【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
① 経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間における世界経済は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が続き、活動が制限されるなど、経済全体に大きな影響を与え停滞することとなりました。わが国経済におきましても、各種経済政策の効果により持ち直しの動きが見られましたが、同感染症の感染者数が拡大の傾向にあり、緊急事態宣言が再発令されるなど、依然として厳しい経済状況が続いております。
当社の事業に関連する業界におきましては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による市場環境の悪化から企業の投資マインドは世界的に著しく縮小し、先行き不透明な状況となりました。
このような市場環境のもとではありますが、当社グループは、2021年3月期を最終年度とする3ケ年の中期経営計画「TOYO Great Global Plan 2020」の各種施策に取り組み、海外渡航が制限される中でWEBを活用した商談や展示会を展開するなど新しい拡販施策による営業活動を展開し、受注獲得を目指してまいりました。また、自社独自技術の新製品開発や設備と調達ネットワークを活用したモノづくりを展開し、事業の収益構造改革を推進してまいりました。
この結果、当第3四半期連結累計期間の経営成績につきましては、受注高は19,567百万円(前年同四半期比3.5%増)、売上高は16,736百万円(同29.1%減)となりました。このうち、国内売上高は4,911百万円(同41.1%減)、海外売上高は11,824百万円(同22.5%減)となり、海外比率は70.7%となりました。
利益につきましては、市場環境が大きく変動する中、全社的な経費削減に取組みましたが、売上・生産が減少したことから、営業損失は440百万円となりました。また、経常損失は363百万円、親会社株主に帰属する四半期純損失は406百万円となりました。
製品別の売上の状況は、次のとおりであります。
1.射出成形機
射出成形機につきましては、国内は、雑貨や容器類などの生活用品や自動車関連が減少しました。また、海外におきましては、中国でのIT電子機器や医療機器関連の小型機が堅調に推移しましたが、欧州や米国での生活用品関連やアジアでの自動車関連が減少しました。その結果、売上高は13,143百万円(前年同四半期比29.3%減)となりました。
2.ダイカストマシン
ダイカストマシンにつきましては、国内は自動車関連を中心に減少しました。また、海外におきましては、中国や東南アジアの自動車関連が減少しました。その結果、売上高は3,592百万円(前年同四半期比28.5%減)となりました。
② 財政状態の状況
(資産)
当第3四半期連結会計期間末における流動資産は、20,139百万円となり、前連結会計年度と比べて1,078百万円増加いたしました。これは主に、売上債権の減少1,919百万円があったものの、現金及び預金の増加2,810百万円があったことによるものであります。
固定資産は、9,253百万円となり、前連結会計年度末に比べて173百万円増加しました。これは主に、投資有価証券の減少60百万円があったものの、有形固定資産の増加172百万円及び繰延税金資産の増加97百万円があったことによるものであります。
(負債)
当第3四半期連結会計期間末における流動負債は、8,330百万円となり、前連結会計年度末に比べて1,150百万円増加しました。これは主に、未払費用の減少203百万円があったものの、短期借入金の増加800百万円及び仕入債務の増加359百万円があったことによるものであります。
固定負債は、3,220百万円となり、前連結会計年度末に比べて639百万円増加しました。これは主に、長期借入金の増加600百万円によるものであります。
(純資産)
当第3四半期連結会計期間末における純資産の残高は、17,842百万円となり、前連結会計年度末に比べて527百万円減少しました。これは主に、配当を行ったことによる利益剰余金の減少102百万円及び親会社株主に帰属する四半期純損失の計上による利益剰余金の減少406百万円があったことによるものであります。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は422百万円であります。