【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しております。詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」に記載しております。
①財政状態及び経営成績の状況
1)財政状態
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は7,136百万円となり、前連結会計年度末に比べ174百万円減少いたしました。これは主に有価証券が300百万円減少、商品及び製品が249百万円増加したことによるものです。固定資産は3,176百万円となり、前連結会計年度末に比べ415百万円増加いたしました。これは主に投資有価証券が436百万円増加したことによるものです。
この結果、総資産は前連結会計年度末の10,072百万円から240百万円増加して10,313百万円となりました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は1,038百万円となり、前連結会計年度末に比べ55百万円減少いたしました。これは主に未払法人税等が48百万円減少したことによるものです。固定負債は656百万円となり、1百万円減少いたしました。
この結果、負債合計は1,695百万円となり、前連結会計年度末に比べ57百万円減少いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は8,617百万円となり、前連結会計年度末に比べ298百万円増加いたしました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益517百万円及び剰余金の配当232百万円の増減によるものであります。
この結果、自己資本比率は78.1%(前連結会計年度末は77.3%)となりました。
2)経営成績
当連結会計年度における世界経済は、新型コロナウイルス感染症に対するワクチン接種の普及や行動制限の緩和により段階的に経済活動が再開されていますが、ロシアによるウクライナ侵攻に端を発した原油や天然ガス、食糧等の世界的な流通の不均衡に伴う価格上昇等により、回復基調に水を差す結果となって、先行きに一段と不透明感が増しております。当社グループ関連の、ライフサイエンスの基礎研究分野市場の動向は、大学・公的研究機関において堅調に予算執行がなされているものの、依然として市場環境は厳しいものと捉えております。また、同業他社との競争は販売価格面で厳しい状況が続いております。
このような状況下、当社グループにおきましては、3ケ年計画の最終年度として、「生命科学の研究者に信頼される事業価値を高める」というビジョンのもと、新型コロナウイルス感染症対策をとるとともに、ライフサイエンス領域の研究開発に資する多様な自社製品・商品・サービスの提供と、在庫の適正化及び迅速出荷に取り組んでまいりました。当連結会計年度の連結売上高は9,553百万円(前年同期比3.5%増)となり、連結売上総利益は3,440百万円(前年同期比6.0%減)、連結売上総利益率は36.0%(前年実績39.6%)となりました。為替レートは、当連結会計年度平均128円/ドル(前連結会計年度108円/ドル)で推移しました。
連結営業利益は816百万円(前年同期比22.2%減)、連結経常利益は790百万円(前年同期比28.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は517百万円(前年同期比29.8%減)となりました。
品目別の経営成績は次のとおりであります。
研究用試薬
研究用試薬につきましては、公的予算を中心に厳しい状況が続く中、先端的な新規の商品及び仕入先の開拓と各種の販売キャンペーン等を開催して販売促進に努めました。その結果、当連結会計年度の研究用試薬の販売実績は対前年同期比4.7%増の7,365百万円となりました。
機器
機器につきましては、販売実績は対前年同期比0.5%増の2,086百万円となりました。
臨床検査薬
臨床検査薬につきましては、販売実績は対前年同期比15.9%減の101百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ218百万円減少し、当連結会計年度末には3,036百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は284百万円(同56.2%減)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益790百万円、棚卸資産の増減額△267百万円及び法人税等の支払額△279百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は291百万円(前年同期は145百万円の使用)となりました。これは主に、資金運用等のための有価証券の償還による収入300百万円、投資有価証券の取得による支出△502百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は236百万円(同43.8%減)となりました。これは主に配当金の支払△232百万円によるものであります。
③仕入、受注及び販売の実績
当社グループは単一セグメントであるため、仕入、受注及び販売の実績については、セグメント別にかえて品目別に示しております。
a.商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入及び製品製造原価の実績を商品の品目別に示すと次のとおりであります。
品目別
当連結会計年度
(自 2022年1月1日
至 2022年12月31日)
対前期比増減率(%)
金額(百万円)
構成比(%)
研究用試薬
4,693
73.2
12.6
機器
1,655
25.8
2.6
臨床検査薬
62
1.0
△9.1
合計
6,411
100.0
9.6
(注)金額は仕入価格及び製品製造原価によっております。
b.受注実績
当社グループでは受注から納品までの期間が短いこと、かつ受注残高が僅少であることから記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績を商品の品目別に示すと、次のとおりであります。
品目別
当連結会計年度
(自 2022年1月1日
至 2022年12月31日)
対前期比増減率(%)
金額(百万円)
構成比(%)
研究用試薬
7,365
77.1
4.7
機器
2,086
21.8
0.5
臨床検査薬
101
1.1
△15.9
合計
9,553
100.0
3.5
(注)1.輸出につきましては、売上に占める比率が微小であるため省略しております。
2.前連結会計年度及び当連結会計年度において、売上総額の100分の10を超える販売先はありません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」及び「(1)経営成績等の状況の概要 ③仕入、受注及び販売の実績」に記載のとおりであります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
資本の財源及び資金の流動性につきましては、当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品仕入及び販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資及び投資有価証券の取得等によるものであります。
資金調達については、自己資金によって充当することを基本としております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積りが必要とされております。これらの見積りにつきましては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性が伴うため、実際の結果はこれらとは異なることがあります。
なお、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5〔経理の状況〕1〔連結財務諸表等〕(1)〔連結財務諸表〕の「重要な会計上の見積り」に記載しております。