【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
①経営成績
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、緩やかな回復が続いているものの、各国中央銀行の利上げが続くなか依然としてインフレ圧力が残存し、先行き不透明感を強めて推移しました。建築材料業界におきましても、こうした物価上昇を背景とした原材料・エネルギー価格高騰の継続により、厳しい経営環境が続いております。
このような状況のなか、当社グループは、「やすらぎと安心の創造」のコーポレートメッセージのもと、環境負荷低減と施工現場省力化を実現し社会に貢献するとともに、お客様のニーズに応える商品の拡充を図りました。
当第2四半期連結累計期間においては、主力の押出成形セメント板「アスロック」の新しいデザインパネル「ソレイユライン」を本年5月に発売しました。「ソレイユライン」は、壁面緑化商品として販売しているアスロックグリーンウォールビルトインタイプの基材をデザインパネルとして商品化したものです。ヒマワリの花のようなリブ先端のデザインと、押出成形セメント板史上最も高い40mmというリブ高さが特徴で、長大なリブの陰影が壁面に重厚感と深みをもたらします。また、アルミパネルなどの大型仕上げ材を取り付けることができる「レールファスナーストロング」に高耐力留付仕様「Rクリップ+NVナット」を本年8月に追加しました。この仕様追加により、弱点であった風圧力に対する留付耐力が約1.4倍向上し、負風耐力4,000Paとした場合パネルの使用可能長さが約1,300mm延長され、階高の大きい建物への適用が可能となります。
主力の押出成形セメント板「アスロック」の売上高は、高付加価値商品である「工場塗装品」の販売が増加したこと等から前年同期比増収となりました。住宅用商品については高遮音床材・軽量外壁材ともに増加して売上高は前年同期比増収、ボードについても内装用途の「フレキシブルシート素地シリーズ」が伸長し増収となりました。生産部門では、押出成形セメント板の旺盛な需要に対応すべく、NNPS(ノザワ・ニュー・プロダクション・システム)による改善活動を推進し、出来高向上に注力するとともに、原材料・エネルギーの有効活用に継続して取り組み、コストダウンに努めました。管理部門では、従業員の健康管理を経営的な視点で捉え、兵庫県が推進する「健康づくりチャレンジ企業」に登録し、従業員や家族の健康づくり支援に取り組みました。
これらの結果、当社グループの単一の報告セグメントである建築材料関連事業の品種別売上高については、主力の押出成形セメント板「アスロック」は57億98百万円(前年同期比17.8%増加)、住宅用高遮音床材は10億10百万円(前年同期比8.7%増加)、住宅用軽量外壁材は22億73百万円(前年同期比35.4%増加)となり、押出成形セメント製品合計では90億83百万円(前年同期比20.6%増加)に、耐火被覆等は8億56百万円(前年同期比22.7%増加)、スレート関連は4億59百万円(前年同期比16.1%増加)となったこと等から、当第2四半期連結累計期間の売上高は120億28百万円(前年同期比17.7%増加)となりました。
利益面については、原材料・エネルギー価格高騰による原価アップがあるものの、押出成形セメント製品の高付加価値品が伸長したこと等により営業利益は10億40百万円(前年同期比72.4%増加)、経常利益は11億49百万円(前年同期比61.5%増加)となりました。親会社株主に帰属する四半期純利益については、特別損失に訴訟損失3億76百万円を計上したこと等から3億20百万円(前年同期比22.9%減少)となりました。
②財政状態
当第2四半期連結会計期間末における当社グループの流動資産の残高は、前連結会計年度末に比べ受取手形、売掛金及び契約資産が4億73百万円増加したこと等により149億41百万円(前連結会計年度末と比較して5億53百万円増加)となりました。固定資産の残高は、前連結会計年度末に比べ投資有価証券が5億12百万円、有形固定資産が2億56百万円増加したこと等から、149億7百万円(前連結会計年度末と比較して9億8百万円増加)となりました。この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べ14億61百万円増加し298億49百万円となりました。
当第2四半期連結会計期間末における流動負債の残高は、前連結会計年度末に比べ支払手形及び買掛金が5億77百万円増加したこと等から、65億円(前連結会計年度末と比較して8億37百万円増加)となりました。固定負債の残高は、訴訟損失引当金が3億28百万円増加したこと等により45億21百万円(前連結会計年度末と比較して2億77百万円増加)となり、この結果、負債の合計額は、前連結会計年度末に比べ11億14百万円増加し110億21百万円となりました。
当第2四半期連結会計期間末における純資産の残高は、前連結会計年度末に比べ3億46百万円増加し188億27百万円となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は70億12百万円となり、前連結会計年度末に比べ19百万円増加となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間において、営業活動による資金の増加は8億72百万円(前年同期は8億13百万円の増加)となりました。これは売上債権の増加額5億51百万円等の資金の減少要因があった一方、仕入債務の増加額6億82百万円、税金等調整前四半期純利益6億20百万円等の資金の増加要因があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間において、投資活動による資金の減少は4億48百万円(前年同期は3億42百万円の減少)となりました。これは有形固定資産の取得による支出4億41百万円等の資金の減少要因があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間において、財務活動による資金の減少は4億5百万円(前年同期は4億58百万円の減少)となりました。これは親会社による配当金の支払額3億97百万円等の資金の減少要因があったことによるものであります。
(3)経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更はありません。
なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めておりますが、当第2四半期連結累計期間において重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は1億26百万円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6)経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通し
当第2四半期連結累計期間において、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因に変更はありません。
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