【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
①経営成績の状況
当第2四半期累計期間におけるわが国経済は、設備投資の改善やサービス中心の消費復調により、緩やかな回復基調となっております。世界経済については、高金利・高インフレの下、欧米の景気回復の遅れや中国経済の減速継続により、不透明感の強い状況が継続しております。
外航海運業界は、活況を極めていたコンテナ船市況が大きく軟化しておりますが、一方でバルク建造が増加傾向にあり、大型船建造の造船所は3年強の受注は確保しております。また、当社2サイクル機関の対象である近海船市場は、現状の船価に運賃が釣り合わない状況ですが、老齢船が多い割に発注残が少ないということもあり、建造のニーズはまだしばらくは継続すると思われます。
当社の主要マーケットである内航海運業界におきましては、用船料は少しずつ改善されておりますが、引き続き船価高の状態が続いており、建造隻数は伸び悩んでおります。ただし、老齢船対策に迫られつつある状況となっており、オペレーター社船や複数隻所有の船主を中心に建造へ前向きな動きがみられるようになってまいりました。また、海外案件につきましては、緩やかながら回復傾向を示しており、円安効果もあり日本での建造案件も散見されるようになりました。
このような企業環境のもと、当第2四半期累計期間の経営成績につきましては、受注高は主機関の受注が増加し、前年同期比12.3%増の5,317百万円となりました。売上高についても、主機関、部分品ともに増加したことから、同10.4%増の4,753百万円となりました。受注残高は同22.8%増の4,315百万円となりました。
損益面につきましては、資材コストアップの影響を製品価格に転嫁しきれていないことや大型設備投資による減価償却費の増加があったものの、部分品と舶用事業以外のCMR(鋳造・金属機械加工)の販売増加で補い、当第2四半期累計期間の業績予想を上回って営業利益は310百万円(前年同期比8.0%減)、経常利益は338百万円(同6.4%減)となり、四半期純利益は227百万円(同8.3%減)となりました。
事業区分別では、主機関の売上高は、近海船向け2サイクル機関の出荷が増加したことから2,133百万円(前年同期比8.3%増)となりました。部分品等の売上高は、国内の部分品・修理工事や、舶用事業以外のCMR(鋳造・金属機械加工)も増加したことから2,620百万円(同12.3%増)となりました。
②財政状態の分析
当第2四半期会計期間末における流動資産は10,736百万円となり、前事業年度末に比べ492百万円減少いたしました。これは主に電子記録債権を含む売上債権が137百万円、棚卸資産が96百万円増加したものの、現金及び預金が717百万円減少したことによるものであります。固定資産は10,550百万円となり、前事業年度末に比べ794百万円増加いたしました。これは主に有形固定資産が130百万円、投資有価証券が199百万円、投資その他の資産のその他に含まれる長期預金が500百万円増加したことによるものであります。この結果、総資産は21,286百万円となり、前事業年度末に比べ301百万円増加いたしました。
当第2四半期会計期間末における流動負債は4,010百万円となり、前事業年度末に比べ67百万円増加いたしました。これは主に未払法人税等が57百万円、契約負債が108百万円減少したものの、電子記録債務を含む仕入債務が184百万円増加したことによるものであります。固定負債は3,209百万円となり、前事業年度末に比べ20百万円増加いたしました。これは主に退職給付引当金が30百万円増加したことによるものであります。この結果、負債合計は7,220百万円となり、前事業年度末に比べ88百万円増加いたしました。
当第2四半期会計期間末における純資産合計は14,066百万円となり、前事業年度末に比べ213百万円増加いたしました。これは主に利益剰余金が66百万円、その他有価証券評価差額金が138百万円増加したことによるものであります。この結果、自己資本比率は66.0%(前事業年度末は65.9%)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ217百万円減少し4,402百万円となりました。
当第2四半期累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果270百万円資金の増加(前年同期は400百万円の増加)となりました。これは主に、売上債権の増加240百万円があったものの、税引前四半期純利益の計上338百万円、仕入債務の増加184百万円があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果減少した資金は321百万円(前年同期は318百万円の支出)となりました。これは主に、定期預金の払戻による収入1,800百万円があったものの、定期預金の預入による支出1,300百万円、長期預金の預入による支出500百万円、有形及び無形固定資産の取得による支出321百万円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果減少した資金は161百万円(前年同期は122百万円の使用)となりました。これは主に、配当金の支払160百万円があったことによるものであります。
(3)経営方針・経営戦略等
当第2四半期累計期間において、当社が定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期累計期間において、当社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第2四半期累計期間における研究開発活動の金額は41百万円であります。
なお、研究開発活動の状況について第1四半期会計期間より以下のとおり変更しております。
当社は、新技術開発の強化及び開発技術の水平展開の強化の両輪を着実に進めるため、2023年6月29日付で研究開発組織の変更を行いました。具体的には、従来の技術部を研究開発部と設計部に分割し、前者は新技術・新製品の開発を、後者は受注製品の設計・既存技術の応用を担う体制といたしました。これにより、人的資本を適切に配分し、より繊細なマネジメントを可能とするとともに、研究開発部では関連部門との連携により新技術や新規事業の創出に注力してまいります。
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