【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第2四半期累計期間における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により抑制されていた活動が徐々に正常化に向かいつつあり、景気が持ち直す兆しがみられました。しかしながら、依然として続く部材・半導体不足に加え、資源・エネルギー価格の高騰、円安の影響などにより総じて厳しい状況で推移いたしました。また、世界経済におきましても、同様に経済活動が再開され回復の兆しがみられましたが、部材不足や原材料価格の高騰に加え、ウクライナ情勢など、先行きは不透明な状況が続いております。
当社が関係しております粘着・接着・香料・電子材料・ラミネート業界におきましては、全体的には持ち直しがみられたものの、原材料価格の高騰、価格競争等により、引き続き厳しい経営環境となりました。
このような経済情勢のなかで、当社といたしましては、市場や顧客ニーズの変化を的確に把握し、高付加価値製品の開発、国内外の新規顧客の開拓及び取引先との関係強化に積極的に取り組み、販売の拡大に努めてまいりました。また、原材料の高騰が続くなかで生産の合理化・効率化をはかり、利益の確保に努めてまいりました。
この結果、当第2四半期累計期間の経営成績は、売上高6,033百万円(前年同四半期比4.7%減)、営業利益230百万円(同37.8%減)、為替差益により経常利益719百万円(同60.0%増)、四半期純利益522百万円(同55.1%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
①テルペン化学製品
粘着・接着用樹脂においては、自動車部品用途及び工業テープ用途のテルペンフェノール樹脂、工業テープ用途及び包装事務テープ用途のテルペン樹脂が低調に推移したことにより減収となりました。化成品においては、木工用途のワックスが好調に推移した一方、電子材料分野及び香料分野に加え塗料用途の化学品が低調に推移したことにより減収となりました。この結果、当事業全体の売上高は、4,379百万円(前年同四半期比8.6%減)、営業利益543百万円(同16.2%減)となりました。
②ホットメルト接着剤
ホットメルト接着剤においては、工業用途のマスターバッチ及び生活用品用途の粘接着剤が低調に推移した一方、食品用途の押出グレード及び包装用途の汎用ホットメルト接着剤が好調に推移したことにより増収となりました。この結果、当事業全体の売上高は1,419百万円(同11.6%増)、石油化学関連の原材料価格高騰により営業利益84百万円(同22.9%減)となりました。
③ラミネート品
ラミネート品においては、光沢化工紙用ラミネートフィルムが市況の低迷により減収となりました。この結果、当事業全体の売上高は234百万円(同12.6%減)、製品編成により営業利益19百万円(同53.0%増)となりました。
財政状態に関しましては、次のとおりであります。
(資産、負債及び純資産の状況)
当第2四半期会計期間末の資産につきましては、前事業年度末に比べ496百万円減少し24,485百万円となりました。これは主に、製品、原材料及び貯蔵品、仕掛品が増加した一方、現金及び預金、売掛金の減少によるものであります。
負債につきましては、前事業年度末に比べ972百万円減少し4,667百万円となりました。これは主に、長期借入金、短期借入金、及び未払法人税等の減少によるものであります。
純資産につきましては、前事業年度末に比べ476百万円増加し19,817百万円となりました。これは主に、利益剰余金の増加によるものであります。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期累計期間における現金及び同等物(以下「資金」という。)は2,934百万円となり、換算差額363百万円を加算しても前事業年度末に比べ1,031百万円の減少となりました。
当第2四半期累計期間におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は、698百万円(前年同四半期は1,627百万円の獲得)となりました。これは主に、税引前四半期純利益の計上、減価償却費の計上に加え売上債権が減少した一方、棚卸資産の増加、為替差益の調整及び法人税等の支払による資金の使用によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、12百万円(前年同四半期は585百万円の使用)となりました。これは主に、定期預金が減少した一方、有形固定資産の取得による資金の使用によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、684百万円(前年同四半期は688百万円の使用)となりました。これは主に、長期借入金の返済による資金の使用によるものであります。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4)経営方針・経営戦略等
当第2四半期累計期間において、当社が定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期累計期間において、当社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
当第2四半期累計期間における研究開発活動の金額は、165百万円です。
なお、当第2四半期累計期間において、当社の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(7)経営成績に重要な影響を与える要因
当社の経営成績に重要な影響を与える要因として、世界の景気動向に影響を受ける可能性があります。
(8)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社の資本の財源及び資金の流動性については、事業運営上必要な資金の流動性の向上と資金の源泉を安定的に確保することを基本としております。
当社の運転資金需要のうち主なものは、原材料の購入費用のほか、製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関から固定金利の長期借入を基本としております。
なお、当第2四半期会計期間末における借入金の合計残高は2,219百万円となっております。