【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 経営成績の状況 当第2四半期連結累計期間(2023年4月1日~2023年9月30日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の5類感染症への移行や各種政策の効果もあり、雇用情勢や企業収益が改善する中で、個人消費や設備投資は持ち直しの動きが続いており、景気が緩やかに回復しておりますが、物価上昇や金融資本市場の変動等による下振れリスクにより、先行き不透明な状況が続いております。ドラッグストア業界におきましても、業種・業態を越えた競合企業の新規出店、商勢圏拡大に向けた新たなエリアへの侵攻、M&Aによる規模拡大、同質化する異業種との競争、それらが要因となる狭小商圏化など、当社を取り巻く経営環境は厳しい状況が継続しております。このような環境の中、当社グループの重点戦略は国内とグローバルに分け設定し、国内戦略として「お客様のライフステージに応じた価値提供」を戦略テーマに3つの重点戦略、①利便性の追求-お客様との繋がりの深化、②独自性の追求-体験やサービス提供の新化、③専門性の追求-トータルケアの進化と、グローバル戦略として「アジア市場での更なるプレゼンス向上」を戦略テーマに④グローバル事業の更なる拡大を重点戦略として設定し取組んでおります。PB(プライベートブランド)商品につきましては、パーソナライズを基軸にした新発想のヘアケアブランド「MQURE(エムキュア)」の販売を開始するとともに、順次新商品の展開を進めております。また、自社オンラインストアの店舗配送サービス「マツキヨココカラ Q(キュー)」が本稼働するとともに、2023年6月よりマツモトキヨシグループとココカラファイングループのポイントサービス機能を統合し、1枚のカードで両グループ店舗のポイント付与及び使用が相互で利用できるようにすることによりお客様の利便性の向上を図っております。なお、経営統合によるシナジー実現に向けた取組みにつきましても、引き続き計画通り順調に進捗しております。2023年9月末現在における当社グループの顧客接点数は、1億4,137万となり、国内店舗数は3,431店舗(うち調剤薬局数951店舗、健康サポート薬局数140店舗)となりました。今後も4つの重点戦略を実行することで収益改善を図ってまいります。
これらの結果、当第2四半期連結累計期間における主な経営成績は次のとおりであります。
前第2四半期連結累計期間(百万円)
当第2四半期連結累計期間(百万円)
増減額(百万円)
増減率(%)
売上高
465,075
507,766
42,691
9.2
営業利益
28,322
37,554
9,232
32.6
経常利益
30,635
40,068
9,433
30.8
親会社株主に帰属する四半期純利益
18,504
25,838
7,334
39.6
セグメントの業績概況について<マツモトキヨシグループ事業>マツモトキヨシグループ事業では、4つの重点戦略に対して、以下の取組みを実行いたしました。①利便性の追求-お客様との繋がりの深化として、社会全体のデジタル化が進み、お客様のライフスタイルが変化しつつある中で、一人ひとりのお客様と深く繋がっていくことでニーズを的確に捉え、最も身近な存在となることが必要と考えております。そのため、デジタルと店舗網を活用したお客様に届ける仕組みづくり、様々な買い物スタイルの提供など、利便性を追求していくことで、お客様により深く寄り添う営業を目指しております。②独自性の追求-体験やサービス提供の新化として、激しい競争環境の中で、お客様との様々な接点から蓄積されたデータと高いマーケティング分析力を活かし、お客様の価値観に基づいた商品・サービスや店舗モデルの開発、メーカー様向け広告配信事業の展開など、マツモトキヨシグループならではの独自性を追求していくことで、お客様に選ばれる企業を目指しております。③専門性の追求-トータルケアの進化として、少子高齢化が進み、健康長寿社会の実現を目指すわが国においては、様々なお客様のライフステージに応じた質の高いサービスを提供することで、地域社会により大きな安心と喜びを提供していくことが求められていると考えております。そのため、セルフメディケーションの推進やオンラインを活用した服薬指導・接客などに加え、心と身体の両面でのビューティーケアなど、専門性を追求していくことで、地域包括ケアシステムを支え、すべての人がいつまでも美しく、健康で心豊かな生活を送れるよう取組んでおります。④グローバル事業の更なる拡大では、アジアを中心とした新たな進出国の開拓や海外店舗展開、越境EC事業の拡大を図るため、海外SNSの活用やグローバル会員獲得によるアプローチ強化、グローバルで活躍する人材の開発、海外で支持される商品の開発などに積極的に取組むことで、美と健康への意識が高まっているアジア地域での事業規模拡大とプレゼンス向上を目指しております。PB(プライベートブランド)商品につきましては、「matsukiyo」から男性向け韓国スタイルのメイクシリーズ「iisam(イイサム)」の展開をスタートしたほか、「matsukiyo LAB」からアスリートライン及びサステナブルロカボライン、「ザ・レチノタイム」「レプリカノーツ」等よりそれぞれ新商品を発売いたしました。2023年9月末現在におけるマツモトキヨシグループの国内店舗数は1,878店舗(うち調剤薬局数427店舗、健康サポート薬局数37店舗)となり、薬局経営支援サービスである調剤サポートプログラムの加盟店舗数は212店舗まで拡大いたしました。また、海外店舗数は、タイ王国で23店舗、台湾で22店舗、ベトナム社会主義共和国で7店舗、香港で7店舗の合計59店舗となりました。マツモトキヨシグループでは、新型コロナウイルス感染症の5類感染症移行に伴う都市部や繁華街、商業施設内等の人流の拡大や夏の猛暑により、医薬品及び化粧品、新発売やリニューアルしたPB(プライベートブランド)商品の売上が好調に推移いたしました。なお、インバウンドにつきましては、コロナ禍の中でも免税対応店舗数を戦略的に拡大したことで、回復しつつある需要の獲得に繋がっております。
<ココカラファイングループ事業>ココカラファイングループ事業では、「利便性の追求-お客様との繋がりの深化」「独自性の追求-体験やサービス提供の新化」「専門性の追求-トータルケアの進化」という3つの国内重点戦略に対して、マツモトキヨシグループと同様の取組みを実行いたしました。ココカラファイングループでは、新型コロナウイルス感染症の5類感染症移行に伴う都市部や繁華街、駅前等の人流の拡大や夏の猛暑により、医薬品及び化粧品、新発売やリニューアルしたPB(プライベートブランド)商品の売上が好調に推移いたしました。また、販促策では、マツモトキヨシグループで培ったKPI(重要業績評価指標)管理を徹底し、ロイヤルカスタマーの醸成を図ることで、更なる収益性の改善に努めました。なお、2023年9月末現在におけるココカラファイングループの国内店舗数は1,553店舗(うち調剤薬局数524店舗、健康サポート薬局数103店舗)となりました。
[国内店舗の出店・閉店の状況]国内店舗の出店・閉店の状況は次の通りであります。
(単位:店舗)
2023年3月31日現在の店舗数
出店
閉店
2023年9月30日現在の店舗数
マツモトキヨシグループ
1,863
36
21
1,878
ココカラファイングループ
1,546
20
13
1,553
合計
3,409
56
34
3,431
<管理サポート事業>管理サポート事業では、当社グループ会社が取り扱う商品の仕入や当社グループ会社の経営管理・統轄、その間接業務の受託業務、当社グループ会社からの配当金収入及び、外部への商品供給・施工業務・広告宣伝等を行っており、業務活動の範囲も拡大しております。
これらの結果、セグメントの業績は次のとおりであります
前第2四半期連結累計期間(百万円)
当第2四半期連結累計期間(百万円)
増減額(百万円)
増減率(%)
マツモトキヨシグループ事業
売上高
276,276
312,678
36,402
13.2
セグメント利益
18,801
24,720
5,919
31.5
ココカラファイングループ事業
売上高
187,510
193,926
6,415
3.4
セグメント利益
9,311
11,193
1,882
20.2
管理サポート事業
売上高
280,789
332,714
51,924
18.5
セグメント利益
4,285
29,916
25,630
598.0
調整額
売上高
△279,500
△331,551
△52,051
-
セグメント利益
△4,076
△28,276
△24,199
-
合計
売上高
465,075
507,766
42,691
9.2
セグメント利益
28,322
37,554
9,232
32.6
(2) 財政状態の状況 当第2四半期連結会計期間末における総資産につきましては、前連結会計年度末に比べて247億84百万円増加して7,129億16百万円となりました。これは主に現金及び預金が86億24百万円、流動資産その他が80億40百万円、商品が27億83百万円増加したこと等によるものであります。負債につきましては、43億69百万円増加して2,097億83百万円となりました。これは主に買掛金が71億10百万円、固定負債その他が42億26百万円増加したものの、退職給付に係る負債が55億24百万円、流動負債その他が15億18百万円減少したこと等によるものであります。純資産につきましては、204億14百万円増加して5,031億32百万円となりました。これは主に、利益剰余金が195億59百万円、その他有価証券評価差額金が20億22百万円増加したこと等によるものであります。
(3) キャッシュ・フローの状況当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は1,038億49百万円となり、前連結会計年度末と比較して86億24百万円の増加となりました。当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果獲得した資金は、301億60百万円(前年同期は286億50百万円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前四半期純利益403億23百万円の計上によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果使用した資金は、127億55百万円(前年同期は110億24百万円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出73億57百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果使用した資金は、88億7百万円(前年同期は87億24百万円の使用)となりました。これは主に、配当金の支払額62億83百万円や、自己株式の取得による支出17億45百万円によるものであります。
(資本の財源及び資金の流動性)当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、主に営業活動により得られた資金を新規出店に係る設備投資に充当しております。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題 当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5) 研究開発活動 該当事項はありません。