【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績の概況と分析
当第1四半期連結累計期間(2023年4月1日から同年6月30日)の概況
当第1四半期連結累計期間における当社グループの主要な需要業界の動向は、半導体市場はスマートフォンやパソコン等の需要減退やデータセンター投資の減速等もあり半導体メーカーでの生産調整が継続しており需要が減少しました。フラットパネルディスプレイ市場はパネルメーカーでの在庫水準適正化に伴い生産は緩やかに回復傾向にありますが、最終製品の需要は引き続き低調に推移しました。バイオ医薬品市場は引き続き高い成長となりましたが、バイオテック市場では一部減速が見られました。自動車市場は、半導体不足の解消も進み回復傾向にあります。
当社グループはこのような環境の中、デジタルソリューション事業では、半導体材料事業において最先端技術に対応した製品の拡販を、ディスプレイ材料事業では引き続き成長が期待される中国市場において競争力のある製品を中心に拡販を進めました。ライフサイエンス事業では、バイオ医薬品の開発・製造受託(CDMO事業)、医薬品の開発受託(CRO事業)を中心に拡大に努め、合成樹脂事業では、引き続き戦略製品の拡販に注力しました。しかし、全般的な需要業界の低調な動向に当社業績も大きく影響を受けました。
以上の結果、当第1四半期連結累計期間の業績は、売上収益は850億46百万円(前年同期比8.8%減)、コア営業利益は前年同期の利益62億47百万円から損失53億14百万円となりました。
(単位:百万円)
区分
前第1四半期
連結累計期間
当第1四半期
連結累計期間
増減
金額
構成比
金額
構成比
金額
比率
売上収益
デジタルソリューション事業
42,920
46.0%
37,725
44.4%
△5,194
△12.1%
ライフサイエンス事業
22,747
24.4%
21,215
24.9%
△1,532
△6.7%
合成樹脂事業
22,777
24.4%
22,717
26.7%
△60
△0.3%
その他事業
4,854
5.2%
3,388
4.0%
△1,466
△30.2%
調整額
-
-%
-
-%
-
-%
合計
93,298
100.0%
85,046
100.0%
△8,252
△8.8%
国内売上収益
28,932
31.0%
30,771
36.2%
1,838
6.4%
海外売上収益
64,365
69.0%
54,275
63.8%
△10,090
△15.7%
(単位:百万円)
区分
前第1四半期
連結累計期間
当第1四半期
連結累計期間
増減
金額
売上
収益比
金額
売上
収益比
金額
比率
コア営業利益(△損失)
6,247
6.7%
△5,314
△6.2%
△11,561
-%
親会社の所有者に帰属する
四半期利益(△損失)
5,742
6.2%
△2,582
△3.0%
△8,323
-%
① デジタルソリューション事業部門
デジタルソリューション事業につきましては、主要顧客である半導体メーカーでの生産調整による需要減を中心として売上収益は前年同期を下回りました。
コア営業利益は、売上収益の減少の影響で前年同期を下回りました。
以上の結果、当第1四半期連結累計期間のデジタルソリューション事業部門の売上収益は前年同期比12.1%減の377億25百万円、コア営業利益は前年同期比65.7%減の26億23百万円となりました。
② ライフサイエンス事業部門
ライフサイエンス事業につきましては、CDMO事業で当社グループのKBI Biopharma, Inc.での新工場の稼働により売上が拡大しましたが、診断薬事業で株式会社医学生物学研究所(MBL)での新型コロナウイルス抗原検査キットの販売減やCRO事業でのバイオテック向けの需要の減速もあり売上収益は前年同期を下回りました。
コア営業利益は、CDMO事業でKBI Biopharma, Inc.の一部主力工場での大規模修繕実施や在庫に係わる一時費用の計上、CRO事業での売上減少に伴う利益の減少もあり、前年同期を下回りました。
以上の結果、当第1四半期連結累計期間のライフサイエンス事業部門の売上収益は前年同期比6.7%減の212億15百万円、コア営業利益は前年同期の利益32百万円から損失68億57百万円となりました。
③ 合成樹脂事業部門
合成樹脂事業につきましては、主な対面市場である自動車市場は回復傾向にあるものの、需要は弱く売上収益は前年同期をやや下回りました。
コア営業利益は、原料価格の上昇に伴う値上げの浸透により売買スプレッドが改善し、前年同期を上回りました。
以上の結果、当第1四半期連結累計期間の合成樹脂事業部門の売上収益は前年同期比0.3%減の227億17百万円、コア営業利益は前年同期の損失4億79百万円から損失1億72百万円となりました。
(2)財政状態の概況と分析
①資産
当第1四半期連結会計期間の総資産は、主にのれんの増加により、前期比276億65百万円増の7,436億24百万円となりました。
②負債
当第1四半期連結会計期間の負債は、主に社債及び借入金の増加により、前期比216億78百万円増の3,567億2百万円となりました。
③資本
当第1四半期連結会計期間の資本は、主にその他の資本の構成要素の増加により、前期比59億87百万円増の3,869億22百万円となりました。
(3)キャッシュ・フローの概況と分析
当第1四半期連結累計期間の現金及び現金同等物(以下「資金」)は、前期末比86億70百万円増加し、813億10百万円となりました。
営業活動による資金収支は、10億83百万円の収入(前年同期は42億7百万円の支出)となりました。主な科目は、法人税等の支払額又は還付額36億68百万円(支出の減少)であります。
投資活動による資金収支は、110億23百万円の支出(前年同期は274億円の収入)となりました。主な科目は、有形固定資産等の取得による支出116億20百万円であります。
財務活動による資金収支は、177億円の収入(前年同期は387億17百万円の支出)となりました。主な科目は、コマーシャル・ペーパーの純増減額199億93百万円であります。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は仕入品に係る受託研究費を含めて78億80百万円であります。