【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
① 経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間(2023年4月1日~2023年9月30日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが5類感染症に引き下げられ、個人消費に持ち直しの動きが見られるなど景気は緩やかな回復基調となりました。一方、世界経済におきましては、ウクライナ情勢の長期化により原材料・エネルギー
価格の高騰や世界的な金融引き締めに伴い投資意欲の低下が見られるなど、依然として先行き不透明な状況で推移しました。
当社グループの事業に関連する市場におきましては、国内や海外の一部のエリアにおいての景気が低迷しており、半導体をはじめとする電子制御部品の不安定な供給による納期の長期化や行き過ぎた円安進行による海外からのエネルギー資源価格の上昇等の影響などにより、厳しい経営環境の下で推移しました。
このような市場環境のもと、当社グループの当第2四半期連結累計期間の業績につきましては、2024年3月期を最終年度とする第3期中期経営計画に基づいて中長期的な視点から持続的な成長と安定した収益確保に向けて取り組んでまいりましたが、国内や中国、米国からの需要低下の影響などにより、受注高は13,084百万円(前年同四半期比27.3%減)、売上高は14,058百万円(同17.5%減)となりました。このうち、国内売上高は3,715百万円(同16.7%減)、海外売上高は10,343百万円(同17.8%減)となり、海外比率は73.6%となりました。利益につきましては、売上高の減少や生産減少に伴う操業度の低下、部材仕入価格高騰の影響を受け、営業利益は2百万円(前年同四半期比99.7%減)、経常利益は55百万円(同92.9%減)、親会社株主に帰属する四半期純損失は海外子会社で発生した元従業員による私的流用事案に関する貸倒引当金及び特別調査委員会による調査費用を計上したことなどにより、318百万円(前年同四半期は親会社株主に帰属する四半期純利益238百万円)となりました。
製品別の売上の状況は、次のとおりであります。
1.射出成形機
射出成形機につきましては、受注は国内、海外ともに減少しました。国内売上は、自動車や工業部品関連で減少しました。海外売上は、中国のIT電子機器や医療関連、米国の生活用品関連が減少しました。この結果、受注高は9,509百万円(前年同四半期比33.6%減)、売上高は10,201百万円(同22.4%減)となりました。このうち、海外売上高は7,533百万円(同22.5%減)となり、海外比率は73.8%となりました。
2.ダイカストマシン
ダイカストマシンにつきましては、受注は国内は減少しましたが、海外は増加しました。国内売上は、工業部品や自動車関連が増加しました。海外売上は、中国や韓国の自動車関連が減少しました。この結果、受注高は3,575百万円(前年同四半期比2.9%減)、売上高は3,857百万円(同1.2%減)となりました。このうち、海外売上高は2,810百万円(同1.9%減)となり、海外比率は72.8%となりました。
② 財政状態の状況
(資産)
当第2四半期連結会計期間末における流動資産は、22,783百万円となり、前連結会計年度末に比べて948百万円減少しました。これは、主に棚卸資産1,182百万円の増加及び現金及び預金792百万円の増加があったものの、売上債権の減少2,589百万円があったことによるものであります。
固定資産は、8,383百万円となり、前連結会計年度末に比べて213百万円増加しました。これは、主に無形固定資産11百万円の減少があったものの、有形固定資産の増加167百万円及び投資有価証券の増加51百万円があったことによるものであります。
(負債)
当第2四半期連結会計期間末における流動負債は、9,238百万円となり、前連結会計年度末に比べて296百万円減少しました。これは、短期借入金500百万円の増加があったものの、仕入債務の減少610百万円及び前受金等を含むその他流動負債の減少183百万円があったことによるものであります。
固定負債は、2,217百万円となり、前連結会計年度末に比べて163百万円減少しました。これは、主に長期借入金から1年内返済予定の長期借入金への振替による減少100百万円及び退職給付に係る負債の減少68百万円があったことによるものであります。
(純資産)
当第2四半期連結会計期間末における純資産の残高は、19,710百万円となり、前連結会計年度末に比べて274百万円減少しました。これは、主に為替換算調整勘定の増加304百万円があったものの、配当を行ったことによる利益剰余金の減少307百万円及び親会社株主に帰属する四半期純損失の計上による利益剰余金の減少318百万円があったことによるものであります。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は、7,294百万円となり、前年同四半期連結会計期間末(8,021百万円)と比べて726百万円減少しました。当第2四半期連結累計期間に係る区分ごとのキャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは、807百万円の収入(前年同四半期は1,277百万円の収入)となりました。これは主に、棚卸資産の増加1,284百万円、仕入債務の減少668百万円及び税金等調整前四半期純損失190百万円があったものの、売上債権の減少2,624百万円、減価償却費の計上402百万円があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における投資活動によるキャッシュ・フローは、237百万円の支出(前年同四半期は221百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出240百万円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における財務活動によるキャッシュ・フローは、89百万円の収入(前年同四半期は460百万円の支出)となりました。これは主に、配当金の支払額307百万円及び長期借入金の返済による支出100百万円があったものの、短期借入による収入500百万円があったことによるものであります。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は369百万円であります。