【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間における我が国の経済は、経済の正常化による個人消費やインバウンド需要の増加により、緩やかな回復となりましたが、資源価格の高騰や物価の上昇など、景気悪化につながる不安要素もあり、先行き不透明な状況が継続しております。世界経済については、地政学リスクの高まりや、インフレ、政策金利の引き上げによる金融不安等の懸念材料はあるものの、アメリカでは良好な雇用情勢と賃金の上昇による個人消費の増加に支えられ、景気は堅調に推移しました。一方で、中国では不動産開発投資の大幅な減少や内外需の低迷により、景気は減速しました。
当社グループの関連しております産業用エレクトロニクス・メカトロニクス業界におきましては、自動車のEV化が進む車載関連、人件費高騰や人手不足の影響で需要が高まっている、生産の自動化を目的とした設備投資が堅調な一方、需給ひっ迫による先行手配の反動から在庫調整が行われ、製造業全体においての需要は低調に推移しました。
このような環境の中で当第2四半期連結累計期間の業績は、売上高888億67百万円(前年同期比5.3%増)、営業利益34億42百万円(前年同期比4.3%増)、経常利益37億円(前年同期比3.5%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益30億75百万円(前年同期比21.7%増)となりました。
部門別の業績は次のとおりであります。
[電機部門]
電機部門では、太陽光関連業界向けの電機品の販売が増加いたしましたが、半導体関連業界向け及び産業機械業界向けの電機品、太陽光関連業界向けの制御機器の販売が減少いたしました。この結果、当部門の売上高は188億7百万円(前年同期比11.7%増)となりました。
[電子部門]
電子部門では、産業機械業界向け、精密機器業界向け及び自動車関連搭載向けの電子部品、事務用機器業界向けのコネクタの販売が増加いたしましたが、生活家電関連業界向け及びアミューズメント業界向けの電子部品、半導体関連業界向け及び産業機械業界向けのコネクタ及び電子機器の販売が減少いたしました。この結果、当部門の売上高は631億3百万円(前年同期比1.0%増)となりました。
[機械部門]
機械部門では、自動車業界向けの設備機器、半導体関連業界向けの搬送装置の販売が増加いたしました。この結果、当部門の売上高は69億57百万円(前年同期比38.1%増)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。なお、売上高については、セグメント間の内部売上高又は振替高を含めた売上高で表示しております。
① 日本
国内では、精密機器業界向け及び自動車関連搭載向けの電子部品、自動車業界向けの設備機器、半導体関連業界向けの搬送装置の販売が増加いたしましたが、半導体関連業界向けの電機品及びコネクタ、産業機械業界向けの電機品、電子部品、コネクタ及び電子機器、太陽光関連業界向けの制御機器の販売が減少いたしました。この結果、売上高605億77百万円(前年同期比6.8%減)、営業利益20億87百万円(前年同期比8.5%減)となりました。
② アジア
アジア地域では、太陽光関連業界向けの電機品、産業機械業界向けの電子部品、事務用機器業界向けのコネクタの販売が増加いたしましたが、生活家電関連業界向けの電子部品、半導体関連業界向けの電子機器の販売が減少いたしました。この結果、売上高341億36百万円(前年同期比19.8%増)、営業利益13億5百万円(前年同期比14.7%増)となりました。
③ 欧米
欧米では、産業機械業界向け及び自動車関連搭載向けの電子部品の販売が増加いたしましたが、アミューズメント業界向けの電子部品、自動車業界向けの設備機器の販売が減少いたしました。この結果、売上高33億41百万円(前年同期比0.8%増)、営業利益1億33百万円(前年同期は営業損失40百万円)となりました。
④ その他
その他の売上高は2億73百万円(前年同期比18.5%減)、営業損失19百万円(前年同期は営業損失10百万円)となりました。
当第2四半期連結会計期間における財政状態は次のとおりであります。
(資産)
当第2四半期連結会計期間末の資産合計は、1,056億71百万円となり前連結会計年度末に比べ9億10百万円減少しました。受取手形、売掛金及び契約資産の減少が主な要因であります。
(負債)
当第2四半期連結会計期間末の負債合計は、594億83百万円となり前連結会計年度末に比べ26億14百万円減少しました。支払手形及び買掛金の減少が主な要因であります。
(純資産)
当第2四半期連結会計期間末の純資産合計は、461億88百万円となり前連結会計年度末に比べ17億4百万円増加しました。利益剰余金の増加が主な要因であります。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ8億94百万円増加し、当第2四半期連結会計期間末には145億56百万円となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は8億68百万円となりました。これは主に、棚卸資産の増加(11億54百万円)、仕入債務の減少(54億42百万円)、法人税等の支払(14億13百万円)等による減少がある一方で、税金等調整前四半期純利益(42億66百万円)、売上債権の減少(28億80百万円)等により一部増加したものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果得られた資金は7億49百万円となりました。これは主に、投資有価証券の売却による収入(7億7百万円)等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は5億27百万円となりました。これは主に、長期借入れによる収入(30億円)による増加がある一方で、自己株式の取得による支出(10億円)、配当金の支払(10億83百万円)等により一部減少したものであります。
(3)経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当第2四半期連結累計期間において、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
該当事項はありません。
(7)従業員数
2023年9月30日現在の従業員数は1,094人であります。
(8)仕入、受注及び販売の実績
①商品仕入実績
当第2四半期連結累計期間の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
当第2四半期連結累計期間
(自 2023年4月1日
至 2023年9月30日)
前年同期比(%)
日本(百万円)
50,614
90.7
アジア(百万円)
26,880
133.8
欧米(百万円)
1,707
89.8
報告セグメント計(百万円)
79,202
101.8
その他(百万円)
204
88.5
合計(百万円)
79,407
101.8
②受注実績
当第2四半期連結累計期間の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
受注高
(百万円)
前年同期比(%)
受注残高
(百万円)
前年同期比(%)
日本
42,799
61.8
46,117
72.5
アジア
29,311
98.4
19,994
78.4
欧米
3,305
114.6
2,198
127.8
報告セグメント計
75,415
74.0
68,311
75.2
その他
461
133.8
306
170.1
合計
75,877
74.2
68,618
75.4
③販売実績
当第2四半期連結累計期間の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
当第2四半期連結累計期間
(自 2023年4月1日
至 2023年9月30日)
前年同期比(%)
日本(百万円)
54,013
96.6
アジア(百万円)
31,685
124.8
欧米(百万円)
2,908
106.0
報告セグメント計(百万円)
88,607
105.4
その他(百万円)
260
80.2
合計(百万円)
88,867
105.3
(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
(9)主要な設備
当第2四半期連結累計期間において、主要な設備に重要な異動はありません。
(10)経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通し
当社グループは、一般産業機械及び装置や半導体及び液晶製造装置などに使用されるサーボモータ、リニアモータなどのメカトロ製品を販売する電機部門、自動車関連・デジタル家電・パソコン・携帯情報端末・アミューズメント設備機器などの分野に使用される電子部品を販売する電子部門、半導体関連製造設備、液晶・パネル搬送用クリーンロボット及び産業用ロボットを販売する機械部門から成る技術商社であります。その需要先は主に産業用エレクトロニクス・メカトロニクス業界であるため、当社グループの業績は、この業界の需要動向、並びに設備投資動向の影響を受けます。
当社グループといたしましては、イノベーションが求められる成長分野へのリソースの投入、DXの推進による提供価値の向上、グローバルサプライチェーンの更なる強化等の施策を推進し、第11次中期経営計画「SNS2024(Sun-Wa New Stage 2024)」最終年度となる2025年3月期の経営目標数値である売上高1,950億円、営業利益70億円の達成に向けて、努力して参ります。また、持続可能な社会の実現に向けた取り組みも最重要課題の1つとしてとらえ、事業活動を通じて脱炭素社会の実現への貢献を果たしていきます。
なお、今後の見通しといたしましては、EV化が進む車載関連、生産の自動化を目的とした設備投資は堅調な推移が見込まれますが、サプライチェーンの混乱解消に伴い、メーカーが在庫調整を行う局面に入っていること、中国経済の低迷等の懸念材料もあり、今後も不透明な状況の継続が予想されます。
(11)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資金状況は、税金等調整前四半期純利益42億66百万円、売上債権の減少28億80百万円等による資金の増加がありましたが、棚卸資産の増加11億54百万円、仕入債務の減少54億42百万円、法人税等の支払14億13百万円等により営業活動によるキャッシュ・フローは8億68百万円の使用となりました。また、投資有価証券の売却による収入7億7百万円により投資活動によるキャッシュ・フローは7億49百万円の取得となりました。また、自己株式取得による支出10億円、配当金の支払10億83百万円等による資金の減少がありましたが、長期借入れによる収入30億円により財務活動によるキャッシュ・フローは5億27百万円の取得となりました。これらの結果、現金及び現金同等物が前連結会計年度末に比べ、8億94百万円増加し、当第2四半期連結会計期間末には145億56百万円となりました。
(12)経営者の問題認識と今後の方針について
当社は、「人を創り 会社を興し 社会に尽くす」の社是のもと、社業を通じて株主・投資家の皆様、取引先様、従業員など、さまざまなステークホルダーの信頼と期待に応えられる経営を推進しております。その実現のために、コーポレートガバナンスの充実とコンプライアンスの徹底を図りながら迅速かつ適切で公平な情報開示を継続して行うことで、健全性・効率性・透明性の高い経営の実践に努め、企業価値の向上と社会の発展に貢献できる企業を目指しております。
また、第11次中期経営計画「SNS2024(Sun-Wa New Stage 2024)」では、2025年3月期に営業利益70億円達成を経営目標とし、3つの基本方針である「イノベーションが求められる成長分野への注力」、「より高付加価値な製品と新たなソリューションの提供」、「サステナビリティ経営による持続可能な社会の実現に貢献」に加え、持続的な企業価値の向上を目指し、PBR(株価純資産倍率)1.0倍超を早期実現すべく、下記の新たな取り組みを追加しました。
施策①:中期経営計画「SNS2024」の着実な実行による収益性の向上
・顧客セグメント戦略と拠点営業戦略の融合による収益性の向上
・「イノベーション本部」を設置し以下の取り組みを実施
(1)顧客課題の解決を目指した当社独自の技術サポートとソリューション開発に投資
(2)成長事業のビジネスモデル確立と新規ビジネスを創出
(3)外部成長手段としてのアライアンス等の実施
・自動化・省人化ニーズを捉えるためのロボティクス営業の強化
・脱炭素化に向けた環境対応への投資機会の獲得
・米中デカップリングサプライチェーンからの脱中国対応
施策②:株主還元の充実
・持続的な成長と企業価値の向上のための積極的な事業展開や様々なリスクに備えるための財務健全性とのバランスを考慮したうえで、安定配当を維持しながら中長期的な視点で連結業績に応じた利益還元を行うことを基本方針とする
・業績連動利益配分の指標として連結配当性向25~35%を目標として実施
・自己株式の取得についても、株主還元や資本効率向上のため、時期及び財政状況に応じて実施
施策③:IR・SR活動の拡充
・活動拡充化のためのIR専任部署「広報・IR室」を設置(2023年4月)
・取締役、IR担当役員による個人投資家向け会社説明会、機関投資家向け決算説明会の開催、メディア(IRラジオ、専門紙)を通しての定期的な情報発信
・株主・投資家との間の建設的な対話への取組(IR・SRミーティング等)を活性化
・IR・SR活動で寄せられた意見等を取締役会等で共有し、経営戦略のレビュー等に活用
(13)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。