【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第2四半期における日本経済は、新型コロナウイルス感染症が感染症法上の5類に分類され、来日外国人の入国規制撤廃によるインバウンド需要が復活、企業業績の回復を背景に日経平均株価が3万円台まで戻るなど、明るい材料が増えてきました。一方、世界的な燃料、原料相場の高騰と円安により消費者物価指数は毎月前年同月比3%前後の上昇が続いています。このため実質賃金は昨年4月以降今年9月まで18か月連続で前年同月比マイナスとなっており、未だ個人ベースで生活の改善を感じるレベルには至っていません。また国際情勢に目を移すと、出口が見えないロシア軍によるウクライナ侵攻、中国における不動産不況が引き金となった経済減速、米国金利の高騰に伴う円安が日本経済に暗い影を落としています。
鶏卵相場は、昨年秋より発生が拡大した鳥インフルエンザによる1,700万羽近い採卵鶏の殺処分の影響で今年6月中旬までは全国的に高止まりで推移しました。その後6月末からは殺処分した採卵鶏の再導入が進んだことから卵の供給量が回復、相場は下落局面に入っております。この結果、第1・第2四半期(2023年4月1日~2023年9月30日)における鶏卵相場の北海道Mサイズ平均は1キロ349円58銭(前年同期比97円58銭高)、東京Mサイズ平均は1キロ325円56銭(同113円22銭高)となりました。
鶏卵生産コストの6割を占める飼料価格は、主原料たるトウモロコシや大豆粕の価格が下落したことから第1四半期に続き第2四半期も値下げとなりました。しかしながら飼料安定基金による補填金が減少したため飼料の実質コストは前年同四半期より高くなりました。
当社は飼料コスト、物流費の高騰、千歳農場における採卵鶏の淘汰による生産数量減少をカバーすべく、引き続き付加価値卵の拡売、鶏卵販売価格の改定に注力しました。この結果、売上高は9,673百万円(前年同期比18.0%増)となり、営業利益は1,856百万円(前年同期比200.0%増)、経常利益は1,892百万円(前年同期比188.6%増)、四半期純利益は1,304百万円(前年同期比188.2%増)となりました。
なお、ロシア軍によるウクライナ侵攻及び今年10月に激化したイスラエル、ガザ地区での紛争は長期化の様相を呈しており、これに伴う農産物、原油等の世界的なインフレ傾向と円安にも歯止めがかかっておりません。これらの情勢及び鳥インフルエンザの状況などの今後の経緯によっては当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
①資産
当第2四半期会計期間末における資産合計は前事業年度末に比べて879百万円増加し17,729百万円となりました。
流動資産は前事業年度末に比べて543百万円増加し6,307百万円となりました。これは、主として現金及び預金が730百万円、受取手形及び売掛金が410百万円増加した一方で、その他が600百万円減少したこと等によるものです。
固定資産は前事業年度末に比べて336百万円増加し11,422百万円となりました。これは、主として有形固定資産の建物が249百万円、機械及び装置が311百万円増加した一方で、有形固定資産のその他が299百万円減少したこと等によるものです。
②負債
当第2四半期会計期間末における負債合計は前事業年度末に比べて298百万円減少し5,803百万円となりました。
流動負債は前事業年度末に比べて132百万円減少し3,856百万円となりました。これは、主として買掛金が134百万円、1年内返済予定の長期借入金が120百万円減少した一方で、電子記録債務が79百万円増加したこと等によるものです。
固定負債は前事業年度末に比べて165百万円減少し1,947百万円となりました。これは、主として長期借入金が154百万円減少したこと等によるものです。
③純資産
当第2四半期会計期間末における純資産合計は前事業年度末に比べて1,178百万円増加し11,925百万円となりました。これは、主として利益剰余金が1,134百万円増加したこと等によるものです。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期会計期間末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末に比べ、730百万円増加し、3,259百万円となりました。
当第2四半期累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期累計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは、1,929百万円の収入(前年同期は517百万円の収入)となりました。これは主として税引前四半期純利益1,901百万円、減価償却費492百万円、補助金の受取額376百万円等による資金の増加が、売上債権の増加410百万円や法人税等の支払額545百万円等による資金の減少を上回ったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期累計期間の投資活動によるキャッシュ・フローは、741百万円の支出(前年同期は747百万円の支出)となりました。これは主として有形固定資産の取得706百万円等による資金の減少等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期累計期間の財務活動によるキャッシュ・フローは、456百万円の支出(前年同期は120百万円の支出)となりました。これは主として長期借入金の返済275百万円、配当金の支払額169百万円等による資金の減少によるものであります。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4)経営方針・経営戦略等
当第2四半期累計期間において、当社が定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
①当第2四半期累計期間において、新たに発生した優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は次の通りであります。
「平飼いたまご」の拡販
昨年9月以降販売を開始した「平飼いたまご」は家庭用テーブルエッグとして一定の認知を受けるまでになりましたが、今後はホテル、レストラン向けの業務用、マヨネーズなどの加工用需要の掘り起こしを行うとともに、海外市場への輸出も行っていきます。
②第1四半期累計期間に掲げた課題「鳥インフルエンザ感染防止対策の徹底」については、当第2四半期累計期間において、次のように対処しております。
今年4月に当社千歳農場で鳥インフルエンザの発生が確認されたことを教訓に、全農場における感染防止対策を再点検し、再発防止に向けた最大限の対策を実施しております。更に千歳農場においては農場の一か所で発生が確認された場合でもその影響を最小限にとどめるため、農場の分割管理を実施いたします。
(6)研究開発活動
該当事項はありません。