【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
①経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間(2022年4月1日~2022年12月31日)におけるわが国経済は、ウィズコロナ下での行動制限の緩和などにより、景気は緩やかに持ち直してきましたが、資源価格などの高騰や円安の進行によるコストアップ、一部の半導体や電子部品などの供給不足などの影響により、本格的な景気回復には至りませんでした。
このような環境下にあって当社グループは、2022年4月よりスタートした中期経営計画「Progress’24」の基本方針である「高収益事業の拡大と持続可能な成長に向けた基盤事業の強化」のもと、半導体製造装置向け高機能樹脂加工品などの拡販に注力するとともに、基盤事業である繊維事業では、カジュアル需要の取り込みや独自技術による高機能・高付加価値素材の拡販などにより、業績回復に努めました。また、原材料などの価格高騰に対しては、販売価格への転嫁とコストダウンに取り組み、収益改善を図りました。
この結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は1,138億円(前年同期比19.1%増)、営業利益は64億8千万円(同24.0%増)、経常利益は80億9千万円(同28.7%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は56億円(同32.0%増)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
(繊維事業)
糸は、独自技術による高機能製品が順調に推移し、国内及び海外子会社ともに、増収となりました。
テキスタイルは、カジュアル向け素材の受注が海外子会社を中心に回復し、また、ユニフォーム向け素材も順調に推移し、増収となりました。
繊維製品は、カジュアル衣料の受注が増加したことにより、増収となりました。
また、これまで進めてきた収益改善策も着実に進捗しました。
この結果、売上高は433億円(前年同期比37.8%増)、営業利益は6億9千万円(前年同期は営業損失2億7千万円)となりました。
(化成品事業)
軟質ウレタンは、自動車内装材向けでは国内及び中国子会社で半導体不足や、中国のゼロコロナ政策の継続によるサプライチェーンの混乱の影響はあったものの回復傾向で推移し、また、ブラジル子会社の受注が順調で、全体では増収となりました。
機能樹脂製品は、半導体製造装置向け高機能樹脂加工品が好調に推移し、また自動車向け機能フィルムの受注が回復し、増収となりました。
住宅用建材は、景観材及び断熱材が順調で増収となりました。
不織布は、自動車用フィルター向けの受注が回復傾向にありました。
この結果、売上高は449億円(前年同期比17.8%増)、営業利益は27億3千万円(同26.4%増)となりました。
(環境メカトロニクス事業)
エレクトロニクスは、子会社で半導体洗浄装置の大型案件がありましたが、膜厚計や子会社のFA関連機器などがグローバルサプライチェーンの混乱による部品調達難の影響を受け、基板検査装置なども低調で、減収となりました。
エンジニアリングは、バイオマス関連設備及びプラント関係の大型案件が少なく、減収となりました。
バイオメディカルは、撹拌脱泡装置の海外向け販売などが順調で増収となり、また工作機械は、国内及び中国向けが堅調で、増収となりました。
この結果、売上高は158億円(前年同期比6.0%減)、営業利益は14億8千万円(同18.6%減)となりました。
(食品・サービス事業)
食品は、内食需要の定着により、成型スープの販売が好調で、増収となりました。
ホテル関連は、行動制限緩和や観光事業支援策の効果により、増収となりました。
この結果、売上高は69億円(前年同期比10.8%増)、営業利益は3億9千万円(同100.2%増)となりました。
(不動産事業)
不動産賃貸は、一部賃貸条件の変更などにより、売上高は27億円(前年同期比2.4%減)、営業利益は19億2千万円(同7.9%減)となりました。
②財政状態の分析
当第3四半期連結会計期間末の総資産は、現金及び預金は減少しましたが、棚卸資産や売上債権が増加したことなどにより、1,813億円と前連結会計年度末に比べ140億円増加しました。
負債は、短期借入金が増加したことなどにより、797億円と前連結会計年度末に比べ98億円増加しました。
純資産は、利益剰余金や為替換算調整勘定が増加したことなどにより、1,016億円と前連結会計年度末に比べ42億円増加しました。
以上の結果、自己資本比率は2.3ポイント低下して55.1%となりました。
(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響に関する仮定については、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しております。
(3)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当第3四半期連結累計期間において、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、1,415百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(7)経営成績に重要な影響を与える要因
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因について重要な変更はありません。