【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において判断したものであります。
なお、当社は2021年10月1日付で当社の完全子会社であった株式会社第一ポートリーファームを吸収合併(簡易合併・略式合併)したことに伴い、前第2四半期連結累計期間までは連結決算でありましたが、前第3四半期累計期間より非連結決算へ移行いたしました。そのため、比較分析について、前第3四半期累計期間の業績は、吸収合併した完全子会社の第2四半期累計期間の業績を含んでおりません。また、前第3四半期累計期間の四半期純利益には、吸収合併に伴う抱合せ株式消滅差益499百万円が含まれております。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第3四半期累計期間における日本経済は、依然として終結の目途が立たないウクライナでの戦争に伴う世界的なエネルギー、資源相場の高止まりや米国金利引き上げに伴う円安により企業物価指数、消費者物価指数は高止まり、実質賃金は11月まで8か月連続減少を続けています。新型コロナウイルス感染症もオミクロン株による感染は終息の兆しがありませんが、一方で来日観光客は政府による入国規制緩和により徐々にコロナ前に戻りつつあり日本経済にとって明るい材料となってきました。
鶏卵業界におきましては、2022年10月にこの秋初めて岡山の養鶏場で感染が確認された鳥インフルエンザが全国に広がり、これまでに1,000万羽をこえる採卵鶏が淘汰されました。これに飼料価格の高騰を背景とした雛の餌付け羽数の減少が重なり、鶏卵需給はひっ迫、10月以降相場は急激な上昇局面に入ったまま年末を迎えました。需要面ではコロナ対策の影響で低迷していた業務用需要が、来日外国人の増加や、10月から再開された全国旅行支援により回復に向かっています。この結果第3四半期累計期間(2022年4月1日~2022年12月31日)における鶏卵相場の北海道Mサイズ平均は1キロ265円84銭(前年同四半期比29円56銭高)、東京Mサイズ平均は1キロ228円81銭(同24銭安)となりました。
当社は飼料を始めとする生産コストの上昇をカバーすべく売価の改定に注力した結果、当該累計期間による鶏卵販売数量は前年同期とほぼ同数量となりました。また当第3四半期累計期間の業績は、飼料価格が高止まりしたものの鶏卵相場が上昇したこと等から、売上高は12,939百万円(前年同期比8.1%増)、営業利益は1,056百万円(前年同期比2.9%減)、経常利益は1,107百万円(前年同期比2.6%減)、四半期純利益は927百万円(前年同期比27.1%減)となりました。
①資産
当第3四半期会計期間末における資産合計は前事業年度末に比べて1,506百万円増加し17,056百万円となりました。
流動資産は前事業年度末に比べて1,320百万円増加し5,167百万円となりました。これは、主として受取手形及び売掛金が959百万円、その他が436百万円増加したこと等によるものです。
固定資産は前事業年度末に比べて186百万円増加し11,888百万円となりました。これは、主として建物が460百万円、機械及び装置が449百万円増加した一方で、有形固定資産のその他が510百万円、関係会社株式が180百万円それぞれ減少したこと等によるものです。
②負債
当第3四半期会計期間末における負債合計は前事業年度末に比べて698百万円増加し6,093百万円となりました。
流動負債は前事業年度末に比べて460百万円増加し3,869百万円となりました。これは、主として買掛金が493百万円、未払法人税等が122百万円増加した一方で、その他が176百万円減少したこと等によるものです。
固定負債は前事業年度末に比べて237百万円増加し2,224百万円となりました。これは、主として長期借入金が241百万円増加したこと等によるものです。
③純資産
当第3四半期会計期間末における純資産合計は前事業年度末に比べて808百万円増加し10,962百万円となりました。これは、主として四半期純利益927百万円を計上した一方で、配当金126百万円を支払いしたこと等によるものです。
(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(3)経営方針・経営戦略等
当第3四半期累計期間において、当社が定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① 販売価格の改定
世界的なエネルギー、各種原料価格の高騰と急速な円安による鶏卵生産コスト上昇に対処するため、引き続き鶏卵販売価格のすみやかな改定が必要となっています。当社は生産性向上により原価削減に最大限注力するとともに、取引先の理解を求めたうえで価格の改定を進めてまいります。
② ケージフリー卵の販売
当社宮城県の農場で生産されるケージフリー卵の本格的な販売が2022年9月から始まりました。東海から関東を経て北海道に至る市場においてこの販売を軌道に乗せることが優先的課題となります。当社はアニマルウェルフェアへの意識の高い消費者に対し本商品の認知度を高めるようマーケティング活動を進め、家庭用パック卵から業務用へと販売エリアを拡大してまいります。
③ 鳥インフルエンザへの防備
全国的に拡大している鳥インフルエンザの感染を防ぐため、基本的防疫体制を堅持していきます。
なお、ロシア軍によるウクライナ侵攻は長期化の様相を呈しており、これに伴う世界的なインフレ傾向と円安にも歯止めがかかっておりません。さらに2022年10月以降日本国内の養鶏場で鳥インフルエンザの感染が確認され、今後の感染拡大が懸念されます。これらの情勢及び新型コロナウイルスの状況などの今後の経緯によっては当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(5)研究開発活動
該当事項はありません。