【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
① 経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間における世界経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により、経済活動が制限されるなどグローバルな経済活動に大きな影響を受ける結果となりました。わが国経済におきましても、4月7日付けで政府による緊急事態宣言が発令され、経済活動が大きく制限されるなか企業収益は急速に減少し、極めて厳しい状況に陥りました。緊急事態宣言が解除された後は、経済活動の再開が段階的に進められ、個人消費に持ち直しの動きもみられましたが、外出規制と雇用環境の悪化による個人消費の急速な冷え込みにより、回復の足取りは鈍く、国内外の景気の先行きは予断を許さない状況で推移いたしました。
当社の事業に関連する業界におきましては、米中関係悪化および新型コロナウイルス感染症の影響により、企業の投資マインドは全世界的に著しく縮小し、需要は一気に冷え込み、先行き不透明な厳しい市場環境となりました。
このような市場環境のもとではありますが、当社グループは、2021年3月期を最終年度とする3ケ年の中期経営計画「TOYO-G-Plan 2020」の基本方針“グローバル成長市場戦略に向けた事業の拡大、成長及び構造改革”に基づいた各種施策に取り組み、自社独自技術の新製品の開発、設備と調達ネットワークを活用したモノづくり、急速に変化する新しい営業スタイルの拡販施策による営業活動を展開し、事業の収益構造改革を推進してまいりました。
この結果、当第2四半期連結累計期間の業績につきましては、受注高は10,696百万円(前年同四半期比19.8%減)、売上高は9,785百万円(同42.6%減)となりました。このうち、国内売上高は2,993百万円(同48.7%減)、海外売上高は6,792百万円(同39.4%減)となり、海外比率は69.4%となりました。
利益につきましては、市場環境が大きく変動し、受注・売上が大幅に減少したことから、全社的な経費削減に取組みましたが、生産量の減少に伴う操業度低下により固定費回収不足が生じ、営業損失は531百万円(前年同四半期は営業利益1,093百万円)、経常損失は484百万円(前年同四半期は経常利益1,092百万円)、親会社株主に帰属する四半期純損失は448百万円(前年同四半期は親会社株主に帰属する四半期純利益640百万円)となりました。
製品別の売上の状況は、次のとおりであります。
1.射出成形機
射出成形機につきましては、国内は、雑貨や容器類などの生活用品や自動車関連が減少しました。また、海外におきましては、中国でのIT電子機器関連の小型機は堅調に推移しましたが、欧州や米国での生活用品関連や東南アジアでの自動車関連が減少しました。その結果、売上高は7,471百万円(前年同四半期比43.9%減)となりました。
2.ダイカストマシン
自動車関連向けを中心とするダイカストマシンにつきましては、国内は減少しました。また、海外におきましては、東南アジアや中国が減少しました。その結果、売上高は2,313百万円(前年同四半期比38.0%減)となりました。
② 財政状態の状況
(資産)
当第2四半期連結会計期間末における流動資産は、19,219百万円となり、前連結会計年度末に比べて158百万円増加しました。これは主に、売上債権の減少2,362百万円及びたな卸資産の減少132百万円があったものの、現金及び預金の増加2,737百万円があったことによるものであります。固定資産は、9,452百万円となり、前連結会計年度末に比べて383百万円増加しました。これは主に、投資有価証券の減少68百万円があったものの、有形固定資産の増加341百万円及び繰延税金資産の増加110百万円があったことによるものであります。
(負債)
当第2四半期連結会計期間末における流動負債は、7,667百万円となり、前連結会計年度末に比べて486百万円増加しました。これは主に、仕入債務の減少625百万円があったものの、短期借入金の増加800百万円及び一年内返済予定の長期借入金の増加200百万円があったことによるものであります。固定負債は、3,257百万円となり、前連結会計年度末に比べて677百万円増加しました。これは主に、長期借入金の増加660百万円によるものであります。
(純資産)
当第2四半期連結会計期間末における純資産の残高は、17,747百万円となり、前連結会計年度末に比べて622百万円減少しました。これは主に、配当を行ったことによる利益剰余金の減少102百万円及び親会社株主に帰属する四半期純損失の計上による利益剰余金の減少448百万円があったことによるものであります。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間末における現金及び現金同等物の残高は、7,791百万円となり、前年同四半期連結累計期間末(4,863百万円)と比べて2,928百万円増加しました。当第2四半期連結累計期間に係る区分ごとのキャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは、2,131百万円の収入(前年同四半期は168百万円の支出)となりました。これは主に、税金等調整前四半期純損失494百万円、仕入債務の減少575百万円があったものの、売上債権の減少2,342百万円があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における投資活動によるキャッシュ・フローは、909百万円の支出(前年同四半期は1,213百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出839百万円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における財務活動によるキャッシュ・フローは、1,556百万円の収入(前年同四半期は641百万円の収入)となりました。これは主に、短期借入金の増額800百万円、長期借入れによる収入1,000百万円があったことによるものであります。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は277百万円であります。