【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第3四半期累計期間における我が国経済は、依然として続く部材・半導体不足に加え、資源・エネルギー価格の高騰、円安の影響などにより総じて厳しい状況で推移いたしました。また、世界経済におきましても、同様に経済活動が再開され回復の兆しがみられましたが、部材不足や原材料価格の高騰に加え、ウクライナ情勢など、先行きは不透明な状況が続いております。
当社が関係しております粘着・接着・香料・電子材料・ラミネート業界におきましては、原材料価格・エネルギー価格の高騰、製品価格の競争等により、引き続き厳しい経営環境となりました。
このような経済情勢のなかで、当社といたしましては、市場や顧客ニーズの変化を的確に把握し、高付加価値製品の開発、国内外の新規顧客の開拓及び取引先との関係強化に積極的に取り組み、販売の拡大に努めてまいりました。また、原材料の高騰が続くなかで生産の合理化・効率化をはかり、利益の確保に努めてまいりました。
この結果、当第3四半期累計期間の経営成績は、売上高8,972百万円(前年同四半期比5.4%減)、営業利益289百万円(同52.2%減)、為替差益等により経常利益658百万円(同17.9%減)、高木作業所跡地の一部売却により四半期純利益655百万円(同8.3%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
① テルペン化学製品
粘着・接着用樹脂においては、自動車部品用途及び工業テープ用途のテルペンフェノール樹脂、工業用途のテルペン樹脂及び変性テルペン樹脂が低調に推移したことにより減収となりました。化成品においては、木工用途のワックスが好調に推移した一方、電子材料分野及び香料分野に加え塗料用途の化学品が低調に推移したことにより減収となりました。この結果、当事業全体の売上高は、6,588百万円(前年同四半期比7.0%減)、営業利益826百万円(同17.4%減)となりました。
② ホットメルト接着剤
ホットメルト接着剤においては、生活用品用途の粘接着剤及び包装用途の汎用ホットメルト接着剤が好調に推移した一方、食品用途の押出グレード、工業用途のマスターバッチが低調に推移したことにより減収となりました。この結果、当事業全体の売上高は2,000百万円(同0.6%減)、石油化学関連の原材料価格高騰及び設備投資による売上原価上昇により営業利益42百万円(同78.3%減)となりました。
③ ラミネート品
ラミネート品においては、光沢化工紙用ラミネートフィルムが市況の低迷により減収となりました。この結果、当事業全体の売上高は383百万円(同2.0%減)、製品再編成により営業利益30百万円(同61.2%増)となりました。
財政状態に関しましては、次のとおりであります。
(資産、負債及び純資産の状況)
当第3四半期会計期間末の資産につきましては、前事業年度末に比べ4,374百万円増加し29,356百万円となりました。これは主に、前渡金が減少した一方、現金及び預金、製品、仕掛品、原材料及び貯蔵品、機械及び装置、売掛金の増加によるものであります。
負債につきましては、前事業年度末に比べ3,842百万円増加し9,482百万円となりました。これは主に、未払法人税等、買掛金、賞与引当金が減少した一方、長期借入金、短期借入金の増加によるものであります。
純資産につきましては、前事業年度末に比べ532百万円増加し19,874百万円となりました。これは主に、利益剰余金の増加によるものであります。
(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(3)経営方針・経営戦略等
当第3四半期累計期間において、当社が定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期累計期間において、当社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第3四半期累計期間における研究開発活動の金額は、241百万円です。
なお、当第3四半期累計期間において、当社の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6)経営成績に重要な影響を与える要因
当社の経営成績に重要な影響を与える要因として、世界の景気動向に影響を受ける可能性があります。
(7)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社の資本の財源及び資金の流動性については、事業運営上必要な資金の流動性の向上と資金の源泉を安定的に確保することを基本としております。
当社の運転資金需要のうち主なものは、原材料の購入費用のほか、製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関から固定金利の長期借入を基本としております。
なお、当第3四半期会計期間末における借入金の合計残高は7,351百万円となっております。