルス感染症拡大に伴う会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載しております。
⑤経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、グローバル市場で存在感のある内装部品サプライヤーを目指し、前中期経営計画で、日本、中国、北米、ASEANという自動車生産の盛んないわゆる「四極」での生産拠点を整備、グローバルで自動車部品を供給する体制が整いました。
現在の中期経営計画「RD365」では、2020年3月期から2022年3月期までの3年間でグローバル化の成果を国内外で利益として実現させることを目指しております。内外連携を強化して自動車部品事業・住宅事業ともに市場開拓に取り組むとともに、持続的な成長に向けて新技術開発を加速させます。
数値目標として、最終年度の2022年3月期、親会社株主に帰属する当期純利益6億円、ROE5%以上を目指して取り組んでおります。
なお、「RD365」初年度の2020年3月期の実績としましては、国内で下半期に消費増税に加えて一部車種の生産延期や新型コロナウィルス感染症による減産の影響を受けたこと等を主因として、親会社株主に帰属する当期純利益268百万円、ROE2.4%という結果となりました。
引き続き、当該指標の改善に取り組んでいく所存ではありますが、新型コロナウィルス感染症の拡大により、事業環境が大きく変化しております。現時点で感染症拡大影響による需要減少の収束時期の見通しが立っていないことから、今後計画を見直しすることを含め検討する可能性があります。
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