【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当第1四半期会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
①財政状態の状況
当第1四半期会計期間末における財政状態は、資産合計は2,930,598千円(前事業年度末比1.7%増)、負債合計は1,369,718千円(前事業年度末比1.4%増)、純資産合計は1,560,880千円(前事業年度末比2.0%増)となりました。
(流動資産)
当第1四半期会計期間末における流動資産は、前事業年度末より62,556千円増加し、2,639,774千円となりました。これは主に、現金及び預金が91,090千円減少したこと、また売掛金及び契約資産が147,937千円増加したこと等によるものであります。
(固定資産)
当第1四半期会計期間末における固定資産は、前事業年度末より13,461千円減少し、290,824千円となりました。これは主に、新卒採用にかかる長期前払費用の流動資産への振替により14,360千円減少したこと等によるものであります。
(流動負債)
当第1四半期会計期間末における流動負債は、前事業年度末より34,607千円増加し、803,283千円となりました。これは主に、買掛金が31,806千円減少し、未払法人税等が18,069千円減少した一方で、未払消費税等が43,424千円増加し、前受金が36,637千円増加したこと等によるものであります。
(固定負債)
当第1四半期会計期間末における固定負債は、前事業年度末より16,095千円減少し、566,435千円となりました。これは、長期借入金が16,095千円減少したことによるものであります。
(純資産)
当第1四半期会計期間末における純資産は、前事業年度末より30,582千円増加し、1,560,880千円となりました。これは主に、四半期純利益26,306千円の計上により利益剰余金が増加したこと等によるものであります。
②経営成績の状況
当社は、コーポレートビジョンである「あるべき未来をクラウドでカタチにする」のもと、クラウド先端テクノロジーとデザインで企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援するマルチクラウド・インテグレーターです。
当第1四半期累計期間におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症の5類移行に伴う行動制限の緩和が進み、経済活動の回復が進展しつつある一方で、物価上昇、金利上昇、海外経済の減速懸念等、先行き不透明感が継続しております。
当社が属するDX市場に関して、DXには様々定義がありますが、日本経済団体連合会によれば、単純な改善や自動化、効率化をもってDXとは言い難く、社会の根本的な変化に対して、新たな価値を創出するための改革がDXと定義されております(出典:日本経済団体連合会「Digital Transformation(DX)」2020年5月19日)。コスト削減を目的とした、紙からデジタルへの置き換えといった社内のアナログな業務やデータをデジタル化する「守りのDX」から、収益や顧客エンゲージメントの向上を目的とした、新しい顧客体験を創出する「攻めのDX」にシフトすることが求められています。「攻めのDX」のステップとして、顧客接点の変革、サービス商品の変革、最後にビジネスモデルの変革となり、達成難度も高く、これを実現すると企業の高い競争力が獲得でき、この「攻めのDX」こそがDXの本質と言えます。
日本企業において、ビジネス変革等の「攻めのDX」の必要性を強く感じる割合が約9割となりますが、その背景にはデジタル技術の普及による自社の優位性や競争力が低下することの懸念があります。(出典:独立行政法人情報処理推進機構(IPA)「デジタル・トランスフォーメンション推進人材の機能と役割のあり方に関する調査 (2019年5月17日)」)一方で、DXが成功した企業の割合はわずか6.6%(出典:アビームコンサルティング株式会社「日本企業にとってのDXの本質(2020年度)」)であり、DX推進の上位課題に「デジタル人材・スキルの不足」といった人や組織の課題(出典:総務省「令和3年版情報通信白書(2021年7月30日)」)が挙げられております。
さらに、新型コロナウイルス感染症の流行拡大の影響により、各企業においてはリモートコミュニケーションを含めた業務のオンラインへのサービス転換や柔軟な労働環境への急速なシフト等の取り組みが加速しており、DXは喫緊の経営課題となっております。
このような環境下、国内DX市場の規模は、2021年度の2兆3,174億円から2030年度には6兆5,195億円に拡大すると予測されております(出典:株式会社富士キメラ総研「2023 デジタルトランスフォーメーション市場の将来展望」)。また、DX実現を支える国内パブリッククラウドサービス市場は2022年~2027年にかけて16.8%の年平均成長率で推移し、2027年の市場規模は2022年比2.2倍の4兆9,278億円になることが予測されております(出典:IDC Japan株式会社「国内パブリッククラウドサービス市場予測、2023年~2027年」)。
当社においては、「クラウドインテグレーションサービス」及び「Cariotサービス」の2つのサービスについて事業運営を行ってまいりました。なお、当社の事業はクラウドソリューション事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載は省略しております。
(クラウドインテグレーションサービス) 当第1四半期累計期間において、持続的な成長を見据えて新規顧客の獲得に注力した結果、今後の取引拡大が期待できる大手企業顧客を多数獲得しました。大手企業(注1)の「四半期契約顧客数(注2)」は40社(前年同期は34社。前四半期は33社)となり、大手企業の「顧客当たりの四半期平均売上高(ARPA)(注3)」については33.2百万円(前年同期は30.8百万円。前四半期は41.7百万円)となりました。
取り組みとしては、従来からの強みであるIoT/MobilityやAIのサービスづくり、法人向けECサービス(B2B)やリアル店舗と連携するECサービス(B2C)、顧客とつながるコミュニティサービス、API(注4)連携及びID統合のプラットフォーム構築による顧客体験の向上といった「攻めのDX」を支援しました。
引き続き、大手企業の主力事業領域におけるSalesforceプラットフォームを活用したマルチクラウド案件が業績貢献しています。なお、事業領域の拡大に向けて官公庁や公共領域の体制を強化するなか、経済産業省からSalesforce案件を受注しました。当社初となる中央省庁との直接契約となっており、今後の取引拡大を図ってまいります。
当社の強みの一つであるAPI連携プラットフォームのMuleSoft導入支援については、既存顧客の継続開発に加え、多数の新規顧客を獲得しました。初期開発はスモールスタートですが、第2四半期以降の開発規模拡大を見込んでいます。
新たに注力しているOktaを活用したID統合プラットフォームの導入支援については、既存顧客の継続開発を受注しながら、新規引き合いに対する提案活動を進めています。
2023年3月期第3四半期で発生した不採算プロジェクトについては、予定通りに当第1四半期末で納品検収が完了したものの、一部追加対応が発生したため、第2四半期に対応することとなりました。他のプロジェクトは順調に進捗していることから、追加対応に関する増加コストは吸収できるものと見込んでいます。
クラウドエンジニア等の専門職従業員数(注5)については、新卒25人の入社を含め、2023年6月末時点で233人(前年同期は148人、前四半期は192人)と、計画を上回るペースで増加しました。
注
1. 大手企業:日経225、日経400、日経500のいずれかに採用されている企業、または当該企業のグループ企業や当該企業に準ずる売上規模(1,000億円以上)を有している企業
2. 四半期契約顧客数:再販案件を除いた四半期会計期間における契約顧客数。再販案件とは当社が仕入れたラ
イセンスを顧客に再販売するリセールにあたり、当社においては金額が僅少なため、当該顧客は除く
3. 顧客当たりの四半期平均売上高(ARPA):Average Revenue per Account の略(顧客当たりの平均売上高)で、再販案件を除いた顧客当たりの四半期平均売上高。再販案件を除いた四半期売上高÷四半期契約顧客数により算出
4. API:Application Programming Interfaceの略でソフトウエア同士が互いに情報をやりとりするのに使用するインタフェース仕様
5. 事務職を除いたクラウドインテグレーションサービス部門のエンジニア、マネージャー等の専門職
(Cariotサービス)
当第1四半期累計期間において、「クルマと企業をつなぐドライバー働き方改革クラウド」のサービスコンセプトのもと、製品競争力を向上させました。具体的には、リアルタイム位置情報機能や運転報告機能のユーザビリティ向上に加え、車載デバイス取得データの品質向上を実現しました。マーケティング及び営業活動においては、ターゲット顧客である中小企業に注力したことで、契約数は307件と過去最高を更新しました。引き続き、競争優位性が生かせる領域へ注力しながら着実な事業展開を図っていきます。
上記により、当第1四半期累計期間における当社の経営成績は、売上高1,483,932千円(前年同期比26.5%増)、売上総利益582,386千円(前年同期比28.9%増)、営業利益37,736千円(前第1四半期累計期間は26,980
千円の損失)、経常利益37,380千円(前第1四半期累計期間は27,862千円の損失)、四半期純利益26,306千円
(前第1四半期累計期間は20,022千円の損失)となりました。
(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(3)経営方針・経営戦略等
当第1四半期累計期間において、当社が定めている経営方針、経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期累計期間において、当社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について新たに発生した重要な課題及び重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第1四半期累計期間における当社の研究開発活動の金額は、6,732千円であります。これは既存サービスの付加価値向上と新規サービスの研究開発を目的とした活動によるものであります。
なお、当第1四半期累計期間において当社の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6)経営成績に重要な影響を与える要因
経営成績に重要な影響を与えると推測される要因は、事業等のリスクに記載したとおりであります。
(7)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社の運転資金需要のうち主なものは、クラウドインテグレーションサービスにおける労務費及び外注費、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。また、投資を目的とした資金需要は、Cariotサービス及び社内利用の受注管理システムに係るソフトウエア開発費用等によるものであります。
なお、当社の資金の源泉は主に借入等によるものであります。
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