【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績の状況当第1四半期連結累計期間のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の位置づけが5類感染症となり経済活動の正常化が進展するなか、雇用環境の改善が続き、個人消費が底堅く推移しました。企業の設備投資も脱炭素化、デジタル化の推進などを背景におおむね持ち直しの動きが続きました。一方、世界的な物価高により欧米等の中央銀行が金融引き締めを継続したことで、世界経済の減速感が強まったことなどから、わが国の輸出も弱含みで推移し、国内の生産活動も伸び悩む状況が続いています。また、物価上昇で実質賃金が減少するなか先行きは引き続き不透明な状況が続いています。株式市場では、期初28,203円で始まった日経平均株価は、日本企業の資本効率改善への期待が高まるなか、米著名投資家のウォーレン・バフェット氏が日本株に強気の姿勢を示したことをきっかけに、騰勢を強める展開となりました。日本株を再評価した海外投資家の積極的な買いが相場の上昇を牽引したことなどから、約33年ぶりの高値水準となる33,772円まで上昇し、当第1四半期連結会計期間末は33,189円となりました。債券市場では、期初0.340%で始まった長期金利(10年国債利回り)は、欧米等の中央銀行がインフレ抑制に向けて金融引き締めを続けるなか、4月中旬に0.480%まで上昇しましたが、日銀が植田新総裁のもとで大規模金融緩和の維持を決定したことなどから、当第1四半期連結会計期間末は0.395%となりました。主な商品部門別の概況は、以下のとおりです。
(株式部門)当第1四半期連結累計期間は、車載向けマイコンや顧客の要望に沿ったカスタム半導体といった特定領域に強みを持つ半導体メーカーや、生成AIの急速な普及で成長期待が高まっている半導体製造装置・材料メーカーなどの半導体関連銘柄を中核に、サプライチェーン再構築や省人化などを目的とした設備投資の回復・拡大を追い風とする工場自動化・ロボット関連銘柄、デジタル技術やデータ活用を通じた事業変革を支援するDX(Digital Transformation)関連銘柄などの選別及び情報提供に注力した結果、株式受入手数料は前第1四半期連結累計期間と比べて増加しました。
(投資信託部門)当社は投資信託を通じてお客様にグローバルな資産運用をしていただくことが、当社の社会的使命であると考えています。2017年6月には「お客様本位の業務運営への取組方針」を公表し、2023年6月に更新しました。なかでも質の高い投資信託を長期間、分散して保有していただくことが、お客様にとって最善の利益の追求につながると考えています。当第1四半期連結累計期間は、中長期的な利益成長が期待される日本のオーナー企業に投資する「ジパング・オーナー企業株式ファンド」、米ドル建ての多様な資産に分散投資するバランス型の「NWQフレキシブル・インカムファンド」、世界の幅広い種類の公社債等に投資する「PIMCOインカム戦略ファンド<米ドルインカム>」などの販売に注力しました。この結果、募集手数料は前第1四半期連結累計期間比で増加しました。また株式で運用する投資信託の基準価額の上昇などもあり、投資信託の期中平均残高が前第1四半期連結累計期間比増加したことで、信託報酬も前第1四半期連結累計期間比増加しました。
(債券部門)債券の引受高及び募集取扱高が増加したことで、債券受入手数料は前第1四半期連結累計期間比増収となりました。
以上の結果、当第1四半期連結累計期間の当社グループの連結業績は、主に株式委託手数料が増加したことなどから、営業収益が45億88百万円(前第1四半期連結累計期間比17.8%の増収)、これから金融費用を差し引いた純営業収益は45億75百万円(同18.0%の増収)となりました。販売費・一般管理費は37億52百万円(同0.1%の減少)で、営業利益は8億23百万円(同585.2%の増益)、経常利益は10億38百万円(同213.3%の増益)、親会社株主に帰属する四半期純利益は7億24百万円(同133.2%の増益)となりました。
(2) 財政状態の状況当第1四半期連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ70億58百万円増加し746億60百万円となりました。主な要因は、現金・預金が35億72百万円、投資有価証券が20億33百万円増加したことなどによるものです。負債合計は、前連結会計年度末に比べ53億91百万円増加し269億7百万円となりました。主な要因は、顧客の納税預り金等の預り金が44億41百万円増加したことなどによるものです。純資産合計は、前連結会計年度末に比べ16億66百万円増加し477億52百万円となりました。主な要因は、配当金4億58百万円の支払いにより減少した一方で、親会社株主に帰属する四半期純利益7億24百万円を計上したことや、その他有価証券評価差額金が14億11百万円増加したことなどによるものです。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第1四半期連結累計期間において、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について、重要な変更及び新たに生じた課題はありません。なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めておりますが、当第1四半期連結累計期間において、重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動該当事項はありません。
なお、文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
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