【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 経営成績の状況当第1四半期連結累計期間(2023年4月1日~2023年6月30日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の5類感染症への移行や各種政策の効果もあり、雇用情勢や企業収益が改善する中で、個人消費や設備投資は持ち直しの動きが続いており、景気が緩やかに回復しておりますが、物価上昇や金融資本市場の変動等による下振れリスクにより、先行き不透明な状況が続いております。ドラッグストア業界におきましても、業種・業態を越えた競合企業の新規出店、商勢圏拡大に向けた新たなエリアへの侵攻、M&Aによる規模拡大、同質化する異業種との競争、それらが要因となる狭小商圏化など、当社を取り巻く経営環境は厳しい状況が継続しております。このような環境の中、当社グループの重点戦略は国内とグローバルに分け設定し、国内戦略として「お客様のライフステージに応じた価値提供」を戦略テーマに3つの重点戦略、①利便性の追求-お客様との繋がりの深化、②独自性の追求-体験やサービス提供の新化、③専門性の追求-トータルケアの進化と、グローバル戦略として「アジア市場での更なるプレゼンス向上」を戦略テーマに④グローバル事業の更なる拡大を重点戦略として設定し取組んでおります。PB(プライベートブランド)商品につきましては、パーソナライズを基軸にした新発想のヘアケアブランド「MQURE(エムキュア)」の販売を開始するとともに、順次新商品の展開を進めております。また、自社オンラインストアの店舗配送サービス「マツキヨココカラ Q(キュー)」が本稼働するとともに、2023年6月よりマツモトキヨシグループとココカラファイングループのポイントサービス機能を統合し、1枚のカードで両グループ店舗のポイント付与及び使用が相互で利用できるようにすることによりお客様の利便性の向上を図っております。なお、経営統合によるシナジー実現に向けた取組みにつきましても、引き続き計画通り順調に進捗しております。2023年6月末現在における当社グループの顧客接点数は、1億3,734万となり、国内店舗数は3,420店舗(うち調剤薬局数935店舗、健康サポート薬局数144店舗)となりました。今後も4つの重点戦略を実行することで収益改善を図ってまいります。
これらの結果、当第1四半期連結累計期間における主な経営成績は次のとおりであります。
前第1四半期連結累計期間(百万円)
当第1四半期連結累計期間(百万円)
増減額(百万円)
増減率(%)
売上高
227,209
248,222
21,012
9.2
営業利益
12,360
17,450
5,090
41.2
経常利益
13,563
18,645
5,081
37.5
親会社株主に帰属する四半期純利益
7,930
11,997
4,067
51.3
セグメントの業績は次のとおりであります。
前第1四半期連結累計期間(百万円)
当第1四半期連結累計期間(百万円)
増減額(百万円)
増減率(%)
マツモトキヨシグループ事業
売上高
134,802
152,810
18,007
13.4
セグメント利益
8,909
11,783
2,873
32.2
ココカラファイングループ事業
売上高
91,911
94,894
2,983
3.2
セグメント利益
3,548
4,987
1,438
40.5
管理サポート事業
売上高
140,740
178,809
38,069
27.0
セグメント利益
3,996
29,047
25,050
626.8
調整額
売上高
△140,244
△178,292
△38,047
-
セグメント利益
△4,094
△28,367
△24,273
-
合計
売上高
227,209
248,222
21,012
9.2
セグメント利益
12,360
17,450
5,090
41.2
<マツモトキヨシグループ事業>4つの重点戦略に対して、以下の取組みを実行いたしました。①利便性の追求-お客様との繋がりの深化として、社会全体のデジタル化が進み、お客様のライフスタイルが変化しつつある中で、一人ひとりのお客様と深く繋がっていくことでニーズを的確に捉え、最も身近な存在となることが必要と考えております。そのため、デジタルと店舗網を活用したお客様に届ける仕組みづくり、様々な買い物スタイルの提供など、利便性を追求していくことで、お客様により深く寄り添う営業を目指しております。②独自性の追求-体験やサービス提供の新化として、激しい競争環境の中で、お客様との様々な接点から蓄積されたデータと高いマーケティング分析力を活かし、お客様の価値観に基づいた商品・サービスや店舗モデルの開発、メーカー様向け広告配信事業の展開など、マツモトキヨシグループならではの独自性を追求していくことで、お客様に選ばれる企業を目指しております。PB(プライベートブランド)商品につきましては、「matsukiyo」から男性向け韓国スタイルのメイクシリーズ「iisam(イイサム)」の展開をスタートしたほか、「ザ・レチノタイム」「matsukiyo LAB」「レプリカノーツ」等からそれぞれ新商品を発売いたしました。③専門性の追求-トータルケアの進化として、少子高齢化が進み、健康長寿社会の実現を目指すわが国においては、様々なお客様のライフステージに応じた質の高いサービスを提供することで、地域社会により大きな安心と喜びを提供していくことが求められていると考えております。そのため、セルフメディケーションの推進やオンラインを活用した服薬指導・接客などに加え、心と身体の両面でのビューティーケアなど、専門性を追求していくことで、地域包括ケアシステムを支え、すべての人がいつまでも美しく、健康で心豊かな生活を送れるよう取組んでおります。2023年6月末現在、調剤薬局数は414店舗となり、厚生労働省の認可を受けた健康サポート薬局数は41店舗となりました。また、薬局経営支援サービスである調剤サポートプログラムの加盟店舗数は198店舗まで拡大いたしました。④グローバル事業の更なる拡大では、アジアを中心とした新たな進出国の開拓や海外店舗展開、越境EC事業の拡大を図るため、海外SNSの活用やグローバル会員獲得によるアプローチ強化、グローバルで活躍する人材の開発、海外で支持される商品の開発などに積極的に取組むことで、美と健康への意識が高まっているアジア地域での事業規模拡大とプレゼンス向上を目指しております。海外店舗展開として、2023年6月末の海外店舗数は、タイ王国で23店舗、台湾で21店舗、ベトナム社会主義共和国で5店舗、香港で6店舗の合計55店舗となりました。
また、マツモトキヨシグループでは、新型コロナウイルス感染症が5類感染症に移行されたことに伴い、都市部や繁華街、商業施設内等の人流が拡大したことで、医薬品及び化粧品、新発売やリニューアルしたPB(プライベートブランド)商品も順調に拡大しました。なお、この3年間に及ぶコロナ禍の中でも免税対応店舗数を戦略的に拡大したことで、回復しつつあるインバウンド需要の獲得にも繋がっております。
<ココカラファイングループ事業>「利便性の追求-お客様との繋がりの深化」「独自性の追求-体験やサービス提供の新化」「専門性の追求-トータルケアの進化」という3つの国内重点戦略に対して、マツモトキヨシグループと同様の取組みを実行いたしました。また、ココカラファイングループでは、新型コロナウイルス感染症が5類感染症に移行されたことに伴い、都市部の店舗や駅前立地の店舗を中心に医薬品及び化粧品、新発売やリニューアルしたPB(プライベートブランド)商品が好調に推移すると共に、マツモトキヨシグループで培ったKPI(重要業績評価指標)管理を徹底し、ロイヤルカスタマー醸成に向けた効率的かつ効果的な販促策を実行することで、更なる収益性の改善に努めてまいりました。なお、2023年6月末現在、調剤薬局数は521店舗となり、健康サポート薬局数は103店舗となりました。
国内店舗の出退店の状況につきましては、次のとおりであります。当第1四半期連結累計期間は、今後の成長に向けた店舗網の最適化を図るため、人的・物的な経営資源を有効に活用し、個別店舗における店歴や店舗面積、収益見通し等を鑑み、スクラップ&ビルドを推進しております。
(単位:店舗)
2023年3月31日現在の店舗数
出店
閉店
2023年6月30日現在の店舗数
マツモトキヨシグループ
1,863
22
15
1,870
ココカラファイングループ
1,546
13
9
1,550
合計
3,409
35
24
3,420
<管理サポート事業>当社グループ会社が取り扱う商品の仕入や当社グループ会社の経営管理・統轄、その間接業務の受託業務、当社グループ会社からの配当金収入及び、外部への商品供給・施工業務・広告宣伝等を行っており、業務活動の範囲も拡大しております。
(2) 財政状態の状況 当第1四半期連結会計期間末における総資産につきましては、前連結会計年度末に比べて33億91百万円増加して6,915億23百万円となりました。これは主に商品が45億73百万円、投資有価証券が25億32百万円それぞれ増加したものの、現金及び預金が55億94百万円減少したこと等によるものであります。負債につきましては、44億98百万円減少して2,009億15百万円となりました。これは主に未払法人税等が97億43百万円減少したものの、買掛金が53億80百万円増加したこと等によるものであります。純資産につきましては、78億89百万円増加して4,906億7百万円となりました。これは主に、利益剰余金が57億18百万円、その他有価証券評価差額金が17億10百万円それぞれ増加したこと等によるものであります。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題 当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動 該当事項はありません。