【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
当第1四半期連結累計期間における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態及び経営成績の状況の概要は次のとおりであります。なお、会計方針の変更として、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当第1四半期連結会計期間の期首から適用しております。このため、前年同期比較は基準の異なる算定方法に基づいた数値を用いております。詳細につきましては、「第4 経理の状況 1四半期連結財務諸表
注記事項
(会計方針の変更)」をご確認ください。
(1)経営成績の状況の概要当第1四半期連結累計期間(2021年4月~2021年6月)における当社グループを取りまく経営環境は、新型コロナウイルス感染再拡大や半導体不足等の懸念があるものの、回復が進んでいます。建設機械業界において、昨年度後半から急回復した需要は、引き続き好調を維持しています。また自動車業界において、大幅に減少した新車販売は、半導体不足の影響があるものの、中国をはじめ北米や国内等で回復しています。 このような状況下、当第1四半期連結累計期間の売上高は、新型コロナウイルスの影響を大きく受けた前年同期からの反動増により、前年同期比104億8百万円(48.7%)増収の317億8千6百万円となりました。営業利益は、売上げの回復及び生産数量増によるコスト低減に加え、前期に実施した固定費削減効果もあり、前年同期比29億4千3百万円増益の15億9千6百万円(前年同期は営業損失13億4千6百万円)となりました。また、親会社株主に帰属する四半期純利益は、33億3千3百万円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純損失19億9千8百万円)となりました。 セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
特殊鋼鋼材事業につきましては、新型コロナウイルスの影響からの回復に加え、昨年度後半からの建設機械及び産業機械・工作機械メーカーの需要増もあり、売上高は、前年同期比68億1千9百万円(59.9%)増収の182億1千4百万円となりました。営業利益は、国内外ともに原材料価格上昇の売価反映タイムラグによるマイナス要因があるものの、国内事業は、昨年の高炉改修に伴う一過性費用の解消に加え、売上数量増及びそれに伴う増量によるコスト改善効果もあり、大幅な増益となりました。インドネシア海外事業では、売上数量増と製造コスト及び固定費削減により、増益となりました。特殊鋼鋼材事業全体としては、前年同期比18億7千6百万円増益の13億9千1百万円(前年同期は営業損失4億8千4百万円)となりました。
ばね事業につきましては、自動車向けについて、足元では世界的な半導体不足による主要顧客の生産減の影響があるものの、新型コロナウイルスの影響からの回復により、需要は増加しました。また、建設機械向けについても、需要増となったことにより、売上高は、前年同期比45億7百万円(71.3%)増収の108億2千7百万円となりました。営業利益は、自動車及び建設機械向けの需要回復による売上数量増があったものの、半導体不足影響による減産及び原材料価格の上昇と、北米における材料調達に関わる一時的な空輸コストの発生により、前年同期比8億3千9百万円の損失改善に留まり、2億1千9百万円の損失(前年同期は営業損失10億5千9百万円)となりました。
素形材事業につきましては、新型コロナウイルスの影響からの回復による需要増に加え、特殊合金粉末及び精密鋳造品の新規受注品による売上増等により、売上高は、前年同期比4億7千2百万円(22.0%)増収の26億2千4百万円となりました。営業利益は、売上数量増に加え、生産数量増加による操業改善により、前年同期比3億2千6百万円増益の2億9千8百万円(前年同期は営業損失2千7百万円)となりました。
機器装置事業につきましては、受注から売上げを計上するまでの期間が比較的長いため、前第1四半期の売上げでは新型コロナウイルスの影響は軽微となりました。しかしながら、当第1四半期は、昨年度の商談遅延の影響を受けたことに加え、海洋機器関連製品等の売上減もあり、売上高は、前年同期比3億2千8百万円(14.3%)減収の19億6千8百万円となりました。営業利益は、売上高の減少により、前年同期比9千5百万円(44.4%)減益の1億1千8百万円となりました。
その他の事業につきましては、流通及びサービス業等でありますが、売上高は、前年同期比3億8千5百万円(59.5%)増収の10億3千2百万円、営業利益は、前年同期比1千5百万円(88.1%)増益の3千3百万円となりました。
(2)財政状態当第1四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べ2億2千2百万円減少し、1,320億9千7百万円となりました。これは売上増による債権増や生産増による棚卸資産が増加した一方で、政策保有株式売却により投資有価証券が減少したことによるものであります。当第1四半期連結会計期間末の負債総額は、前連結会計年度末に比べて15億7千3百万円減少し、858億5千3百万円となりました。これは仕入債務及び未払消費税等が減少したことによるものであります。当第1四半期連結会計期間末の純資産は、前連結会計年度末に比べて13億5千万円増加し、462億4千4百万円となりました。これは主に売上増により増益となったことで利益剰余金が増加したことによるものであります。
(3)研究開発活動当第1四半期連結累計期間の研究開発費の総額は2億7千7百万円であります。なお、当第1四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(4)生産、受注及び販売の状況当第1四半期連結累計期間における生産実績及び販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。① 生産実績
セグメントの名称
生産高(百万円)
前年同期比(%)
特殊鋼鋼材事業
14,525
48.4
ばね事業
7,986
58.6
素形材事業
2,728
74.6
機器装置事業
1,983
△ 15.8
合計
27,223
45.3
(注)金額は販売価格によっております。
② 販売実績
セグメントの名称
販売高(百万円)
前年同期比(%)
特殊鋼鋼材事業
18,214
―
ばね事業
10,827
―
素形材事業
2,624
―
機器装置事業
1,968
―
その他の事業
1,032
―
調整額
(△2,881)
―
合計
31,786
―
(注)「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号2020年3月31日)等を当第1四半期連結会計期間の期首から適用しており、2022年3月期第1四半期に係る各数値については、当該会計基準等を適用した後の数値となっており、対前年同四半期増減率は記載しておりません。
(5)資本の財源及び資金の流動性① 資金需要当社グループの資金需要のうち主なものは、製品製造のための材料や部品の購入、及び設備投資によるものであります。
② 財務政策当社グループは、設備投資を厳選して実施することで財務の健全性を保ちながら、営業活動によるキャッシュ・フロー収入を基本に、将来必要な運転資金及び設備資金を調達していく考えであります。