【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において判断したものであります。
なお、当社は2021年10月1日付で当社の完全子会社であった株式会社第一ポートリーファームを吸収合併(簡易合併・略式合併)したことに伴い、前第2四半期連結累計期間までは連結決算でありましたが、前第3四半期累計期間より非連結決算へ移行いたしました。上記により前第3四半期累計期間より連結財務諸表を作成していないため、比較分析は行っておりません。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第2四半期における日本経済には、出口が見えないロシア軍によるウクライナ侵攻がもたらした世界的な食料、原材料、エネルギー価格の高騰、春先に一旦落ち着きを見せたオミクロン株感染の夏に向けての再拡大、米国金利引き上げがもたらした急激な円安が重くのしかかりました。世界的な燃料、原料相場の高騰と円安により企業物価指数は今年に入り前年同月比9%を超える上昇が続いていますが、消費者物価指数も4月以降前年同月比2.5%を超えて上昇、このため実質賃金は4月以降8月まで5か月連続で前年同月比マイナスとなり、消費者の節約志向はより強くなってきました。
鶏卵相場は、昨年後半より低迷していた本州の鶏卵相場が高騰している飼料価格を背景とした採卵鶏羽数調整により9月以降ようやく上昇局面に入りました。一方道内においては4月以降の堅調な相場が9月末まで続き、この結果第2四半期(2022年4月1日~2022年9月30日)における鶏卵相場の北海道Mサイズ平均は1キロ252円(前年同四半期比8円22銭高)、東京Mサイズ平均は1キロ212円34銭(同26円22銭安)となりました。
鶏卵生産コストの6割を占める飼料価格は主原料たるトウモロコシ相場の高止まりに円安が加わり、第2四半期も1トン1万1千円を超える値上げとなり、これで3四半期連続の値上げとなっております。
当社は飼料価格、原材料価格、物流費の高騰に対処するため引き続き付加価値卵の拡売、鶏卵販売価格の改定に注力しました。この結果、売上高は8,198百万円となり、営業利益は618百万円、経常利益は655百万円、四半期純利益は452百万円となりました。
①資産
当第2四半期会計期間末における資産合計は前事業年度末に比べて612百万円増加し16,161百万円となりました。
流動資産は前事業年度末に比べて552百万円増加し4,400百万円となりました。これは、主として現金及び預金が350百万円減少した一方で、受取手形及び売掛金が235百万円、その他が630百万円それぞれ増加したこと等によるものです。
固定資産は前事業年度末に比べて59百万円増加し11,761百万円となりました。これは、主として有形固定資産の建物が428百万円、機械及び装置が452百万円増加した一方で、有形固定資産のその他が618百万円、投資その他の資産が262百万円それぞれ減少したこと等によるものです。
②負債
当第2四半期会計期間末における負債合計は前事業年度末に比べて287百万円増加し5,682百万円となりました。
流動負債は前事業年度末に比べて522百万円増加し3,930百万円となりました。これは、主として買掛金が314百万円、短期借入金が300百万円増加した一方で、1年内返済予定の長期借入金が48百万円、その他が125百万円それぞれ減少したこと等によるものです。
固定負債は前事業年度末に比べて235百万円減少し1,751百万円となりました。これは、主として長期借入金が233百万円減少したこと等によるものです。
③純資産
当第2四半期会計期間末における純資産合計は前事業年度末に比べて324百万円増加し10,479百万円となりました。これは、主として利益剰余金が325百万円増加したこと等によるものです。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期会計期間末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末に比べ、350百万円減少し、1,498百万円となりました。
当第2四半期累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期累計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは、517百万円の収入となりました。これは主として税引前四半期純利益704百万円の計上、減価償却費537百万円の計上等による資金の増加が、その他の589百万円及び法人税等の支払額142百万円等による資金の減少を上回ったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期累計期間の投資活動によるキャッシュ・フローは、747百万円の支出となりました。これは主として有形固定資産の取得による支出900百万円等による資金の減少が、子会社の清算による収入178百万円等の増加を上回ったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期累計期間の財務活動によるキャッシュ・フローは、120百万円の支出となりました。これは主として長期借入金の返済281百万円、配当金の支払額126百万円等による資金の減少が、短期借入金の増加額300百万円を上回ったことによるものであります。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4)経営方針・経営戦略等
当第2四半期累計期間において、当社が定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① 販売価格の改定
世界的なエネルギー、各種原料価格の高騰と急速な円安による鶏卵生産コスト上昇に対処するため、引き続き鶏卵販売価格のすみやかな改定が必要となっています。当社は生産性向上により原価削減に最大限注力するとともに、取引先の理解を求めたうえで価格の改定を進めてまいります。
② ケージフリー卵の販売
当社宮城県の農場で生産されるケージフリー卵の本格的な販売が今年9月から始まりました。東海から関東を経て北海道に至る市場においてこの販売を軌道に乗せることが喫緊の課題となります。当社はアニマルウェルフェアへの意識の高い消費者に対し本商品の認知度を高めるようマーケティング活動を進め、市場への定着を図ってまいります。
なお、ロシア軍によるウクライナ侵攻は長期化の様相を呈しており、これに伴う世界的なインフレ傾向と円安にも歯止めがかかっておりません。さらに10月以降日本国内6か所の養鶏場で鳥インフルエンザの感染が確認され、今後の感染拡大が懸念されます。これらの情勢及び新型コロナウイルスの状況などの今後の経緯によっては当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(6)研究開発活動
該当事項はありません。