【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。なお、第1四半期連結会計期間より、商品の評価方法の変更を行っており、遡及処理の内容を反映させた数値で前年同四半期連結累計期間及び前連結会計年度との比較・分析を行っております。詳細については、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」をご参照ください。
(1) 経営成績の状況 当第2四半期連結累計期間(2022年4月1日~2022年9月30日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の厳しい状況が緩和され、各種政策の効果もあり、個人消費や企業収益、雇用環境に持ち直しの動きが続いておりますが、物価上昇や供給面での制約に加え、金融資本市場の変動等による下振れリスクにより、先行き不透明な状況が続いております。ドラッグストア業界におきましても、業種・業態を越えた競合企業の新規出店、商勢圏拡大に向けた新たなエリアへの侵攻、M&Aによる規模拡大、同質化する異業種との競争、それらが要因となる狭小商圏化など、当社グループを取り巻く経営環境は厳しい状況が継続しております。このような環境の中、当社グループの重点戦略は国内とグローバルに分け設定し、国内戦略として「お客様のライフステージに応じた価値提供」を戦略テーマに3つの重点戦略、①利便性の追求-お客様との繋がりの深化、②独自性の追求-体験やサービス提供の新化、③専門性の追求-トータルケアの進化と、グローバル戦略として「アジア市場での更なるプレゼンス向上」を戦略テーマに④グローバル事業の更なる拡大を重点戦略として設定し、経営統合によるシナジー実現に取組みました。PB(プライベートブランド)商品につきましては、順次新商品の展開を進めております。2022年9月末現在における当社グループの顧客接点数は、1億2,357万となり、国内店舗数は3,374店舗(うち調剤薬局数899店舗、健康サポート薬局数139店舗)となりました。今後も4つの重点戦略を実行することで収益改善を図ってまいります。
これらの結果、当第2四半期連結累計期間における主な経営成績は次のとおりであります。
前第2四半期連結累計期間(百万円)
当第2四半期連結累計期間(百万円)
増減額(百万円)
増減率(%)
売上高
277,003
465,075
188,071
67.9
営業利益
15,607
28,322
12,714
81.5
経常利益
16,574
30,635
14,061
84.8
親会社株主に帰属する四半期純利益
10,185
18,504
8,319
81.7
セグメントの業績は次のとおりであります。2021年10月1日付で実施された株式会社ココカラファイングループ(旧株式会社ココカラファイン)との経営統合に伴い、報告セグメントを従来の「小売事業」「卸売事業」「管理サポート事業」から「マツモトキヨシグループ事業」「ココカラファイングループ事業」「管理サポート事業」の3区分に変更しております。なお、前第2四半期連結累計期間のセグメント情報は、変更後のセグメント区分に基づき作成したものを記載しております。
前第2四半期連結累計期間(百万円)
当第2四半期連結累計期間(百万円)
増減額(百万円)
増減率(%)
マツモトキヨシグループ事業
売上高
271,055
276,276
5,221
1.9
セグメント利益又はセグメント損失(△)
16,192
18,801
2,609
16.1
ココカラファイングループ事業
売上高
-
187,510
187,510
-
セグメント利益又はセグメント損失(△)
-
9,311
9,311
-
管理サポート事業
売上高
193,124
280,789
87,665
45.4
セグメント利益又はセグメント損失(△)
△707
4,285
4,993
-
調整額
売上高
△187,175
△279,500
△92,325
-
セグメント利益又はセグメント損失(△)
122
△4,076
△4,199
-
合計
売上高
277,003
465,075
188,071
67.9
セグメント利益又はセグメント損失(△)
15,607
28,322
12,714
81.5
<マツモトキヨシグループ事業>4つの重点戦略に対して、以下の取組みを実行いたしました。①利便性の追求-お客様との繋がりの深化として、社会全体のデジタル化が進み、お客様のライフスタイルが変化しつつある中で、一人ひとりのお客様と深く繋がっていくことでニーズを的確に捉え、最も身近な存在となることが必要と考えております。そのため、デジタルと店舗網を活用したお客様に届ける仕組みづくり、様々な買い物スタイルの提供など、利便性を追求していくことで、お客様により深く寄り添う営業を目指しております。マツモトキヨシグループの顧客接点数は、2022年9月末現在、9,447万まで拡大いたしました。②独自性の追求-体験やサービス提供の新化として、激しい競争環境の中で、お客様との様々な接点から蓄積されたデータと高いマーケティング分析力を活かし、お客様の価値観に基づいた商品・サービスや店舗モデルの開発、メーカー様向け広告配信事業の展開など、マツモトキヨシグループならではの独自性を追求していくことで、お客様に選ばれる企業を目指しております。店舗につきましては、「マツモトキヨシ」ブランド戦略の一環として、お客様に楽しいショッピングを体験していただくことを目指し、これまでの店舗をさらに進化させた「スタンダードタイプ」「郊外型デイリータイプ」「都市型フラッグシップタイプ」「matsukiyo LABタイプ」「グローバルタイプ」の5つの店舗フォーマットに再構築し、リニューアルを開始しました。PB商品につきましては、美白機能に特化した「ザ・レチノタイム ホワイト」の展開をスタートしたほか、「アルジェラン」から新ヘアケアシリーズ「プレミアムリペア」の販売とリップスティックのリニューアル、「matsukiyo」から「W/M AAA(ウーマン メソッド トリプル A)」のスキンケアラインのリニューアルなど及び「レプリカノーツ」「matsukiyo LAB」からそれぞれ新商品を発売いたしました。
③専門性の追求-トータルケアの進化として、少子高齢化が進み、健康長寿社会の実現を目指すわが国においては、様々なお客様のライフステージに応じた質の高いサービスを提供することで、地域社会により大きな安心と喜びを提供していくことが求められていると考えております。そのため、セルフメディケーションの推進やオンラインを活用した服薬指導・接客などに加え、心と身体の両面でのビューティーケアなど、専門性を追求していくことで、地域包括ケアシステムを支え、すべての人がいつまでも美しく、健康で心豊かな生活を送れるよう取組んでおります。調剤薬局数は392店舗となり、厚生労働省の認可を受けた健康サポート薬局数は35店舗となりました。また、薬局経営支援サービスである調剤サポートプログラムの加盟店舗数は174店舗まで拡大いたしました。④グローバル事業の更なる拡大では、アジアを中心とした新たな進出国の開拓や海外店舗展開、越境EC事業の拡大を図るため、海外SNSの活用やグローバル会員獲得によるアプローチ強化、グローバルで活躍する人材の開発、海外で支持される商品の開発などに積極的に取組むことで、美と健康への意識が高まっているアジア地域での事業規模拡大とプレゼンス向上を目指しております。海外店舗展開として、2022年5月に香港において新規出店し、2022年9月末の海外店舗数は、タイ王国で24店舗、台湾で23店舗、ベトナム社会主義共和国で3店舗、香港で3店舗の合計53店舗となりました。
<ココカラファイングループ事業>「利便性の追求-お客様との繋がりの深化」「独自性の追求-体験やサービス提供の新化」「専門性の追求-トータルケアの進化」という3つの国内重点戦略に対して、マツモトキヨシグループと同様の取組みを実行いたしました。なお、2022年9月末現在、顧客接点数は2,910万、調剤薬局数は507店舗となり、健康サポート薬局数は104店舗となりました。
国内店舗の出退店の状況につきましては、次のとおりであります。
(単位:店舗)
2022年3月31日現在の店舗数
出店
閉店
2022年9月30日現在の店舗数
マツモトキヨシグループ
1,808
44
17
1,835
ココカラファイングループ
1,517
27
5
1,539
合計
3,325
71
22
3,374
<管理サポート事業>当事業は、当社グループ会社が取り扱う商品の仕入や当社グループ会社の経営管理・統轄、その間接業務の受託業務及び、外部への商品供給・施工業務等を行っており、経営統合により業務活動の範囲も拡大しております。
(2) 財政状態の状況 当第2四半期連結会計期間末における総資産につきましては、前連結会計年度末に比べて194億58百万円増加して6,719億82百万円となりました。これは主に現金及び預金が90億4百万円、流動資産その他が58億36百万円、商品が47億67百万円それぞれ増加したこと等によるものであります。負債につきましては、63億67百万円増加して1,987億61百万円となりました。これは主に買掛金が91億15百万円増加したものの、未払法人税等が19億1百万円減少したこと等によるものであります。純資産につきましては、130億91百万円増加して4,732億21百万円となりました。これは主に、利益剰余金が135億43百万円増加したものの、自己株式が30億18百万円増加したことによる純資産の減少があったこと等によるものであります。
(3) キャッシュ・フローの状況当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は835億23百万円となり、前連結会計年度末と比較して90億4百万円の増加となりました。当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果獲得した資金は、286億50百万円(前年同期は177億74百万円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前四半期純利益301億53百万円の計上によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果使用した資金は、110億24百万円(前年同期は50億48百万円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出76億62百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果使用した資金は、87億24百万円(前年同期は83億6百万円の使用)となりました。これは主に、配当金の支払額49億47百万円や、自己株式の取得による支出32億1百万円によるものであります。
(資本の財源及び資金の流動性)当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、主に営業活動により得られた資金を新規出店に係る設備投資に充当しております。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題 当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5) 研究開発活動 該当事項はありません。