【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当第3四半期会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
①財政状態の状況
当第3四半期会計期間末における財政状態は、資産合計は2,703,485千円(前事業年度末比0.4%増)、負債合計は1,298,075千円(前事業年度末比7.3%減)、純資産合計は1,405,409千円(前事業年度末比8.8%増)となりました。
(流動資産)
当第3四半期会計期間末における流動資産は、前事業年度末より12,473千円減少し、2,412,729千円となりました。これは主に、現金及び預金が373,873千円減少したこと、また売掛金及び契約資産が364,756千円増加したこと等によるものであります。
(固定資産)
当第3四半期会計期間末における固定資産は、前事業年度末より23,609千円増加し、290,755千円となりました。これは主に、有形固定資産が38,689千円増加した一方で無形固定資産が9,470千円減少したこと等によるものであります。
(流動負債)
当第3四半期会計期間末における流動負債は、前事業年度末より67,407千円減少し、699,450千円となりました。これは主に、設備未払金が32,708千円減少したこと、未払法人税等が48,049千円減少したこと等によるものであります。
(固定負債)
当第3四半期会計期間末における固定負債は、前事業年度末より35,004千円減少し、598,625千円となりました。これは主に、長期借入金が34,485千円減少したこと等によるものであります。
(純資産)
当第3四半期会計期間末における純資産は、前事業年度末より113,548千円増加し、1,405,409千円となりました。これは主に四半期純利益101,142千円の計上により利益剰余金が同額増加したこと等によるものであります。
②経営成績の状況
当社は、コーポレートビジョンである「あるべき未来をクラウドでカタチにする」のもと、クラウド先端テクノロジーとデザインで企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援するマルチクラウド・インテグレーターです。 当第3四半期累計期間におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症に係る行動制限の緩和が進み、経済活動の回復が進展しつつある一方で、物価上昇、海外経済の減速懸念等、先行き不透明感が継続しております。
当社が属するDX市場に関して、DXには様々定義がありますが、日本経済団体連合会によれば、単純な改善や自動化、効率化をもってDXとは言い難く、社会の根本的な変化に対して、新たな価値を創出するための改革がDXと定義されております(出典:日本経済団体連合会「Digital Transformation(DX)」2020年5月19日)。コスト削減を目的とした、紙からデジタルへの置き換えといった社内のアナログな業務やデータをデジタル化する「守りのDX」から、収益や顧客エンゲージメントの向上を目的とした、新しい顧客体験を創出する「攻めのDX」にシフトすることが求められています。「攻めのDX」のステップとして、顧客接点の変革、サービス商品の変革、最後にビジネスモデルの変革となり、達成難度も高く、これを実現すると企業の高い競争力が獲得でき、この「攻めのDX」こそがDXの本質と言えます。
日本企業において、ビジネス変革等の「攻めのDX」の必要性を強く感じる割合が約9割となりますが、その背景にはデジタル技術の普及による自社の優位性や競争力が低下することの懸念があります(出典:独立行政法人情報処理推進機構(IPA)「デジタル・トランスフォーメンション推進人材の機能と役割のあり方に関する調査(2019年5月17日)」)。一方で、DXが成功した企業の割合はわずか6.6%(出典:アビームコンサルティング株式会社「日本企業にとってのDXの本質(2020年度)」)であり、DX推進の上位課題に「デジタル人材・スキルの不足」といった人や組織の課題(出典:総務省「令和3年版情報通信白書(2021年7月30日)」)が挙げられております。
さらに、新型コロナウイルス感染症の流行拡大の影響により、各企業においてはリモートコミュニケーションを含めた業務のオンラインへのサービス転換や柔軟な労働環境への急速なシフト等の取り組みが加速しており、DXは喫緊の経営課題となっております。
このような環境下、国内DX市場の規模は、2020年度の1兆3,821億円から2030年度には5兆1,957億円に拡大すると予測されております(出典:株式会社富士キメラ総研「2022 デジタルトランスフォーメーション市場の将来展望」)。また、DX実現を支える国内パブリッククラウドサービス市場は2021年~2026年にかけて18.8%の年平均成長率で推移し、2026年の市場規模は2021年比2.3倍の3兆7,586億円になることが予測されております(出典:IDC Japan株式会社「国内パブリッククラウドサービス市場予測、2022年~2026年」)。
当社においては、「クラウドインテグレーションサービス」及び「Cariotサービス」の2つのサービスについて事業運営を行ってまいりました。なお、当社の事業はクラウドソリューション事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載は省略しております。
(クラウドインテグレーションサービス) 当第3四半期累計期間において、旺盛なDX支援の引き合いを背景に、既存顧客の取引拡大に注力した結果、過去最高の四半期及び第3四半期累計売上高となりました。大手企業(注1)の「四半期契約顧客数(注2)」は34社(前年同期は34社。前四半期は37社)となり、大手企業の「顧客当たりの四半期平均売上高(ARPA)(注3)」については35.5百万円(前年同期は23.2百万円。前四半期は30.2百万円)と大幅に増加して推移しております。
取り組みとしては、従来からの強みであるIoT/MobilityやAIのサービスづくり、またコロナ禍においてはB2B向け/リアル店舗と連携するECサービス、企業オリジナルのオンラインビデオや顧客とつながるコミュニティサービスの開発といった「攻めのDX」を支援しました。
大手企業の主力事業領域におけるSalesforceプラットフォームを採用したマルチクラウド案件に加え、強みとして注力しているAPI(注4)連携プラットフォームのMuleSoft導入支援について、既存顧客の継続開発が進展し、業績貢献しました。
一方で、第1四半期に発生したプロジェクト品質低下に起因した一過性のコスト増の事案は収束したものの、新たに、開発リソースの追加を要するプロジェクトが発生し、第3四半期においてプロジェクト損失を計上しました。今後見込まれる損失は、受注損失引当金繰入額として計上しており、第4四半期以降は利益率の改善を見込んでいます。
クラウドエンジニア等の専門職従業員(注5)数については、採用強化の各種施策により、中途採用が好調に推移した結果、期初計画を上回り2022年12月末時点で174人(前年同期は112人、前四半期は160人)に増加しました。
注
1. 大手企業:日経225、日経400、日経500のいずれかに採用されている企業、または当該企業のグループ企業や
当該企業に準ずる売上(1,000億円以上)規模の企業
2. 四半期契約顧客数:再販案件を除いた四半期会計期間における契約顧客数。再販案件とは当社が仕入れたライ
センスを顧客に再販売するリセールにあたり、当社においては金額が僅少なため、当該顧客は除く
3. 顧客当たりの四半期平均売上高(ARPA):Average Revenue per Accountの略(顧客当たりの平均売上
高)で、再販案件を除いた顧客当たりの四半期平均売上高。再販案件を除いた四半期売上高÷四半期契約顧客数により算出
4. API:Application Programming Interfaceの略でソフトウエア同士が互いに情報をやりとりするのに使用す
るインタフェース仕様
5. クラウドエンジニア等の専門職従業員:事務職を除いたクラウドインテグレーションサービス部門のエンジ
ニア、マネージャー等の専門職
(Cariotサービス)
当第3四半期累計期間において、「クルマと企業をつなぐドライバー働き方改革クラウド」をサービスコンセプトに掲げ、製品競争力を継続的に向上させました。取り組みとして、紙の運転日報をデジタルに置き換えるための運転報告機能を大幅にアップデートしました。企業毎に入力する項目を自由に設定でき、領収書や作業実績の証拠写真をアップロードする機能も搭載し、業務上必要なデータをデジタルで管理することができます。
マーケティングにおいては、オンラインマーケティングを中心に新機能のモニターキャンペーンによる販売促進策を実施、また車両用途毎の合同説明会や製品の活用セミナーの開催も継続展開しました。結果として、新規顧客の獲得と、既存顧客からの追加受注においても成果を得ました。
一方で、安全運転管理など一部の機能利用にとどまる顧客のコスト削減により解約が発生しました。引き続き、競争優位性が生かせるターゲット領域へ注力しながら着実な事業展開を図っていきます。
上記により、当第3四半期累計期間における当社の経営成績は、売上高3,778,977千円(前年同期比49.2%増)、売上総利益1,440,255千円(前年同期比30.9%増)、営業利益142,982千円(前年同期比38.9%減)、経常利益140,749千円(前年同期比36.1%減)、四半期純利益101,142千円(前年同期比45.9%減)となりました。
(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(3)経営方針・経営戦略等
当第3四半期累計期間において、当社が定めている経営方針、経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期累計期間において、当社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について新たに発生した重要な課題及び重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第3四半期累計期間における当社の研究開発活動の金額は、22,271千円であります。これは主に既存サービスの付加価値向上と新規サービスの研究開発を目的とした活動によるものであります。
なお、当第3四半期累計期間において当社の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6)経営成績に重要な影響を与える要因
経営成績に重要な影響を与えると推測される要因は、事業等のリスクに記載したとおりであります。
(7)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社の運転資金需要のうち主なものは、クラウドインテグレーションサービスにおける労務費及び外注費、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。また、投資を目的とした資金需要は、Cariotサービス及び社内利用の受注管理システムに係るソフトウエア開発費用等によるものであります。
なお、当社の資金の源泉は主に借入とエクイティファイナンス等によるものであります。
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